みんなのケータイ
iPhone ×「AirPods」と「Beats」の通知読み上げ機能がいつの間にかとっても便利になってた件
2022年3月4日 00:00
最新のiPhoneやiPad(iOSとiPadOS)には、「アプリの通知を読み上げる」という機能がある。
この機能、対応ヘッドセットと対応アプリが必要だ。しかも対応するiOS/iPadOSがリリースされた当初は対応アプリが標準の「メッセージ」アプリだけという状態だったので、筆者は対応ヘッドセットを持っていながら、「うーん、使わない!」と記憶の片隅に放置してしまっていた。
しかし、ふと最近、この機能のメニューを確認したところ、対応アプリが驚くほど増えていることに気がついた。
いや、増えているというか、通知を送出しそうなアプリのほぼ全て対応している。
この機能をオンにしておけば、対応ヘッドセット装着中に通知が届いた際、Siriが通知を読み上げてくれる。聞き逃してしまうとそこまでだが、画面を確認せずとも、いや、それどころか、どこかに視線を向けることなく、通知が届いた瞬間に内容を確認できるのはなかなか便利だ。
筆者はApple Watchをほぼ常時着用し、通知はiPhoneを取り出すことなくチェックできるようにしているが、iPhoneをいちいち取り出さずに済むというのは快適である。iPhoneを取り出す機会が多いと余計な時間を消費しがちだし、手が滑って落としてしまう危険性も減る。飲食店などでも、テーブル上にiPhoneを置くことがなくなるので紛失の危険性も減る。
音声よりApple Watchの方が便利な面もあるが、いろいろと似たようなことはできる。この読み上げ機能に対応するヘッドセットは、「Hey Siri」でハンズフリーにSiriを起動する機能にも対応するので、時刻や天気、スケジュールの確認といったこともiPhoneなしで行える。Apple WatchだけでなくAirPodsでもiPhoneのチェックに費やしている時間を取り戻すことができるのだ。
この通知読み上げ機能(とHey Siri機能)に対応するヘッドセットは、アップル製チップセットを搭載するヘッドセット。AirPodsシリーズ、そしてBeatsブランドの製品の一部が対応している。
個人的にはやや高くても、外部音取り込みモード(ヒアスルー)を搭載する製品がおすすめだ。外部音取り込みモードにすれば普通に会話も聞き取れるので、いちいち外すことなく、着用しっぱなしでいられる。音楽などを聴いていない時も着用しっぱなしじゃないと通知を聞き逃してしまうので、ここは重要なポイントだ。また、外部音取り込みモード搭載モデルはノイズキャンセリング機能も搭載しているので、作業に集中したいときなどにも便利である。
外部音取り込みモード搭載のモデルとしては、「AirPods Pro」(3万580円)も良いが、Beatsブランドの「Beats Fit Pro」(2万4800円)はウィングチップでフィット感を高められるのでおすすめだ。「AirPods Max」も外部音取り込みモードを搭載するが、こちらは大型ヘッドホンで、着用していると誰も会話をしてくれないだろうから、常時装着には向いていない。
しかし実際のところ、アップル製チップセットを搭載するヘッドセットは片耳でも使えるので、「通知を受けるために普段は片耳だけ装着する」という使い方なら、外部音取り込みモードがない製品でも問題ない。むしろ両耳で使っていると電池切れのときに両耳とも充電ケースに入れる必要があるし、長時間装着で片耳が痒くなってきても、別の耳に装着すればいいので、そちらの方が常時装着向けとも言える。
外部音取り込みモードが要らないとなると、定価で一番安いのは1万6800円の「AirPods(第2世代)」だが、現在、「Powerbeats Pro」が量販店などで1万2800円くらいで売っているので、安くしたいならばそちらの方がおすすめだ(いつまで安売りしているかは不明だ)。「Powerbeats Pro」はフック付きなのでデザインがちょっと大きめだが、ランニング中などにも使いやすく、トイレなどに落とす心配もない。
常時装着するならば、先頃、ソニーが発売した「LinkBuds」や同じくソニーの旧製品「Xperia Ear Duo」、あるいはAfterShokzあらためShokzの製品、耳たぶに装着するambie社の製品など、耳穴を塞がないヘッドセットが快適だ。
しかし残念ながら、こうした耳穴を塞がないヘッドセットは、AirPodsシリーズやBeats製品には存在しない。機能面で言うと「Xperia Ear Duo」はiOSでも通知読み上げができるなど、非常に高機能だったが、充電や接続に不良が起きやすい欠点があり、そうした欠点を解決した後継製品も出なかった。
音声だけでスマート機能にアクセスするデバイス、「ヒアラブル」などと呼ばれるのだが、このデバイスジャンル、盛り上がらない。「ヒアラブル」はちょっとした用事から手のひらと視線を解放する、使い方によってはかなり重要なデバイスになりうるのに、驚くほど盛り上がらない。
盛り上がらないが、そんな製品ジャンルでも着実に改善を重ね、知らないうちにちょっとした用事ではスマホ不要という状態を作ってしまっているアップルは、なんというか非常にアップルらしいとも感じる。ヒアラブルが今後も盛り上がらないまま終わるのかはまだわからないが、とりあえず対応製品を持っている人は、この通知読み上げ機能、活用してみてはいかがだろうか。