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「HUAWEI P30 Pro」は感度が良すぎ? WBがちょっとおかしい?
【HUAWEI P30 Pro】
2019年4月2日 06:00
今回もとてもありがたいことに、「HUAWEI P30」シリーズの発表会でパリに取材に行くことができました。発表会はいつものようにリチャード・ユーCEOが登壇し、P30シリーズを熱く紹介しました。プレゼンテーションは、ほぼすべてカメラについての説明でした。最初にちょっとディスプレイとカラーの話、最後にちょっとパフォーマンスの話、そして「GENTLE MONSTER」というおしゃれメガネブランドとのコラボレーションでスマートグラスを作るという話題がありましたが、感覚的には9割カメラの話。これはスマートフォンの発表会だよね? と言っていたライターさんもいました。
カメラはまたまたものすごく進化しました。HUAWEI P30 Proは光学5倍、デジタルズームと合わせると最大50倍! 月も望遠鏡で見るように撮れます。私は撮らなかったのですが、別の人が撮った月を見せてもらったところ、手持ちだったのでシャープではありませんでしたが、ちゃんとしたカメラで撮ったようにクレーターなどの模様がはっきり撮れていました。センサーは(私にはよく理解できていないので詳しい人の記事を読んでいただきたいのですが)従来のRGGBから世界初のRYYBンサーに変更。緑だったところに黄色のフィルターを使うことで40%も明るくなり、ISO409600で、これまた望遠鏡で見るような星空が撮れるそうです。オーロラだってきれいに撮れちゃうぜ、深度センサー付きだからボケがもっときれいになったぜ、Mate20 Proで好評の「スーパーマクロ」や超広角モードも搭載したぜ……といった感じで、プレゼンテーションを見ているだけで、やっぱりファーウェイの技術力は半端ないぜ、としみじみ感じ入っていました。
また、今回ビデオも一段アップしたように感じました。手ぶれ補正機能がすごく優秀です。私は普段、動画はまったくと言っていいほど撮影しないのですが、そんな私でも手持ちできれいに撮ることができました。もっと動画撮影をしたいと思わせる品質です。
で、報道関係者にはレビュー用の端末が提供されたので、早速写真を撮ってみました。ヴァンドーム広場を1倍、5倍、10倍、50倍、超広角で撮ったものです。
いやはや、50倍はすごいです。ただ、被写体をフレーム内に納めるのに少し苦労します。できれば三脚があった方がいいと思います。また、ファインダー上でドットをタップして1倍から5倍にすると、急に近づきすぎて画角の調整が必要なのが少し面倒という声も聞かれました。確かに狙ったポイントから外れてしまうことがあります。
パリのすてきな食事も撮ってみました。ちなみに、被写体認識の「マスターAI」はファインダー上のアイコンでオン/オフが可能です。デフォルトではマスターAIがオフだったので、それに気がつかず撮っていたためか暖色は抑えられています。
そして、今回、ちょっとびっくりというか、がっかりとまではいかないけれど、なんでなんで? と思ったというか、ぜひアップデートで修正してほしいと思ったのが、このオペラ座の夜の写真。マスターAIオフのオート(写真モード)で撮ったのですが、なぜかとても白っぽく撮れてしまいました。オレンジ色のライトでライトアップされていたのですが、涼しげな白のライトで照らされているように見えます。
そこで、一緒に撮影をしていたデジカメ WatchのSさんのアドバイスに従って、設定を自分で調整できる「プロ」モードに切り替え、ホワイトバランスを太陽光に設定し直して撮ったのが次の写真です。私の見た夜のオペラ座は、まさしくこんな感じでした。
プロモードで撮れば望み通りの美しい夜景が撮影できると分かりましたが、スマホでわざわざマニュアルモードで撮る人がどれだけいるでしょうか。少なくとも私は使いません。手に取ってすぐに撮りたいスマホのカメラ撮影は、オートでどれほどユーザーの期待通りに撮れるかが勝負だと思うのです。
昼間にも街角スナップ的な写真をいくつか撮りましたが、全体的に、明るいけれど白っぽい写真になります。P20 ProやMate20 Proは、ライカらしい(のかどうかは分かりませんが)濃い赤や緑、群青に近い空の青、精密画のような夜景が、少し不自然でも大好きなのですが、今回のP30 Proはちょっと違うように思います。それがセンサーの違いによるものなのかどうか分かりません。Sさんによると、ホワイトバランスの設定によるものでは、ということで、アップデートで修正は十分可能との見方でした。ここはぜひ修正していただき、P30 Proでも素晴らしい旅の思い出の写真、洗練されたライカ色の作品を撮れるようになってもらいたいです。ぜひぜひお願いします!