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ワクチン接種後の体調変化をApple Watchでチェックしてみた

ワクチン接種後の肩。よーく見ると注射されたあたりが赤くなっている

 先日、新型コロナウイルス感染症ワクチンの2回目を接種した。自治体の提供するファイザー製のワクチンだ。1回目は肩の痛みくらいしか副反応がなかったので、「なんだ余裕じゃん」と思っていたが、2回目はそこそこの副反応が出ている。

 2回目を接種したのは8月17日の朝10時。当日はあまり副反応もなく、夜になっても「肩がちょっと痛いかな」程度だった。しかし深夜になって38度程度にまで発熱し、翌8月18日の昼間はずっと37.5~38.0度くらいで、若干の頭痛と全身の筋肉の強い倦怠感に襲われた。

 倦怠感は8月18日の夜には収まったが、頭痛と発熱は続き、8月18日はほぼ寝込んでいた。しかし本稿執筆時点の8月19日の朝になると平熱に近くなり、やや頭が痛むかな程度で、体調もかなりよくなった。

筆者の普段の心拍数パターン。午後に上がってるのは外出と有酸素運動のせいで、それ以外では心拍数は60bpm未満にまで下がっている

 こうした体調の変化、Apple Watchが常時計測している「心拍数」を見ることで、ある程度はチェックできる。

 体質などにもよるが、基本的に風邪などで体調を崩すと、心拍数は上がる。しかし心拍数はちょっと歩いただけでも上がるので、その平均値はアテにならない。じっとしていて下がったときの心拍数、安静時心拍数に体調の変化が顕著に現れる。

日ごとの安静時心拍数を見ると、接種の翌日に一気に上がっている

 心拍数がどこまで下がるかには個人差があるが、たとえば筆者の場合、じっとしていると心拍数は55bpm未満に下がる。寝ているときなど、かなり安静な状態が続けば50bpmも切る。

8月17日(接種当日)。10~11時は接種しに外出したので上がっている。その後は自宅で安静にしていたが、深夜から上がり始めている
8月18日(接種翌日)。就寝中に心拍数が下がらなくなり、日中は高いまま。心拍数が低くて68bpmとかは筆者にとってはかなりの不調である
8月18日の深夜から最低心拍数が下がり続ける傾向が顕著に見られた。回復に向かっている証拠である。朝方に上がっているのは、起床したため

 心拍数は、2回目ワクチン接種当日の夕方頃までは平常時と変わらなかったが、夜あたりから60bpm未満に下がらなくなり、本来は心拍数の下がりやすい就寝中も上がり続け、翌日(8月18日)の夜まで高いままだった。しかし就寝後には心拍数が下がり始め、翌々日(8月19日)の朝には心拍数が53bpmまで下がるようになった。

 ちなみにこの後、2日ぶりにシャワーを浴びたら心拍数がまた下がらなくなり、頭痛もぶり返してきた。血行をよくするとよくないのだろうか。

 今回の筆者の場合、発熱や頭痛、全身の倦怠感などの体調不良と安静時心拍数はかなり比例していた。筆者個人の話ではあるが、筆者が最後に風邪をひいた2020年1月にも長期にわたって安静時心拍数が上がっていたので、筆者においてはそれなりにあてになるバロメーターになると思っている。

2020年1月に風邪をひいたときは数日間にわたって体調がすぐれず、心拍数も下がらなかった。これに比べるとワクチンの副反応のなんと軽いことか

 ウェアラブル機器で常時測定している心拍数を体調チェックに使うという話、海外では専門機関による研究も開始されているという。とくに新型コロナウイルス感染症は、感染から自覚症状が現れるまでの期間が長く、そのあいだにも人に感染させる可能性がある。もし自覚症状が現れる前に心拍数の変化から感染の可能性を警告できれば、こうした感染拡大を軽減できるのでは、と期待されている。

Apple Watchが自動計測している心拍数のデータは、「ヘルスケア」アプリの「心臓」カテゴリで見られる

 40代半ばの不健康なオッサンである筆者としては、何もなくてもどこかしら不調を抱えがちで、体調の微妙な変化には気付きづらい。安静時心拍数はこまめにチェックするようにしているが、体調が崩れそうなとき、Apple Watchの安静時心拍数や血中酸素などから警告を出すような機能があると良いなぁ、と思う今日この頃だ。医療関連の機能は法規制も絡むので、なかなか難しいとは思うが……。