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表データも理解してくれるChatGPTさん、フィットネスのアドバイスをしてもらったら
2023年5月15日 00:00
サイクリングやランニングの記録に、Garminのスマートウォッチ(とクラウドサービス)を使っている。記録したデータはスマートフォンのアプリ上で確認できるのだけれども、グラフでビジュアル化されるとはいえ、そこから意味や傾向を読み取って次回以降のトレーニングに役立てるには、ある程度ユーザー側に知識やノウハウが求められるところもあって、難しい。
たとえばここ数年、筆者はずっと室内サイクリングを中心に続けてきて、最近は長距離ランニングも時々こなしているのだが、もう少し体重を減らしたいのにほとんど変化がない(めっちゃ食べて飲んでるのが原因なのはわかっている)。また、フルマラソンの完走も目標にしているところで、これからどんなトレーニングをしていくといいのかもわからない。アドバイスがほしいなあ、と思ったので、話題のChatGPTさんに相談してみることにした。
Garminのスマートウォッチなどで記録したトレーニングデータはクラウドに保存されていて、WebからCSVファイルでダウンロードできるので、それをもとに聞いてみたい。有料のChatGPT Plusを契約して、GPT-3.5とGPT-4で違いが出るかどうかも試してみよう。
まず、GPT-3.5でトレーニングデータの一部をそのまま貼り付けてみた。特に質問はしていないのに、ちゃんと表データ(一定の規則で表現されたデータ)であることを認識して回答しているようだ。これなら表データの内容をもとに質問しても良さそう。ただし、あまりにカラム数が多かったり、データが長すぎると、ChatGPTの制限でエラーになる。8カラム、120日分程度のデータなら問題ないようだ。
じゃあ相談してみよう。ChatGPTさんをプロのトレーナーに見立てて、トレーニングデータをもとに何かわかることがないか聞いてみる。
「トレーニングの頻度」というところで独自に分析はしてくれたが、他は項目の説明で、特にプロのトレーナーらしいアドバイスはしてくれなかった。もうちょっとトレーナーっぽいアドバイスがほしいので、具体的な目標を設定して聞いてみることにする。体重を減らしたいよ!
そりゃそうだよな、と言うしかない当たり前の回答が返ってきた。ただ、「レジスタンストレーニング」や「ハイインテンシティインターバルトレーニング」のように、今自分がしていないトレーニングをすることで体重を減らしていけそうだ、ということはなんとなくわかった。あとはカロリー摂取を管理せよ、とのことだけれども、それは難しい。ワシは食べたいときに食べて、飲みたいときに飲むんじゃ!
しかし、今までメインで続けてきた有酸素運動を増やして体重を減らすとするなら、どれくらい頑張ればいいのかを念のため確認しておきたい。どれくらい有酸素運動を増やせば良さそうかな?
結果としては、あまり有効な回答は引き出せなかった。まあ、このあたりは「専門家の助言が必要です」などとあるように、健康に関わる質問はリスク回避のために意図的にぼかしている可能性もありそうだ。
気を取り直して、次にランニングについて聞いてみたい。過去のデータから変化の傾向がわかったりするものだろうか。
多数あるデータからランニングに関するデータのみを抽出して、とりあえず整理してくれた。データ数としては少ないので、これだけだと詳細な分析までは難しそうだが、念のためフルマラソンの予想完走タイムを確認してみよう。
どうやら筆者は584時間、つまり24日間以上ずっと走り続けないとフルマラソンを完走できないようだ。もっとトレーニングしないとなあ……じゃなくて、途中まで計算が合っていたのに、なぜ42.195kmを1kmあたりの平均ペースで割ってしまうのか。ノリツッコミしつつ計算ミスについて指摘してみると……。
なんとか正解に近いっぽい予想タイムが算出された。しかし、3.04時間を3時間4分としてしまっているのはどういうことなのか。まあ、今のパフォーマンスのまま3時間とちょっとでフルマラソンを走り切れるとは思えないので、さらなるトレーニングが必要であることは間違いない。
では最後に、GPT-4でも似たようなことを質問してみよう。GPT-3.5よりもっと適切なアドバイスがもらえたりするのだろうか。
GPT-4にすると、1つ1つの分析や項目について丁寧に教えてくれる印象。ユーザーの期待するものに近い回答を一発で返してくれるのと、より客観的らしきデータをもとにアドバイスしてくれるので、納得感はある。GPT-3.5と同様、データが少ないためにランニングについての詳細な分析は難しいものの、フルマラソンの予想完走タイムも正しく計算してくれるようになった。
ただ、どうもGPT-4だとChatGPTさんは忘れっぽいようで、「先ほどのデータについて」とか言っても「そんなデータは知らん」と塩対応されることが多い。なので、いちいちデータを貼り付けて、それと一緒に質問した方が良さそうだ。今のところプロのトレーナーのような的確なアドバイスをしてくれるほどではないものの、何らかのフィットネスアプリやサービスと連携するようになれば、面白いことが起きそうな予感がする。