GALAXY NEXUSに見るAndroid 4.0のコアアプリの実力

2012年2月14日 06:00
(橋本保)

 もう発売から数カ月経って新製品として話題にならなくなりつつあるのですが、もう一度Android 4.0をちゃんと使ってみようと思って「GALAXY NEXUS」に再び電源を入れて使ってみることにしました。

 何を使ってみたかったかというと、「ブラウザー」「カレンダー」「Gmail」といったAndroidのコアアプリです。コアアプリとは、その名のとおり、Googleの核となるサービスに対応したアプリのこと。これらのアプリは、Android 4.0では、大幅にUIが変わっています。

 まずは、「ブラウザー」です。挙げていくといろいろとあるんですが、とにかく速いというか快適です。2.3の「ブラウザー」では、ツツツーーーって感じだったのが、ツルルーーーっと滑らかになったような印象です。これまでGoogleは、バージョンが上がるたびに「◯倍速くなった」という表現をしてきましたが、3.x以降は、そういう表現が目立たなくなりました。あくまでも想像の範囲ですが、単純な速さだけでなく、使った感覚を重視しているのかもしれません。

 機能面では、タブ機能が使いやすくなっています。2.x系では、メニューボタンを押し、[新規ウィンドウ]をタップすると新しい画面が現れるというUIでしたが、4.0では、タブのアイコンをタップすると、ウィンドウの切り替え画面が現れます。画面の切り替えも上下にフリックするだけ。メニューボタンを押して[ウィンドウ一覧]から選ばなければいけなかった従来の「ブラウザー」に比べると、格段に快適です。

 また小技ですが、スマートフォン版サイトを表示中に、PC版をリクエストする機能もついています。たとえばケータイ Watchのスマートフォン版サイトで、この機能を使うとこんな感じ。リンクを探したり、URLを入力しなければいけなかったので、手間が省けます。

ウィンドウの切り替えが簡単にPC版サイトへの切り替え機能も用意されている

 「カレンダー」でユニークなのは、週表示画面でピンチイン/ピンチアウトをすると、拡大縮小ができるようになりました。ピンチインを全体を表示し、週の空き時間を探したり、ピンチアウトをして拡大し、予定の詳細を確認することができます。

 このほかパソコン版のGoogleカレンダーと同様、過去の予定を薄い色で表示する機能が備わっています。これから来る予定と、過去の予定が区別できるのは、私は重宝しています。

週表示画面でピンチイン/ピンチアウトをすると、拡大縮小ができる

 Gmailは、メール閲覧時に左もしくは右にフリックをすると、前もしくは次のメールを表示してくれます。これも2.3の画面と比較してみましょう。2.3(左画面)では、下段に4つのボタンがあります。左からアーカイブ、削除、[<]、[>]です。[<]は、表示中のメールよりも前に受信したメールに移動するカーソル、[>]は表示中のメールよりも前に受信したメールに移動するカーソルです。Android 4.0では、この[<]と[>]がなくなった代わりに、前述のとおりフリックで前もしくは次のメールに移動します。実際に使ってみるとおわかりいただけると思いますが、これはとても使いやすい。これを使ってしまうと、もう2.xを使う気にはなりません。たとえXiで通信速度が速いと言われても、実際の使用感は、こっちのほうが気持ちいいんじゃないかな、と私は思っています。

 ちなみAndroid 4.0の下段に配置されているアイコンは、左からアーカイブ、削除、ラベル、未読にする、メニューボタンとなっています。画面だけを見ていると、「2.3に比べるとボタンが小さくて使いにくいんじゃないの?」と思われるかもしれません。が、そんなことはありません。Gmailをアクティブに使っている方ならおわかりいただけると思いますが、これまではメニューボタンを押し、[ラベルの変更]を選んでからでないと現れなかったラベルが真ん中にあるおかげでとても便利になりました。また、メール一覧画面に現れる受信トレイをタップすると、別アカウントに切り替えたり、スター付きのメールを表示できます。こんなところもGmailをアクティブに使っている方なら、重宝する機能でしょう。

2.3(左)と4.0(右)でのGmailの違い