みんなのケータイ
SIMフリー版iPad 4はiOS 7にアップデートして大丈夫?
【iPad 4】
法林岳之
(2013/9/24 10:55)
9月20日、いよいよiPhone 5sとiPhone 5cが発売された。今回はソフトバンク、auに続き、NTTドコモも扱うことになったが、その前日、既存のiOSデバイス向けにはiOS 7の提供が開始された。利用している端末にもよるだろうけど、おそらく、多くのユーザーがiOS 7にアップデートしたことだろう。
ガラッとイメージの変わったiOS 7の詳細については、本誌の『「iOS 7」ファーストインプレション』で解説されているので、そちらを参照して欲しいんだけど、個人的に気になっていたのはその他のiOSデバイスでの動作。つまり、今年1月に購入したVerizon版「iPad Retinaディスプレイ Wi-Fi+Cellularモデル(iPad 4)」、同時期に購入した「iPad miniのWi-Fi+CellularモデルのSIMフリー版(香港版)」で、iOS 7がちゃんと動作するかどうかという問題だ。
もちろん、iOS 7そのものについては、何の問題もなく、動作するはずだけど、SIMフリー版は国内で販売されているモデルではないため、モバイルデータ通信の部分がどうなるのかが気になるところ。現に、SIMフリー版iPhone 5ではiOS 6.1が公開された際、直前バージョンまで利用できていたLTEが使えなくなり、3Gのみで利用せざるを得ない状況に陥っている。
ただ、さすがにそういうことがあったからか、今回はちゃんと事前にMVNO事業者からもアナウンスが出ている。たとえば、IIJは9月10日の段階で、「iOS 7のリリースに関する弊社からの重要なお願い」というリリースを出し、同社の「IIJmio高速モバイル/Dサービス」のユーザーにiOS 7へのアップデートに注意を促している。別ブランドで提供される「hi-ho LTE typeD シリーズ」についても同様だ。
同じくNTTドコモのMVNOとして、LTEが利用可能なモバイルデータ通信サービスを提供するエキサイトも「重要なお知らせ」と題し、「BB.exciteモバイルLTE」のユーザーに対して、お知らせとメールで告知している。
いわゆる格安SIMというか、個人向けのMVNOサービスは最近、急速に増えてきているけど、やっぱり、ユーザーの利用環境を考慮し、きちんと情報を発信してくれる事業者は非常に心強い。「SIMフリー」を声高に叫ぶ事業者もいるけど、まずはユーザーがちゃんと使えるように、いっしょに情報を共有していこうという姿勢が大事ではないかと……。
とまあ、そういうご託宣は別にして、ボクが使っているVerizon版「iPad Retinaディスプレイ Wi-Fi+Cellularモデル(iPad 4)」と「iPad miniのWi-Fi+CellularモデルのSIMフリー版(香港版)」のiOS 7での動作についてだけど、iOS 7のダウンロード開始後、無事に動作が確認され、LTEでのモバイルデータ通信も含め、問題なく利用できている。各機種の動作については、IIJmioの「動作確認済み端末」のWebページに情報が掲載されている。
ちなみに、このiOSデバイスの動作確認情報は、IIJに所属するエンジニアの方が執筆している「てくろぐ」というブログにも解説付きで掲載されている。専門的な話も多いけど、SIMフリー版のiOSデバイスを利用しているユーザーは参考になる情報も多いので、一度、目を通しておくことをおすすめしたい。
そんなわけで、ボクが持つ2台のSIMフリー版iPadは、いずれもiOS 7で利用できているんだけど、SIMフリー版iPhone 5については相変わらずLTEでのモバイルデータ通信ができないという制約が続いているそうだ。でも、それよりも強烈なのは、iPhone 4やiPad 2のSIMフリー版でiOS 7にアップグレードすると、通信そのものができなくなってしまうという制約。Wi-Fiで利用できるとは言え、iOSのバージョンを元に戻せないだけに、ちょっとダメージが大きい。
こうしたSIMフリー端末の利用は、基本的に「At Your Own Risk」であることは百も承知だけど、せっかくMVNO事業者がSIMフリー端末を意識したサービスを提供し、少しずつ普及の兆しが見えているんだから、もうちょっと日本でもSIMフリー版をストレスなく利用できるようにサポートしていただけませんかねぇ。>アップルのみなさん