みんなのケータイ
NokiaからMicrosoftへの移行を実感した秋の展示会
山根康宏
(2014/10/7 06:00)
9月は主要メーカーの新製品発表会や大型展示会の連続で多くのライター陣が世界中を飛び回っていた。筆者もドイツ→アメリカ→ドイツと3つの展示会を訪問。個人的なお目当てはドイツのIFA直前に発表されたLumia 730と830を見ることだった。IFAにはNokiaは直接出展していないものの、ヨーロッパの携帯電話の代理店ブースが例年出展しており、そこに各メーカーのミニブースが出ている。ブースではグッズも配られるなど訪問するのは毎年の楽しみでもあるのだ。
だが、Nokiaの携帯電話部門はMicrosoftに買収されており、今年のIFAでは「NOKIA」のブルーをバックにしたロゴを見かけることはなかった。代理店のミニブースや、ドイツテレコムなどキャリアのブース内で見かけるのはすべて4つのタイルが並んだMicrosoftのロゴばかり。もはや端末メーカーとしてのNokiaは消滅してしまったことを改めて実感させられた。
とはいえ、グッズは処分も兼ねてか終日ブース内には豊富に置かれており、ストラップやグミは出すや否やあっという間になくなる状況。まだまだNokiaブランドは健在ということだろうか。
展示されていた端末は新製品2機種やLumia 930、Lumia 630など型番が「30」そして「35」の今年の最新モデル。来訪者の反応も悪くなく、前のLumiaを持っている客が買い替えのために新製品を見に来ている光景も結構目にした。苦戦していると言われているWindows Phoneも、会場内でも持っている人をそれなりに見かけたことからヨーロッパでは着々と利用者数が増えているのだろう。
新製品のうちLumia 730は意外にもデュアルSIM機能への質問が多くされていた。デュアルSIMは新興国などで人気だが、先進国でも通話用の安いSIMとデータ通信特化のSIM、のような2枚利用が増えているのかもしれない。ドイツもMVNO事業者が多く、SIMの複数利用がしやすい環境になっている。なお、さりげなくフロントカメラが5メガピクセルで、セルフィー利用も意識いしているあたりは見逃せない。
また、Lumia 830は最上位モデルのみが採用していた金属フレームやPureView技術のカメラを搭載するなどなかなか侮れない製品に仕上がっている。価格もミッドレンジの上位クラスであり、フラッグシップのLumia 930とどちらを選ぶか悩ましい存在だ。
展示機すべてにはNokiaロゴが入っていたものの、次の大型国際展示会、2015年1月にラスベガスで開催されるCES 2015ではこのロゴが無くなってしまうかもしれない。Nokiaの開発陣がそのままMicrosoftへ移動してLumiaシリーズを開発していることから、今後も既存のLumiaのエッセンスを引き継いだ製品が出てくるだろう。恐らく今年の「30」シリーズの製品はこれで全てが出揃っただろうが、来年の「40」シリーズはどんな製品が出てくるのか、今から楽しみにしているところだ。