みんなのケータイ
アメリカ放題が便利だったアメリカ取材
白根雅彦
(2015/1/16 06:00)
1月の第1週と第2週、ラスベガスで開催された家電の総合展示会「2015 INTERNATIONAL CES」の取材に行ってきた。
海外取材では毎回、機材をどうしようか迷うのだが、今回はモバイル機器としてはiPhone 6、iPhone 5c、iPad mini 3(いずれもSIMフリー版)を持って行くことにした。全部iOSとかなり偏っているが、nanoSIMカードとLightningケーブルに統一されるので、運用しやすい面もある。ちなみにパソコンもMacなのでアップルまみれだったりもする。
国内同様、iPhone 6をメイン端末にするが、今回はソフトバンクのnanoSIMカードを入れ、ソフトバンクが提供する「アメリカ放題」を利用した。普段のメインの電話番号は、このソフトバンクの回線に転送設定している。
アメリカ放題では、適用条件が満たされると、米Sprintのネットワークもソフトバンクのネットワークと同じように認識され、データローミング設定がオフのままでもデータ通信が可能になり、日本国内と同じ料金体系が適用される。
アメリカ放題の適用条件は、端末がiPhone 6/6 PlusかiPad Air 2であることと、対応の新型nanoSIMカードを使っていることだ。SIMフリー版iPhoneでの動作は保証されていないが、今回使ってみたところ、問題なく動作していた。スマ放題で5GB以上のデータ定額パックを付けていると、アメリカ放題のオプション料金(利用月のみ980円)は不要なのだが、現在はキャンペーン中で、それ以外の料金プランでもオプション料金はかからない。
アメリカ放題はかなり便利だ。空港に着いたときからいきなりデータ通信できるので、空港からホテルへの移動中もGoogleマップなどが利用できる。現地のプリペイドはショップで購入するまで使えないし、通常の海外ローミング定額だと1日2980円かかるので、それらに比べるとはるかに簡単で安い。アメリカへの出張が多い人は、ソフトバンクのiPhone 6/6 Plusはかなりオススメだ。
筆者の場合、ホワイトプランと段階制定額(パケットし放題)で契約しているが、それでもアメリカ放題は適用された。ただし筆者の契約の締め日は9日で、日本時間11日までのラスベガス取材中、フルに使ってしまったため、2カ月にわたって段階制定額の上限(といっても通常定額の500円増し程度だが)に達することになってしまった。
予備に持って行ったiPhone 5cには、現地での連絡用にT-Mobileの従量プリペイドを入れたが、こちらはあまり使わなかった。持ち歩く端末が多いと着信に気がつきにくくなるので、可能な限り1台に絞った方が良さそうだ。
iPad mini 3には到着日の夜にApple Storeで購入した「Apple SIM」を入れた。Apple SIMはAT&TかT-Mobile、Sprintから好きなプランを画面上で選んで契約できるという、iPad専用のSIMカードだ。今回はT-Mobileが10ドルで5GBという格安キャンペーンを実施していたので、それを契約した。
iPhone 6ではSprint、iPad mini 3ではT-Mobileと2種類の回線でデータ通信できるようにしたため、どちらかの通信が不安定な場所でもネット接続できた。また、移動中は主にiPhone 6を使ったが、ホテルでの作業時にはiPad mini 3のテザリングを多用したので(ホテルのWi-Fiが遅い!)、データ容量も良い感じに分散して消費できた。
ちなみにiPadは、USB経由でMacのセカンドディスプレイにする「Duet Display」というアプリを同時に使ったのだが、テザリングと同時にMacのセカンドディスプレイとして利用でき、簡易ながらもなかなか快適な環境を作ることができた。
アメリカはアメリカ放題とApple SIMがあるので、これらを使うことができれば、本当に楽に通信環境を確保できる。しかし次の海外出張は、3月のMobile World Congress、場所はスペインのバルセロナだ。スペインはアメリカほど簡単ではない。現地で快適な通信環境を確保するべく、事前にいろいろ調べたいのだけど、まずスペイン語がわからないので、調べるのも大変なのよね……