スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

スマホのカメラはリングライトで実力倍増!

安くて簡単で効果的なライトを使おう!

 最近のスマホは画質がかなり良くなりました。そして現在は年末でもうすぐ年始。年末年始のイベントでは、誰もがスマートフォンのカメラ機能を多用すると思います。そこでオススメしたいのが、リングライト。↓こんなカタチのLEDライトで、自撮りをワンランクアップさせるアイテムとしてよく知られています。

スマホでの自撮り用のリングライト各種。自撮りの時に顔を明るく照らせるので、キレイなセルフィーを期待できます。
小さいほうのリングライトをスマホに装着して自撮りした様子。左がライトがオフで、右がライトがオン。むさ苦しい顔で恐縮ですが、リングライトを使って撮ると顔全体が明快に写り、さらに目にリング状のキャッチライトが入り、シワが軽減されたりもして、より好印象な自撮り写真が得られます。

 年末年始のイベントだーキレイに自撮りだー! というのも全然アリなんですが、これらリングライト、身近な撮影にもたいへん役立つ。例えばスマホでモノの撮影をして個人売買サイトに出品するとか、紙書類を撮影してデジタル化するとか、そういう使い方をする場合でもリングライトがすご~く役立つんです。百聞は一見に如かず。実際にリングライトを使って撮った顔以外の写真をご覧ください。なお、以下の作例は全てiPhone 11 Pro Maxで撮っています。

これも小さいほうのリングライトを使って撮った写真で、左がオフ、右がオン。仕上がりが大きく異なります。
これは紙書類を真上から撮影したもの。普通はたいてい影ができて見づらい感じになるわけですが、リングライトを使えばバッチリです♪

 使ったのと使わないのとでは、写真がずいぶん違う。リングライト、使わない手はナイ! というわけで今回は、年末年始にはもちろん、日常的に役立つスマートフォン向けリングライトをご紹介。セルフィー以外でもかなり役立つリングライトなんだゼ、みたいな話です。

そもそもリングライトとは?

 スマートフォン向けリングライトの話に入る前に、そもそもリングライトって何なのか? ということについて少々。

 リング状の照明器具なら全部リングライトと言えはしますが、撮影機材として多用されるのは接写用の円形フラッシュや、大型のリング状撮影用照明です。例えばカメラのレンズ先端に装着して使うタイプです。

これは本連載バックナンバーで紹介したサンワサプライの「カメラLEDリングライト 200-DGAC001」(現在は廃番)。カメラにセットして使う接写用のフラッシュです。
このリングライトを使って撮った写真。左がライト不使用、中央がライト使用、右がさらにレタッチしたものです。リングライトを使うだけで見違えるような写真になるというわけです。

 リングライトを使うと、被写体にまんべんなく光が当たり、影もできにくい。なので、被写体の細部までしっかり描写された明快な写真が得られます。CGっぽく見えたりもしますが、とてもハッキリした写真になるわけです。

 上のリングライトは5年前の製品で、当時の価格は税込9980円。当時としては「物凄く安い!」という印象でした。カメラメーカーのリングフラッシュの類はフツーに5~6万円していましたから、「こんなに安くて使い物になるの?」という疑問があるほど。でも実際に十分使い物になりました。

 そしてこの数年でこういったリングライト全体に価格破壊が起きたもよう。現在はより本格的な接写用リングライトが3000~4000円で売られています。

 さらに、スマートフォン用のリングライトも多数発売され、その価格も激安レベルです。前出の小さい方のスマホ用リングライトなんて1個500円とかですよ~。より機能性の高い大きいほうでも2000円程度。

 そして結論から言ってしまうと、500円や2000円といった投資で、スマートフォンで撮れる写真が明らかにレベルアップ。やはり、使わない手はナイ! と思う次第です。

500円のミニリングライトの実力

 ではまず、小さい方のリングライトから。Amazonにて500円(くらい)で買ったもので、確か2個で999円とかそういう値段でした。

500円のLEDリングライト。36個のLEDを内蔵し、直径は9cm弱。3段階に調光できます。USBで充電して使用。
クリップ式でスマートフォンにはどちら向きにでも装着可能。インカメラでもアウトカメラでも使えます。

