これからが楽しみなケータイのDLNA対応
N-04BにはWi-Fiを活かした機能がいくつも搭載されているけど、今回のN-04Bで初搭載となったのが「メディアスリンク」と呼ばれる「DLNA(Digital Living Network Alliance)」だ。ケータイの世界ではまだあまりなじみがないけど、僚誌AV Watchなどではよく見かけるキーワードのひとつ。
DLNAは簡単に言ってしまえば、LANに接続されたDLNA対応機器に保存されている写真やムービー、音楽を参照したり、ダウンロードできるというガイドライン。写真やムービー、音楽を参照する側となる「クライアント」、参照される側になる「サーバー」の機能があり、製品によって、対応する機能やメディアが異なる。具体的な対応製品としては、REGZAやAQUOS、VIERA、BRAVIA、Woooといった薄型テレビ、ブルーレイ/DVD&HDDレコーダー、PS3、NAS(LAN接続型HDD)、ネットワークメディアプレーヤーなどがあり、パソコンもDigiOnのDiXiMなどのソフトウェアをインストールすることで、DLNAに接続が可能になる。
このDLNAがN-04Bに搭載されているということは、N-04BをWi-Fiで家庭内LANに接続しておけば、撮影した写真やムービーを家庭のテレビ、PS3、パソコンなどから参照できるわけだけど、このDLNA、実際のところはなかなかのクセ者だったりする(笑)。
というのもDLNAに対応していれば、必ず相互に接続できて、データを再生したり、ダウンロードできるワケじゃないからだ。たとえば、写真なら、ほとんどの機器がJPEGファイルの再生くらいはできるので、まず問題は起きないけど、ムービーになると、ファイル形式もビットレートもサイズもさまざまなため、再生できる条件はかなり限られてくる。
N-04Bでもいくつかの組み合わせを試してみたけど、PS3からN-04Bの写真を再生することはできたけど、N-04Bで撮影したムービーは再生できず。我が家で利用しているテレビ(東芝 REGZA Z3500)もアウト。特に、N-04Bで撮影したHDムービーは主にケータイ用として使われている3GPP形式で保存されるため、テレビやレコーダーなどでサポートされているはずもなく、当然のことながら、再生できない。異なる業界の製品が相互に接続するのは、やはり、難しいわけだ。
こういうとき、心強いのがパソコンの存在。前述のDiXiMを使うのも手だけど、もっとも手軽のはWindows 7。開発者インタビューでも紹介されていたけど、実はWindows 7に搭載されている「Windows Media Player 12」はDLNAクライアントとしてもDLNAサーバーとしても動作するので、N-04Bでメディアスリンクを起動し、Windows Media Player 12のライブラリに「N-04B」が表示されるようになれば、ちゃんとN-04Bで撮影したHDムービーをWindows Media Player 12から再生できる。もちろん、逆のパターンも可能で、Windows Media Player 12のライブラリに登録されているMP4形式のムービーをN-04Bにダウンロードして、再生することができた。環境によっては、一部、設定の変更が必要なこともあるけど、意外に使い道が増えそうな印象だ。
DLNAはまだちょっと荒削りな部分があるけど、いろんな機器がつながるという点では、今後が楽しみな技術のひとつであることは確か。できれば、NECにはN-04Bでサポートしている動画フォーマットについて、解像度やビットレート、コーデックといった仕様を大まかなレベルでもかまわないので、Webページなどで動作確認情報として、公開して欲しいところだ。
【編集部注 2010/07/08 13:28】
「N-04B」の製品情報ページで、対応形式は案内されています。(編集部)