みんなのケータイ
旅先でも使いやすくなったドコモの自転車
2019年3月13日 06:00
都内でも見かける機会の多い、NTTドコモ傘下のドコモ・バイクシェアが運営する「ちよくる」などの赤いシェアサイクル。
都内11区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、目黒区、大田区、渋谷区、練馬区)のほか、横浜、仙台、広島、大阪などでも同様のサービスが提供されています。
FeliCa搭載のスマートフォンやICカードを自転車にかざすだけで借りられて、短距離のちょっとした移動にはとても便利なのですが、複数の地域で利用しているユーザーにとってはもどかしい点がありました。
都内では、練馬区を除く10区であれば広域利用の実験が行われているため、どの区で作成したアカウントでも利用できますし、自転車を借りた区とは別の区に乗り入れて返却することもできます。「大阪バイクシェア」と「HUBchari」も同様の関係です。しかし、ほかの地域ではエリアごとに独立したサービスとなっています。
たとえば、多摩川を挟んだ両岸で展開されている「大田区コミュニティサイクル」と「川崎バイクシェア」では、橋を渡ってすぐのほど近い距離に両者のサイクルポートがありますが、あくまで別サービスなのでエリアをまたいで自転車を返却することはできません。アカウントの登録もそれぞれ必要です。
自転車の乗り入れについては管理の問題もあるでしょうし、なかなかすぐに解決というわけには行かないかと思いますが、アカウントの問題は良い方向に向かい始めています。地域ごとに分断されていた各サービスの連携が始まり、最初に登録した地域以外でも同じアカウントで利用できるようになったのです。
2月28日時点でアカウントの相互利用が可能なサービスは、仙台コミュニティサイクル「DATE BIKE」、横浜コミュニティサイクル「baybike」、大阪バイクシェア、奈良バイクシェア、広島市シェアサイクル「ぴーすくる」、「HUBchari」。
4月8日には、都内11区の各サービスと川崎バイクシェアでも連携が開始されます。沖縄の「ちゅらチャリ」など連携予定のないサービスもいくつかありますが、ドコモ・バイクシェアの運営するシェアサイクルの半分以上がつながることになります。
筆者はちよくるとbaybikeにそれぞれ登録していますが、先日、旅先の仙台で未登録の「DATE BIKE」を利用しました。
これまでなら新たにアカウントを作らなければならなかったところですが、baybikeのアカウントと紐付けてあるスマートフォンを、DATE BIKEのカードリーダーにタッチ。特に変わった操作をする必要はなく、普段通り利用できました。また、利用履歴もbaybikeのものと続けて記録されていました。
待望のアップデートではありますが、いくつか惜しい点も。まず、登録エリア以外で使う時には、利用時間に応じた料金がその都度かかる「1回会員」として扱われるので、2つ以上のエリアで「月額会員」になりたい場合は従来通り複数のアカウントを持つ必要があります。
また、1台のスマートフォン(ICカード)に複数エリアのアカウントを紐付ける場合は要注意。未登録のエリアでカードをかざした際、どのアカウントで利用するかは選べず、最も登録の古いアカウントが使われます。
たとえば引っ越しで使わなくなったエリアのアカウントがスマートフォンに紐付いたままの人などは、請求でエラーが起きないように1度アカウントの設定を確認しておいた方が良いかもしれません。
ただし、ICカードに紐付いているアカウントのなかに利用エリアと一致するものがあれば優先して使われるので、「Aエリアの月額会員なのに、Bエリアのアカウントで都度利用してしまった」といったことが起きる心配はありません。
いつかはアカウントそのものを統合して欲しいなあ……とは思うものの、今回の連携開始によって、旅先でいつもと同じ赤い自転車を見つけて気軽に乗れるようになるだけでもだいぶ利便性が上がるのではないでしょうか。