みんなのケータイ

令和元年は変化の年? “スマホの次”の技術続々

 5月1日からの新元号、「令和」になった。というわけで、あけましておめでとうございます。

 ケータイの世界でも、今年は大きな変化が始まる年になりそうだ。「私物のケータイ片手に熱~く語っちゃいます!」という本コーナーの趣旨からはややズレるかもしれないが、ここ最近の取材で見えてきた“令和時代のモバイル”についてちょっと私見を語りたい。

 平成最後の10年間での劇的な変化といえばやはりスマートフォンの登場と4G LTEのサービス開始だろう。この2つはユーザーの生活を劇的に変えた。そして通信業界の勢力図も塗り替えた。

筆者のスマホに並ぶアプリたち。用途はさまざまだが、これらのアプリやそれを動かすスマホは、仕事にもプライベートにも欠かせない存在になっている

 筆者が仕事をするときは、スマホで情報収集し、カレンダーの予定を確認し、スマホでメールを返信し、メッセンジャーで業務連絡をし、帳簿への記帳もスマホで行い……と、スマホがなければ仕事が成り立たないといっても過言ではない。だが、この仕事スタイルは平成20年(2008年)にはメジャーではなかっただろう。iPhoneが登場したのは2007年。Android 1.0が発表されたのは2008年だ。

 直近の未来を予測するなら、スマートフォンの性能向上により、パソコンとの垣根がどんどん薄れていき、そして融合していく。同時に、スマートフォンがカメラやゲーム機など、専用ハードと比肩し、それらを統合する存在となっていくだろう。

 スマホのチップセットでほぼ一強となっているクアルコムの「Snapdragon」シリーズは、Windows 10のフル機能を動かす性能を持つに至り、PCプラットフォームへも採用されはじめている。カメラではファーウェイやOPPOが「10倍ズーム」をうたう製品を相次いで発表している。

SnapdragonでもWindowsはちゃんと動く。それも今後はさらに高性能化していくだろう
10倍ズームはこれまでスマホでカバーできなかった新たなニーズを切り開く機能だ

 ゲームではApple ArcadeやGoogle Stadiaといった、スマホでも本格ゲームを遊べる新たなビジネスモデルのプラットフォームが発表されている。折りたたみ画面「フォルダブル」を備えたスマホが相次いで登場したのも、コンテンツのリッチ化に呼応する動きと言える。

よりリッチなコンテンツを楽しむために、表示デバイスは今後も変化していくだろう。ひとまずは、フォルダブルディスプレイだ

 そして2020年には、日本でも5Gが始まる。最初は「動画がパッと観られる」といったような高速さがウリになるだろう。しかし、より劇的な変化は5Gの電波が全国に行き渡った後、2022年頃に訪れる。その頃になると、5Gの低レイテンシーや多接続といった特徴をフルに発揮できるようになる。“フル仕様の5G”の特徴は、「瞬時に大量の情報をやり取りできる」と言い換えられる。

 そうすると、自動運転やVRでのリアルタイムコミュニケーションなど、これまでに無かったサービスが芽生えてくるはずだ。そのときスマートフォンは、どのような形になっているだろうか。筆者は“次世代のスマホ”の進化を形作るのは、表示デバイスの進化だと思っている。もしかすると、眼鏡型のARディスプレイや超小型のホログラム装置といった新しい表示デバイスが流行り、「手に持つスマホ」は過去のモノになっているかもしれない。

 5Gが普及した世界の中で、スマホはどのようなデバイスに変化するのだろうか。昨年2018年には「スマホはもう変わらないのではないか」という疑問を抱くこともあったが、ここ数カ月のモバイル業界では“スマホの次”を予兆させるような変化や新しい技術がどんどん具体化されているように感じる。令和となった新時代にも、その変化を追いかけていきたい。