 これに酷似した製品がた~くさん売られています。ぶっちゃけた話をしますと、Julie Wataiさんのクラウドファンディングプロジェクト「自撮り専用ライト『セル*キラ』」(プレスリリース)から発想を得たというかパクったというか、そういうリングライト群。それが激安で売られています。なお、『セル*キラ』のプロジェクトは未達成となったようです。

 さておき、このリングライトで撮った写真を見てみましょう。左がライト不使用、右がライト使用で、撮影後のレタッチは行っていません。

腕時計を撮影。リングライト使用の写真は十分な明るさとなり細部もよく見えます。ちょっと色が転んだので要レタッチですが、元の写真の明るさのバランスが良いのでレタッチも行いやすいです。
猫の女神バステトの置物。リングライト使用で細部までよく見えるようになりました。
こちらはバッグのピスネーム。リングライトを使ったら細部の解像感が大きく高まりました。
キーボードは、あまり差がありませんが、リングライト使用の写真は刻印がよりクッキリと見えます。
紙書類の類をテーブルの上に置き、真上から撮影。リングライトを使えば影ができて見づらいということもありません。
免許証。真上から撮ると免許証表面の光沢にリングライト光が反射してしまうので、斜めから。リングライトは、光沢のあるモノを真正面から撮るのが苦手です。

 といった感じで写ります。500円のリングライトを追加しただけで、こんなに印象の違う明快な写真に! やはり使わないテはありません♪

 ただ、このリングライトはサイズが小さいので、光沢のある被写体を撮るのが少々難しく、撮る角度の制限も出てしまいます。具体的には、光沢のある被写体を正面から撮るなどすると、リングライトが被写体に写り込んでしまいます。

 なので、例えば免許やカードを真正面から撮ったり、あるいは腕時計などを真正面から撮るのは苦手。そういう被写体を撮りたい場合は、リングのサイズがより大きいリングライトが必要です。

9インチのやや本格派リングライト

 続いて大きいほうのリングライトを。携帯するには大き過ぎるという感じですが、室内で撮影するには支障ないサイズ感です。リングのサイズが大きいので、自撮りした場合には目に大きめのリング型キャッチライトが写り、顔全体をより強くまんべんなく照らすので、さらに効果的なセルフィーが得られます。

 自撮り以外に使うにも、この大きめのリングサイズが好都合。より広い範囲を照らせるので、全体的に明暗差の少ない自然な写真になります。また、光沢のあるものを撮る場合でも、撮影する位置を少々工夫することでリングライトの写り込みをなくすことができます。

リング直径9インチ(約23cm)の大きめLEDリングライト。モバイルバッテリーやUSB-ACアダプターと組み合わせ、USB給電して光らせます。2つのツマミにより、明るさや光色(白色/暖色/混合色)を無段階で調節できます。中央のミニ雲台やスマートフォンホルダーは脱着可能。リングライト自体を三脚にセットすることもできます。Amazonにて2000円くらいで購入。

 ちょっと話が逸れるんですが、スマホ用に大きめリングライトを買うなら、上のような「リング内にミニ雲台やスマホホルダーをセットできるタイプ」がオススメです。こういうタイプならスマートフォンをリングライト内に容易にセットでき、写り込みの調節も行いやすく、全体的に撮影がスムーズに進みます。

 ともあれ、この大きめリングライトで撮った写真を見ていきましょう。左がライト不使用、右がライト使用で、撮影後のレタッチは行っていません。

腕時計。
猫の女神バステトの置物。
バッグのピスネーム。
キーボード。
書類。
免許証。

 大きめリングライトの使用感は非常にいいです。小さめリングライトの場合、被写体が大きくなるほど、光量が不足しつつ「光の当たりムラ」ができてしまうので、撮影角度などに気を使います。また、光沢のある被写体だと、リングライトの写り込みを回避するのに一苦労だったりも。

 その点、大きめリングライトだと光量が十分で光の当たりムラも出にくいですし、光沢のある被写体でも(やや接写気味に撮れば)リングライトの写り込みもできにくいです。大は小を兼ねる、という使い勝手。

 ともあれ、500円とか2000円の投資で、スマートフォンで撮れる写真がガラリと変わります。明快な写真が撮れますし、発色がよくなることも多い。また、当然ではありますが、光量アップにより手ブレが減少するという効果も期待できます。スマートフォンでよりキレイな写真を撮りたいと考えているなら、安く手に入るけれど効果抜群なリングライトをお試しあれ♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。