みんなのケータイ

 「ZenFone Zoom」の特徴といったら、やっぱりその名の通り光学3倍ズームだ。その一方で、スマホのカメラの使い道と言えば、普段の何気ない場面を切り取ること。お昼ごはんだったり家族だったりペットだったり、ふと目を奪われた景色だったり。そうした使い方とズーム機能は組み合わせられるのか――「ZenFone Zoom」を手にして約2カ月、少しずつ考えながら使ってみた。

 本誌のレビュー記事で触れられていた「近寄れない被写体」として、普段の生活のなかで、いくつか写真を撮ってみた。たとえば高層ビルの上層階。はたまた、春を迎えてわずかな期間、咲き誇っていた桜、多くのクルマや人が行き交う交差点の向こう側。

 ちょっと便利だと思ったのは、ありがちだけど、水辺の鳥を撮影しようとしたときのこと。この日は風が強くて、あいにく思うような写真は撮れなかった(もっと鳥にクローズアップしたかった)のだけれど、強風がもたらした波に揺れる鳥の姿をおさめることができた。特に野鳥などに強い関心があるわけではないのだが、このときは、「なるほど、近寄れない被写体ってこういうことなのか」と腹落ちした。

 さらにもうひとつ、個人的にニヤッとした「近寄れない被写体」は、焼肉。いわゆる飯テロの対象としてありがち、だけど、火にあぶられる肉を少し離れた距離からバッチリおさめることができた瞬間は、これから飯テロ放題だ! と、今になって思えばよくわからないちょっとした感動に襲われた。

 このほか、息子さん(5歳、幼稚園児)のお遊戯会に出席したものの、ビデオカメラやデジタルカメラをすっかり忘れてしまったときにも「ZenFone Zoom」のおかげで、それらしい写真を記録できたことも伝えておきたい。そもそもスマホ一丁でそういう場面にのこのこ出かけて行ってる時点でどうなんだ、という指摘を受けると、へいごもっとも……と口ごもるしかない。だが、人間ついうっかりもあるじゃないですか。そのまま、うっかりで済ましてしまおうとしたら確実に家族から非難囂々となってしまうのだが、「ZenFone Zoom」の光学3倍ズームでなんとか助かったのです。いや、思わぬ利用シーンとなってしまって、世の親御さんに向けてこれがオススメです! と言うべきじゃないのかもしれないが、持ってて良かったZenFone Zoom。この助っ人ぷりは、いつも手にするスマホだからこそ、と言っていいと思う。