スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

クルマで使うスマートフォンホルダーを探して

クルマで使うスマートフォンホルダーを探して

 クルマで使っていたスマートフォンホルダーが壊れまして。関節部分がポキッと。てなわけで、便利に使えるクルマ用スマートフォンホルダーをアレコレ試し中の最近なんですが、ひととおりイイ感じのホルダーが見つかったのでまとめてレポートしてみます。

左は個人的に気に入っている「2関節アームタイプ」のクルマ用スマートフォンホルダーで、基本的には粘着吸盤でダッシュボード上に吸着させて使います。右はよりシンプルでコンパクトなタイプです。

 合計4個使いましたが、それぞれの機能性はさておき、数年前と比べると「コナレたつくりの製品」が増えたように思います。率直なところ、スレート型のスマートフォンが普及し始めた2010年あたりの「スマートフォンホルダー」とか「ケータイホルダー」とかって、大半がハズレだったような気がします。

 まあ「ハズレ」は言い過ぎかもしれませんが、吸盤の吸着力は弱いし、アームは緩んで傾くし、端末は落ちがちだし、みたいな。ユーザー自身が部分的にテープ固定したり、針金で緩み止めを施したりしないと、安定的に使えない製品が多かったような記憶があります。結局、より高い安定感を求めてゴツい「RAMマウント」(関連記事)ばかり使ったりして。

 その点、最近の製品は実用性のレベルがしっかりと底上げされているといった印象です。けっこう頑丈ですし、吸盤も強力。さておき、以下、最近試した各種「クルマ用スマートフォンホルダー」を見ていきましょう。なお、ホルダーとともに写真に写っているスマートフォンはiPhone 6s Plusです。

自動保持式ホルダーが便利な2関節アームタイプ×2種

 クルマ用のスマートフォンホルダーを探し始めて、最初に使ったのがサンワダイレクトの「iPhone 7/7 Plus対応スマートフォン車載ホルダー 200-CAR041」(公式ページ)です。詳細はリンク先をご覧いただければと思いますが、コレ、2関節のアーム式ホルダーで、ダッシュボードへの装着は粘着吸盤式、ホルダー部は360度回転し、しかも「端末を押しつけるだけで自動的に挟んで固定する」という便利な機構を備えています。サンワダイレクト価格は税込2280円でした。

各種スマートフォンホルダーを装着する車内。運転席右側のダッシュボード上に固定しました。固定位置には、ダッシュボードに貼り付けた吸盤用プレートがあります。このクルマのダッシュボード表面のシボ加工(凸凹加工)は少し深めで吸盤が外れることが多いので、こういったプレートを使っています。
サンワダイレクトの「iPhone 7/7 Plus対応スマートフォン車載ホルダー 200-CAR041」。2箇所に関節があるアーム式で、アームは伸縮し、ホルダー部分は自由に回転できます。
アームが突き出る向きを逆にすることもできます。こうすると、固定位置から20cm程度離れた位置でスマートフォンを保持できます。
車内に取り付けた様子。伸縮アームは、伸ばした位置でネジによりシッカリと固定できます。ホルダー部はギアで自由に回転し、端末を斜め向きにすることも可能。ホルダー部の関節により、端末向きの微調整もできます。
アームを逆方向から出すように固定すれば、ホルダーをさらに手前に出せます。粘着式吸盤は強力で、写真のようなプレートに固定すれば「外すのが大変なほどの固定力」です。写真のように、アームを最長にしつつ、端末を浮かせた状態でも大丈夫(ただしこの状態で走ると端末画面が振動で見えにくくなります)。このクルマのダッシュボードのシボ加工は深めですが、試してみたところ、この吸盤だと安定的に固定できました。
ホルダー部はバネ式で端末を挟むタイプ。ホルダーを開いた状態で、端末をポンと置くようにし、端末背面でホルダー中央のボタンが押されると、自動的に端末が挟まれて保持されます。この機構が非常に便利です。

 このアーム式ホルダー、粘着吸盤式の吸着力が非常に強く、アームの自由度も高く、各部の強度も十分で、しかも端末を押し当てるだけで自動的にホールド! 片手で端末をセットできて超便利! サイコー! とか思いました。関節の固定力なんかも高くて非常に良いです。

