DATAで見るケータイ業界

法人契約の携帯電話、キャリア別比率では「NTTドコモ」、端末ブランドでは「iPhone」がそれぞれ半数弱

 MCAは、法人契約のスマートフォン・携帯電話を導入する企業に勤務し、法人契約に関して導入プロセスに関わっている担当者に対してアンケート調査を実施し、その結果を調査資料「法人における携帯電話の導入・利用実態調査 2024」として取りまとめた。同資料をもとに、企業における携帯電話の導入状況を探ってみたい。

法人契約のキャリア別比率、NTTドコモが約半数占める

 法人の場合、冗長性の確保や取引関係の都合など、様々な背景により、複数の通信キャリアから携帯電話を導入しているケースが多い。そこで今回の調査では、「企業で導入している法人契約スマートフォン・携帯電話全体を『10』としたときの、各キャリアの導入割合」を数字で回答してもらい、より実態に即した状況把握に努めた。

 回答の平均値から導入比率を算出したところ、NTTドコモが約半数を占めている。次いでソフトバンクの22.3%、KDDIの18.0%となった。残る楽天モバイルとサブブランドの導入比率はいずれも5%未満にとどまっている。

 通信キャリアを選択する理由(複数回答)は、「通話・通信品質が高い」が49.9%で最も高く、次いで「電波状況(エリア)がしっかりしている」が43.0%で続いている。「毎月の利用料金が安い」は3番手(33.6%)となっており、企業にとってはまず“しっかり使える”ことが重視されていることがうかがえる結果となった。

導入する端末ブランドは「iPhone」が4割強で最多、2番手は「AQUOS」

 通信キャリアに関する設問と同様に、導入している端末のブランドについても、全体を10としたときの各ブランドの割合を数字で回答してもらった。その平均値から導入比率を算出したところ、「iPhone」が43.2%で、2番手は「AQUOS」の13.9%となった。

2年間で通信キャリアの変更を行った企業は15%程度

 2022年または2023年の2年間に、通信キャリアの変更を行ったとの回答は15%程度となった。MNPを利用したキャリア変更が12.6%、MNPを利用しないキャリア変更が1.9%で、あわせて14.5%という結果となった。変更した理由もあわせて調査しているが、上位には「端末料金に不満」「利用料金に不満」「通話・通信品質に不満」が並んだ。

 また、今後2年間で通信キャリアを変更する可能性についてたずねたところ、変更する可能性があるとの回答は(「どちらかといえば」という回答も含めると)29.6%に達した。理由としては「契約更新が近づいてきた」「利用している端末が古くなってきた」を挙げる声が多かった。

〔調査方法〕
勤務先企業で業務使用のスマートフォン・携帯電話を法人契約している企業に勤務し、法人契約に関する導入プロセスに関わっている方を対象としたネットリサーチ。調査は3月下旬に実施した。N=892。

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。 主に「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」サービスを展開。 所属アナリストとの意見交換も無償で随時受け付けている。 https://www.mca.co.jp/company/analyst/analystinfo/