上海でmicroSIMカードを探す旅に出た

2011年5月20日 06:00
(石川温)

 ついに日本でも発売となったiPad 2。今回購入したのは64GBの3G+Wi-Fi版。やはり、3Gでどこででも通信ができるのは魅力だ。

 4月に上海、5月初旬に北京出張が入っていた。現地でもiPad 2を使いたいということで、4月に上海に入るやいなや、すぐに街に出てmicroSIMカードの調達をしてみた。

 しかし、調べてみると、中国においてアップルはiPadの3G版というのを販売していないようだ。アップルストアでも取り扱っているのはWi-Fi版のみ。中国内で3G版を持っているという人は、おそらく香港やアメリカなどの海外から輸入したものだと思われる。そのため、当然のことながら、キャリアがiPad 3G用のmicroSIMカードを販売しているということはない。

 そこで、USBデータ端末用のプリペイドSIMカードを購入し、microSIMカッターで切断する方法を思いついた。中国では、キャリアがiPhone 4用にSIMカードをカッターでmicroSIMカードに切断してしまう国。日本でやるには気が引けるが、中国では「常識」だったりもする。

 プリペイドSIMカードを購入しようと向かったのが上海駅前にある「不夜城」。ビルのなかすべてが携帯電話関連のショップが入っており、ケータイマニアの聖地みたいなところだ。一昔の秋葉原をさらに汚くしたようなイメージといえばわかりやすいか。

 不夜城の中はというと、電話機の品揃えは多いのだが、データ通信端末はあまり見かけることがない。なかでも数店が取り扱っている程度だ。さすがに中国語がわからないのので、口頭で交渉できずに困っていたが、そんななか、ある一軒では、カウンターに料金表を置いていた。料金表を見ながら、指を指せば何とか買うことができそう。まずは料金表をじっくり吟味し、お得そうなプランを探し出すことにした。

 料金表で注意したのが、料金、データ量、有効期限、そしてエリアだ。W-CDMAを使うため、チャイナユニコムという選択肢になる。上海しか使えないものもあるようだが、翌月に北京出張も控えているため、他の地域でも使えるものが望ましい。北京出張は2週間後のため、有効期限は最低でも1カ月は欲しい。データ量に関しても、メインがiPadではあるが、数GBぐらいは欲しいものだ。

 いくつかのプランがあるうち、上海以外でもOK、1GBで有効期限1カ月というものを発見した(すべて中国語だったので、実際は正しいのか自信はないが、数字を見る限りそんな感じ)。料金は380元。日本円にして5000円程度。悪くはない。

 早速、「これ頂戴」とおじちゃんに交渉。値切って350元に負けてもらった。自分はSIMカードだけが欲しかったのだが、USBデータ端末もついてきた。これで5000円程度ならかなりお得かも。その場でiPadを取り出すと、おじちゃんは手慣れた様子でSIMカードをカッターで切ってくれた。もはや中国ではSIMカードを切るのは当たり前の光景のようだ。

 実際、このカードで上海と北京で使ってみたが、とても快適にネットが使えた。残念ながらTwitterやFacebookといったソーシャルサービスには接続ができないが、それ以外の用途では何ら問題がなかった。