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「AQUOS R」のAndroid 8.0バージョンアップに感じた誠実さ

【AQUOS R SHV39】

 筆者が今メインで使っているauの「AQUOS R SHV39」に対し、Android 8.0 Oreoへのバージョンアップが配信された。大手キャリア向け端末では一番乗りだ。Googleが直接バージョンアップを配信するNexusシリーズには、9月にAndroid 8.0バージョンアップが提供されており、そこからは2カ月遅れでの配信ということになる。

見た目にはバージョンアップした実感が得られないAndroid 8.0。AQUOS Rでも新機能の追加は多くない。「ロックフォトシャッフル」が目立つくらいか

 とはいえ、Android 7.0の時はNexusでの配信からキャリア端末への配信開始まで半年程度のスパンがあったことを考えると、相当なペース改善と言えるだろう。

 筆者は数年前まで、OSバージョンアップは必須ではないと思っていた。おおよそ2015年、Android 5.1くらいまでは、Androidの進化とあわせて、同時にハードウェア性能も劇的に向上していたので、「1年前のスマートフォンで最新のOSを使うより、最新端末で最新のOSを使う方が断然快適」と思っていたし、実際1年経たないくらいで端末を買い替えていた。

 それは今も変わらないのだが、今は「“断然”快適」とまでは言わない。OSもチップセットもその進化は一段落し、ハイエンド端末を1年使っても、その時登場した端末との性能差を以前ほどは感じなくなってきたのだ。

 OSの完成度が高まってきたこともあり、Android 8.0で改善される内容は、見た目の変化が少なく、地味な印象を受ける。だが、「AQUOS R」ユーザーの筆者にとっては嬉しいバージョンアップだった。更新したら、体感で分かるくらいキビキビと動くようになったのだ。

 まず、Android 7.0の頃に不満を感じていた、カメラの起動速度やフォーカス性能が改善された。加えて、「ヒカリエモーション」を設定すると、動作が少し不安定になりがちだったのでオフにしていたのだが、これも完全に解消されている。そのほか、「エモパー」のアイコンがアプリ一覧に登場したり、スクリーンショットの音が小さくなったりと、ユーザー以外には伝わらなそうな“かゆいところ”に手が届く改善が加えられている。

 シャープは「AQUOS R」の発表時に、「2年間の間に発表された最大2回までOSバージョンアップを保証する」と案内している。今回のAndroid 8.0バージョンアップの内容と提供タイミングは、その言葉を裏切らない誠実な内容だと感じた。

 手のひらに収まる小さな端末とは言え、スマートフォンはさまざまな機能が詰まった複雑なシステムでもあり、やはり最後は綿密なチューニングが必要となるのだろう。スペック競争が一段落したことで、スペックには現れない快適さを一層追求する流れになるのなら、一ユーザーとして歓迎したい。