雑学に強くなった「しゃべってコンシェル」

2012年7月3日 06:00
(関口聖)

 ドコモの「しゃべってコンシェル」がバージョンアップした。これまでも、「明日の朝、8時に起こして」と喋りかければアラームがセットされたし、乗換検索や現在地の地図表示といった使い方はできたが、今回のバージョンアップで何ができるようになったのか。ドコモでは「生活に密着した情報や雑学など幅広い質問に対して、クラウド上で推定した『回答そのもの』を表示できるようになる」としている。

 つまり、これまで「富士山の高さは?」と尋ねると、富士山と高さというワードでの検索結果を表示していたのに対して、新バージョンでは「3776mです」と答えをずばりと示すようになった。いわば“雑学に強くなったのが今回の特徴”だ。約1カ月前に開催された展示会「ワイヤレスジャパン2012」のドコモブースでも、「しゃべってコンシェル」の質問例として「日本の選挙権は何歳以上ですか?」「院政を始めたのは誰?」「渡辺謙さんのプロフィールを教えてください」などが挙げられている。かくいう関口も、先日、テレビCMに出演している外国の俳優さんの名前がわからず、「○○(商品名)のCMに出ているのは誰?」と「MEDIAS N-05D」に向かって質問したら、きちんと答えを得られた。こうした質問を投げかけて、ずばりと答えが示されれば、「おお、すごい」と素直に感嘆する。

試しに千代田区の面積を聞いてみた。しかしそもそも答えを知らなかったので、合ってるかどうか確認してしまったのは、ここだけの秘密ちなみに、しゃべってコンシェルではTwitterを対象にしたリアルタイム検索もできる。個人的には「阪神の試合結果を教えて」と尋ねるのが便利に使えそう

 

 音声で問いかけて機械が答える、というシチュエーションは、ものすごく未来的でワクワクする機能だ。だから、ちょっと試してみて、うまく答えが得られると嬉しくなって、もっと試したくなる。ところが、全ての自然文に対応できるかといえば、まだまだ難しくて、ちゃんとした答えが得られないことも少なくない。雑学的な質問をしたのに、位置情報関連で検索するなど、ちょっと的外れの答えに繋がることもあり、そうした失敗が続けばイラッとすることもある。なので、現時点では「こういう質問なら良い感じですよ」という例文が示されれば嬉しいし、個人的には、雑学的な質問は最終的に「Q&Aボタン」を選ぶと、答えが得やすいかなと感じている。

 ただ、“ムチャぶり”とわかって、いろいろ質問してみると、「そうきたか!」という驚きと笑いを得られることのほうが多いように思う。たとえば、「しゃべってコンシェル」をバージョンアップした直後、「今日のお昼ご飯は何がいいでしょうか」と無茶な質問をしたところ、「しゃべってコンシェル」からは「インターネットでお調べしたところ、ごま油です」と回答してくれた。実にツッコミ甲斐のある返事だったので、次々、ムチャな質問をして楽しませてもらった。こうした機械とのインタラクティブな遊び方は、iPhoneの「Siri」登場時にもネットでいろいろと話題になったが、音声認識エージェントでもたらされた新しい体験だ。いずれは、ムチャぶりだけではなく、幅広い自然な問いかけに答えてくれる日がくるのだろうが、その進化の過程も積極的に楽しみたいところだ。