 ただ、使っていたら「ココがなあ」という残念感も少々。ひとつは、片手で端末を置くだけで自動的にホールドしてくれるのは便利ですが、端末を外す時は両手で扱う必要があります。コツを掴めば片手でもイケるのですが……。もうひとつ、ホルダーとアームを接続する関節部分が硬く、やや扱いにくいという点。

 これらが解消されればさらにナイスなのに……と思いましたが、もしかしたら、そういう製品が既にあるのかも? と思って探したら、Amazonにて発見。スマートタップの「EasyOneTouch2 HLCRIO121」(Amazonへのリンク)です。Amazon価格は税込2490円。

スマートタップの「EasyOneTouch2 HLCRIO121」。2箇所に関節があるアーム式ホルダーです。ダッシュボードへのセットは粘着吸盤式。ホルダー部分は自由に回転でき、ツマミを締めるとしっかり固定できます。
アームが突き出る向きを逆にすることも可能。この場合、固定位置から23cm程度離れた位置にスマートフォンをセットできます。
車内に固定した様子。ホルダー部分の形状が独特ですが、スマートフォンをセットしてしまえば目立たなくなります。
ホルダー中央の丸い突起を軽く押すようにスマートフォンを置くと、左右のホルダーが自動的に締まって端末を挟んで固定。端末の向きや角度は比較的に自由に調節できます。
片手でホルダーから外すこともできます。赤矢印の部分を指で押すとホルダーが開きますので、そのまま端末を引き抜けばOK。その状態でホルダーが開いたまま固定されますので、再度端末をホルダーに置けば自動的に保持。脱着が片手で行える自動ホルダーというわけです。
ホルダー背面の関節部はリングで締めたり緩めたりできるタイプ。扱いやすく強度も十分という印象です。ホルダー下側にある端末の滑り落ち防止のバーは、自由な位置にスライドさせられ、充電用やイヤホン用のジャックを塞ぎません。

 で、結論から言いますと、コッチのほうがちょっとイイ! と感じられました。ただ、粘着吸盤式の吸着力は、コチラの製品のほうが少し弱いかもしれません。試したクルマはダッシュボードが深めのシボ加工でしたので、ダッシュボード表面を十分脱脂しつつ、丁寧に吸着させないと「少し剥がれやすいことがある」という気がします。吸盤用プレートだとバッチリと固定されます。

シンプルな1~2関節タイプ×2種

 前出の2関節アームタイプは、アームが長めであるぶん少々嵩張ります。設置場所によっては邪魔になることも。というわけで、よりシンプルでコンパクトな1~2関節タイプも試しました。

 ひとつはサンワダイレクトの「iPhone 7 Plus/6s Plus・スマートフォン車載ホルダー 200-CAR036」(公式ページ)です。粘着吸盤式のホルダーで、ホルダー部はバネによる自動保持式で、片手での脱着も可能です。サンワダイレクト価格は税込2480円。

サンワダイレクトの「iPhone 7 Plus/6s Plus・スマートフォン車載ホルダー 200-CAR036」。粘着吸盤式のホルダーで、2箇所に関節がある短いアーム式です。
ホルダー部分は自由に回転でき、回転部の締め付けをリングで調節できます。ホルダー下部の端末脱落防止の押さえ部分は、若干の左右移動および長さ調節に対応。
車内に設置した様子。ホルダー中央の丸いボタンが押されるようスマートフォンを置くと、自動的にホルダーが閉じて端末が固定されます。端末の向きや角度も十分な自由度をもって調節できます。
ホルダーから端末を外すときは、ホルダー左右のボタンを押しつつ端末を引き抜くだけ。引き抜いた後は、左右のボタンが押し込まれた状態になります。
左右のボタンが押し込まれた状態で、端末を置きます。軽く置いて、画面中央をポンと押してホルダーの丸いボタンを押してもいいでしょう。ホルダーが閉じて端末が保持されると、ホルダー左右のボタンが少し飛び出します。

