誤配信された新バージョンのXperiaをテスト
既報のように、5月28日にXperiaの更新ファイルが誤配信された。ドコモは当日中に「テスト中のソフトが誤って配信されてしまったので、ドコモショップの故障取扱窓口で対応する」というアナウンスを出していたが、時すでに遅し。筆者の端末にもアップデートの通知が来ており、ドコモから告知があったのは、すでに思う存分テストした後だった。新バージョンは想像以上に使い勝手がよくなっており、細かな改善点もチェックしたかったので、その週末の土日はドコモショップへ行かず、様子を見たが、結局は「正式な更新ファイル」と認定されたので一安心。約1週間ほど使ってみたので、使用感を(勝手に)簡単にレビューしていきたい。
新バージョンの大きな変更点は2つ。1つ目が、文字入力ソフト「POBox Touch」の改善だ。新バージョンではカスタマイズの幅が広がっており、日本語入力時のQWERTYキーボードから特定の文字を非表示にすることが可能なった。キーのタッチの認識率も高くなっているようだ。また、「記号アシストエリア」に表示する文字の入れ替えが実現。「笑」や「泣」など、絵文字代わりに文末に使う漢字も設定できる。
QWERTYキーボードから特定の文字を非表示にできる | 「記号アシストエリア」に表示する文字の入れ替え |
POBox Touchがフリック入力に対応 |
自分にとって最も影響が大きかったのが、フリック入力への対応だ。XperiaもAndroid端末のため、アプリを追加して文字入力方式を変更することはできたが、POBoxの辞書とフリック入力を同時に使えるのがありがたい。テンキーを連打する「トグル入力」と「フリック入力」はオン・オフの選択ができ、同時使用も可能。実は、iPhoneを使っていた時からどうもフリックに馴染めず、最終的には連打で出すのがちょっと大変な「え」段と「お」段だけをフリックで入れるようになったが、新バージョンのソフトはこの打ち方が可能になっている。また、感度を「小」にしたら、間違ってフリックが反応することが少なくなった。文字とフリックのポップアップが指と重ならないため、フリック初心者の練習にも向いている。
変更点の2つ目が、Mediascapeとmora touchの連携。Mediascapeのマイミュージック画面に、mora touchの「ピックアップ」と「トップ10」のサムネールが表示され、ここから、直接mora touchの楽曲購入ページに飛ぶことができる。この変更によって、“ネットと連携したエンターテインメント”を打ち出すMediascapeの位置づけが、より明確になったと感じた。ちなみに、設定には、サービス選択も用意されている。今後、mora touch以外が選べるようになる可能性もありそうだ。
Mediascapeとmora touchが連携 | 今後はmora touch以外が選べるようになる可能性も? |
正確な検証したわけではないので断言できないが、電池の持ちも若干よくなった気がする。事務所兼自宅から歩いて池袋駅まで行き、山手線に乗って恵比寿まで移動しながら頻繁にXperiaを使ってみたが、電池は10%程度しか減らなかった。以前のバージョンは、もっと消費が激しかったと記憶しているので、ひょっとしたら電力周りの改善があったのかもしれない。
今回のタイミングは誤配信となったが、発売からわずか2カ月でこれだけの機能が加わったのは、ユーザーとして素直にうれしい。好調なXperiaの売れ行きへの、追い風にもなりそうだ。秋にはAndroid 2.1への対応が予定されているが、今回のような、OS以外のバージョンアップもぜひ続けてほしい。