みんなのケータイ
iPhone 5sとARROWSの指紋認証を使い比べてみた
【iPhone 5s】
房野麻子
(2013/10/3 06:00)
新しいiPhone、発売されましたね。5sは発売前から品薄が予想され、いまだにその状態が続いております。私はラッキーにも初日に量販店でauのゴールド32GBモデルを購入することができましたが、オークションサイトで、ドコモ版ほどではないにしても高値でやり取りされているのを見ると、出品の誘惑に駆られます。
使い始めたばかりですが、iPhone 5sの指紋認証の便利さに驚いております。ロックが非常にスムーズに解除されて、いい、いいとは聞いていましたが、確かに快適です。ただ、指紋認証といえば、その筋の先駆者、富士通のARROWSだってかなり便利な使い方ができるのです。しかし、iPhone 5sの指紋認証機能を登録し、使ってみると、ちょっとした気遣いが大きな差になってくるのだなぁ、と改めてアップルのUIの、さりげない使いやすさに感心してしまったのでした。
まず、指紋の登録方法が、iPhone 5sはゲーム感覚で楽しいです。指をホームボタンに触れたり離している間に指紋が読み取られていくのですが、何度がやっているうちに、画面では最初グレーだった指紋のイラストが赤く染まっていきます。読み取りの進捗がひと目でわかり、ジワジワと指紋が赤く染まっていくと、どうということのない操作なのに楽しくなってきます。ARROWSの指紋登録も、まったく難しくはないですし、イラストも使われて工夫されていますが、進捗がただのプログレスバーなのですよね。当初は何も感じませんでしたが、iPhoneのエンターテインメント化された登録方法を体験してしまうと、実は登録が面倒だと思っていたんだ、ということに気付かされてしまいました。
ロック画面を始め、さまざまなセキュリティ解除に指紋を利用できるのは、どちらも同じです。使い勝手は、慣れや好みもありそうですが、ボタンの上にただ指を置くだけのiPhone 5sが使いやすいと感じる人が多そうです。かく言う私もiPhoneに一票です。今はまだロック画面で右フリックしてしまうクセが抜けていないので、スリープオフからそのままロック解除に至れないことも多いのですが、慣れてしまえばワンタッチでロック解除できるようになるでしょう。
ARROWSの場合は、クリック後に指を滑らせて読み取らせて解除します。慣れれば無意識にできますし、読み取り精度も解除スピードもiPhone 5sに劣るとは思いません。ただ、私は手のひらを上に向けた状態(スマートフォンのディスプレイが見える状態)で、人差し指を下から上に押し上げてクリックする動作がどうも苦手です。人差し指に妙な力が入って、かなり大げさにいえば、指が疲れちゃうのです。ディスプレイを下や横にして持てばいいのですが、画面表示が見えないのもイヤなのですよね。
iPhoneを持ち上げてきましたが、気に入らないところがないわけではありません。たとえば、指紋認証でロック解除する設定にしているのに、結構たびたびパスワード/パスコードの入力を求められます。本体の再起動後のほか、OSのアップデート後かアプリの更新後か判断がつかないのですが、App Storeでもちょくちょくパスワードの入力を求められ、いまだ指紋認証でアプリを購入できません。また、「パスコードと指紋認証」の設定画面を開く際は、指紋認証を利用している状態でもパスワード/パスコードの入力が必要です。原則的にはパスコード/パスワードがメインで、指紋認証はサブ扱いなのかなと感じます。
一方、ARROWSは指紋認証の登録で、指紋認証が使えない場合の予備の解除方法として「パターン」「暗証番号」「パスワード」を設定できますが、ここで「なし」も選べます。万が一、指紋が読み取れない場合はロック解除できず、ドコモショップに駆け込まなくてはいけなくなるそうですが、指紋認証が端末にしっかり根付いていると感じます。iPhone 5sの指紋認証機能の評価が高く、がんばってきたARROWSは肩身が狭い思いをしておりますが、次の進化に期待したいところです。