みんなのケータイ
Siriと相性抜群な「Powerbeats Pro」と「HomePod」
2019年8月28日 06:00
7月に「Powerbeats Pro」、8月に「HomePod」と、アップルのデバイスや音声アシスタント「Siri」と相性の良いオーディオ機器を立て続けに購入した。
「Powerbeats Pro」は左右分離型のワイヤレスイヤホンだ。Beatsはアップル傘下ということもあり、この製品には3月発売の第2世代「AirPods」と同じApple H1チップが採用されている。
このH1チップのおかげで、第2世代AirPods同様、Powerbeats Proも「Hey Siri」が使える。実はこれ、他社のBluetoothヘッドフォンにはあまりない、珍しい特徴だったりする。
一般的なBluetoothヘッドフォンだと、「長押し」→(数秒の接続待ち)→(ボイスコマンド受け付け開始の電子音)→「ボイスコマンド」という順番になってしまうのだが、第2世代AirPodsやPowerbeats Proの場合、全部すっ飛ばして「Hey Siri+ボイスコマンド」と呼びかけるで済む。これだけの話なのだが、音声アシスタントの使い勝手は天地ほどの違いがある。
たとえば移動中など、立ち止まってスマホを取り出すのが面倒な場面でも、歩きながらハンズフリーでSiriを使って簡単な用事が済ませられる(運転中はダメだが)。今後の予定や天気を確認したり、スケジュールを入力したり、iMessageを送ったり、帰り道のナビを開始したり、対応家電を起動したりできる。利用頻度はそれほど高くないが、スマホを取り出してアプリを起動してタップ操作をして、という流れが省略できるメリットは果てしなく大きい。
AirPodsなどと同じく、純粋なBluetoothではなくアップル独自の接続方式を使っていて、同じApple IDを使っている複数のデバイスなら、Powerbeats Pro側の操作なしに簡単に接続先を変更できる。たとえば外出時はメインのiPhoneにつないでおいて、iPadで動画を見たりゲームをするときはつなぎなおす、というような使い分けも簡単だ。
同じH1チップを搭載する第2世代AirPodsでは、今秋登場のiOS 13で受信メッセージを自動読み上げする機能が追加されるとアナウンスされている。Powerbeats Proも同じチップを搭載しているので、この機能に対応する可能性は高いだろう。
といっても、通知読み上げ機能はすでにソニーの「Xperia Ear Duo」で実現していて、常時着用しやすいデザインもあって、日常での利便性はXperia Ear Duoの方が高いと感じる。ただ、Xperia Ear Duoはハンズフリーでの音声アシスタント起動に対応しておらず、遮音性も皆無で音楽の鑑賞には不向きなので、筆者は場面ごとに使い分けている。
「HomePod」もHey Siriの呼びかけでSiriを使えるスマートスピーカーだ。価格も重さも音質も重量級の製品で、持ち歩けるような製品ではないが、家で音楽をがっちり楽しむといった用途に向いている。
筆者の家では照明や扇風機、エアコンのオン・オフに音声アシスタントを使えるようにしているので、自宅に居るとき、指先すら動かさずに音声アシスタントをスムーズに使えるというのはメリットが大きい。また、たとえば原稿を書きながら「あーそういえば××日に横浜スタジアムに行くけど天気どうかなー」というときも、キーボードから指を離さず、天気予報を聞くことができる。
何かの作業中にも調べ物ができるのは、「スマホを取り出したけど何を調べようと思ってたか忘れた」ということの多いオッサンにとってはありがたい。ありがたいけど、ちょっと最近、物忘れヤバくないか筆者。あと××日は雷雨ってマジかよ勘弁してよ。
HomePodも同じApple IDを使っているさまざまなアップルデバイスから接続し、ワイヤレススピーカーとして使えるのだが、「AirPlay 2」という独自の接続方式を使うので、iPhone/iPadから使うときはちょっとクセがある。音楽や映像のアプリならほぼ問題ないが、たとえば筆者手持ちのアプリだと、汎用ビデオプレーヤーの「VLC」で致命的なレベルでの音ずれが発生していた。また、ゲームアプリなどもHomePodから音声出力できないものが多いように感じる。Bluetoothスピーカーほどの汎用性がないことには注意が必要だ。
一方、Macからつなぐとすべての音声をHomePodから出せるようなので(全部は確認してないけど)、Macユーザーにとっては地味に便利だったりする。
音質に関しては、Powerbeats Proも低音が強めだが、HomePodはさらに低音が強く、逆にボーカルなど中音域に物足りなさを感じる。しかしHomePodは音質を自己調整するらしいので、しばらく使ってみて馴らしていこうと思う。
どちらの製品も単なる音響機器としてはやや高価で、やはりSiriを使いこなしてこそ真価を発揮する製品だと思う。しかしSiriは何ができるかはわかりにくいので、ユーザーの慣れが必要な部分が多い。OSのアップデートや機器の追加でできることが増えたりするので、そのあたりを含め、もっとSiriの使いこなしを学んでいきたい。