セパレートケータイで仕事はできるのか

2010年4月27日 06:00
(関口聖)

 ディスプレイとテンキーが分離する「F-04B」は、○○が特徴だ……と紹介しても、世界に類を見ないギミックの1つである“セパレート”の前では、何を言ってもかすんでしまうような気がする。だからどうしても普段から“セパレート”することをどう活かすか、多少なりとも考える。そうして実際に使ってみて気づいた特徴の1つは、テンキーとQWERTYキーの両方を使えること。もちろんBluetooth対応ケータイで、HIDプロファイルをサポートしていればいいのかもしれないが、そもそもそういうケータイは数少ない。現時点では、「F-04B」ならではのメリットの1つと言っていい。

 そこでさっそく、「F-04B」で原稿を書いてみることに。F-04BのQWERTYキーは、メールくらいならささっと入力できて良いけれど、長文入力には小さい。そこで同僚が持っていたリュウドのBluetoothキーボードを借りて試してみることに。普段は、いわゆる109キーボードを利用しているものの、借り受けたBluetoothキーボードはいわゆる英語配列というやつで、少々入力にまごついたところはあるが、打鍵してからF-04B側に表示されるまでのレスポンスはスピーディ。ストレスを感じることはなく、キー配列に慣れればすいすい文章を入力できそうな感じだ。

 ただし、パソコンのつもりで操作していると、いくつかつまづくところがある。たとえば予測変換のウィンドウを閉じる動作は、少々意識的に行わなければいけない。文字入力時、「F-04B」はケータイなので、いくつか変換候補が表示されるが、その中から適切な変換候補を選んだ後、さらに予測変換が表示される、といったあたりがパソコンと異なる部分であり、毎回「閉じる」ボタンを押して予測変換候補一覧を消すという動作が必要となる。このほか、データ保存やカナ変換など各種ショートカットをついつい探してしまい、そのたびに文字入力が止まる。

 いずれも「慣れればどうにかなる」のかもしれないし、パソコン/ケータイのどちらが良い・悪いということではない。片手で操作するケータイの文字入力と、QWERTYキーを使って両手で打鍵するパソコンライクな文字入力が歩んできた歴史の違いがあるだけだ。スマートフォンがある程度話題になる中で、「携帯電話」ではなくモバイルインターネットデバイスとしてのニーズが、今後、さらに強まっていくのならば、QWERTYキーでの動作、といった点も何らかの進化が求められるのかもしれないが、現状では「ケータイ Watchの編集者といえども、少しばかり変態な環境だ」と思いながら仕事をしていたのが正直な感想だったりするのであった。