 モノとしてはシンプルな「iPhone 7 Plus/6s Plus・スマートフォン車載ホルダー 200-CAR036」ですが、端末の自動脱着機構が快適です。その快適さは「EasyOneTouch2 HLCRIO121」と同レベル。一度使うと「自動脱着じゃないとイヤ!」という気分になったりもします。わりと小型でシンプルな構造ながら、ネジ類が締めやすく緩めやすく、粘着式の吸盤も十分強力など、要所要所の完成度が高いのも好印象です。

 さて、シンプルなやつを、もうひとつ。サンワダイレクトの「iPhone・スマホ車載ホルダー 200-CAR008N2BK」(公式ページ)です。クリップ式・粘着吸盤式のホルダーで、1関節式。サンワダイレクト価格は税込2580円でした。

サンワダイレクトの「iPhone・スマホ車載ホルダー 200-CAR008N2BK」。粘着吸盤式のホルダーで、関節は1箇所だけ。クリップを開いて端末をホールドさせます。端末の画面向きや角度などは、かなり広い範囲で調節できます。
端末の脱着は片手でも行えます。クリップの端に端末のエッジを入れ、そのままクリップを押して開き、端末の反対側エッジをクリップ内に入れればOK。逆の手順で、片手での端末取り外しができます。

 このクリップ式のホルダー、片手での端末脱着もでき、なかなか便利。ただ、端末の向きや角度を調節する関節部分が細めで壊れやすそうに見えるのと、関節の硬さ調節リング(締めたり緩めたり)に力を込めにくく扱いにくいのが少し残念です。サイズを考慮せず、税込2580円という値段および使用感を考えると、前出の「EasyOneTouch2 HLCRIO121」(税込2490円)や「iPhone 7 Plus/6s Plus・スマートフォン車載ホルダー 200-CAR036」(税込2480円)のほうがイイかも、です。

粘着吸盤式ホルダーをドリンクホルダーにガッチリ固定

 粘着吸盤式のホルダーが主流になっている「クルマ用スマートフォンホルダー」製品群。今回装着したクルマのダッシュボードの場合、各ホルダーとも比較的にシッカリと固定できましたが、ダッシュボードなどのシボ加工の状態や表面材質により、強力な粘着吸盤式でも「剥がれやすい」ということがあると思います。

 そんな場合は、ダッシュボード上に強力な両面テープなどで平滑な「吸盤用プレート」の類を貼ってしまうのが良いと思います。そういうプレートを使えば、今時的な粘着吸盤式ホルダーならガッチリと固定できます。ただし、プレートが剥がれにくい~剥がれない~無理矢理剥がしたらダッシュボードが痛んだ、ということにもなりがち。

 そういう場合に便利なのが、ドリンクホルダーを利用して粘着吸盤式ホルダーを固定するという製品。以前からイロイロと出ていますが、今回はサンワダイレクトの「ドリンクホルダー用アタッチメント 202-CAR038SET」(公式ページ)を使いました。サンワダイレクト価格は税込2280円。

サンワダイレクトの「ドリンクホルダー用アタッチメント 202-CAR038SET」。クルマのドリンクホルダーに固定し、上に吸盤式のホルダーなどを固定できるようにするグッズです。上部を回すと下部の突起がせり出して、ドリンクホルダーを内側から締め付け、強固に固定されるしくみです。
実際に固定した様子。しっかりと固定されました。
その上に粘着吸盤式のスマートフォンホルダーを固定しました。ダッシュボード上に固定したのと同様に、安定的に固定できました。シボ加工の深くて粘着吸盤式ホルダーが不安定な場合、このドリンクホルダー用アタッチメントを使うのは現実的な手です。
この「ドリンクホルダー用アタッチメント 202-CAR038SET」には、専用の滑り止めシートが付属しています。これを上に貼ると、スマートフォンなどが滑らず置ける台座になります。
こんな感じでスマートフォンを置けます。極端にズレた位置に置かなければ、このまま走ってもスマートフォンはわりと安定的に保持されています。

 てな感じで、粘着吸盤式もしくは吸盤式のホルダー類が剥がれやすくて困っているなら、こういうグッズがイイかもしれません。レンタカーでスマートフォンホルダーを使いたいという場合にも良さそうです。クルマで出掛けるのが楽しい季節になってきましたので、これらスマートフォンホルダー類、ご参考にしていただければ幸いです。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。