みんなのケータイ
「Galaxy S22」から「Pixel 6a」へUSB Type-Cケーブル接続でデータ移行してみる
【Pixel 6a】
2022年8月29日 00:00
Androidスマートフォンで機種変更をするとき、なかなか頭が痛いのがデータ移行です。Googleアカウントに紐付いているメール(Gmail)、写真(Googleフォト)、ブックマーク(Chrome)などはクラウド経由で簡単に同期できますが、LINEやおサイフケータイ関連を含む多くのサードバーティ製アプリでは、各アプリ別に移行作業をしなければなりません。インストールしているアプリが多いユーザーほど、手間が増えてしまいます。
一応、Android端末間のデータ移行をサポートするためのツール類は携帯電話メーカーやキャリアから提供されていますが、しかし筆者の個人的体験に基づけば、どれも完璧ではなく、むしろ機能不足のイメージがあります。ただ、それも過去数年の話。2022年の現段階では多少状況が変わっているかもしれません。そこで今回、私物の「Galaxy S22」から「Pixel 6a」へのデータ移行を試してみました。
使ったのは、Pixel 6aの初期セットアップ時に実行できる「アプリとデータのコピー」という機能です。一度セットアップを完了させた後では使えず、あくまで初期セットアップ時の途上でだけ、実行可否を選択できるようです。
データをWi-Fi経由でコピーすることはできますが、画面の遷移などを見ていますと、旧端末と新端末をケーブル接続するよう促されます。今回はそれに素直に従いました。移行元の「Galaxy S22」、移行先の「Pixel 6a」ともに充電・データ通信用の内蔵端子はUSB Type-Cですから、両端がType-C端子のケーブルを用意しました。とはいえ特別なものではなく、日常的に充電ケーブルとして使っているものです。
データ移行のための操作は、移行先である「Pixel 6a」側で行っていきます。画面の案内に従いながら、順番にケーブル接続をして、移行対象データを選んでいけばOKです。所要時間は、インストールしているアプリの数、端末内に保存してあるファイルの数によっても異なるでしょうが、筆者の場合は10分前後でした。アプリ数は180近く、ストレージ占有量は40GBほどですが、とはいえ、そんなに速く終わるものでしょうか?
コピー実行中にチュートリアルが表示されて、時間がかかっていないようにみせる工夫はされていますが、それよりもっと大きなカラクリがありました。アプリ本体はケーブル経由でコピーされる訳ではなく、一連のセットアップ手続き完了後にクラウド(Google Playストア)からダウンロードされるのです。
ですので「Pixel 6a」側に「コピーが完了しました」と表示された“直後”は、ほとんどのサードパーティ製アプリは使えません(そもそもインストールされていない)。その後、数十分かけてアプリが段階的にバックグラウンドでダウンロードされ、それらが完了してはじめて使えるようになります。有線ケーブル経由でコピーされるのは、あくまでアプリの設定値だけなのでしょう。筆者が確認した範囲では、OS側の通知設定はかなり完璧に近い状態で引き継がれていました。
ただし、Google製以外のアプリの大半は、利用にあたって再度の設定──再ログイン操作や機種変更手続き──が必要でした。これはまぁ、ある意味想定通り(悪い意味で、ですが)。本当はこの部分の手間が減ってほしいところです。ちなみに、誰もが気になるであろう、LINEのトーク履歴は自動で引き継がれませんでした。
少ないながらも、ログイン状態・利用設定が移行先スマートフォンに引き継がれているサードパーティ製アプリはありました。筆者が確認できた範囲では「JAFスマートフォンアプリ」「ウェザーニュース(場所検索履歴が引き継がれていることを確認)」「カインズアプリ」「Battle.net認証コード」「Honda Total Care」「アパ直(アパホテル)」など。他にも、ネットカフェの会員証アプリなどではログイン状態が引き継がれている率が高かったです。
最後にまとめをば。「データコピー機能って使った方がいいの?」と問われたなら、筆者は「完璧な機能ではないが、使った方が良い」と答えるでしょう。移行後の端末でアプリをインストールする手間が減るのは間違いなく、特に通知設定がほぼ完璧に引き継がれるのは美点です。旧端末が故障してしまったり、紛失したりした場合以外、筆者はこの“有線ケーブル接続”によるデータコピー機能を、優先的に利用するつもりです。
Androidの機種変更時データコピー機能は、少しずつ、着実に機能向上しているようです。アプリによっては、完璧に機能しているケースも確認できました。アプリ開発者の皆様におかれましては、是非このあたりにご配慮いたたけますよう、お願いします!