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通信キャリアへの機器供給関係、NFV/SDN導入によりITベンダーが参入し複雑化

 通信キャリア各社でNFV/SDN導入が進んでいる。ソフトバンクが2016年2月にvMMEやクラウドプラットフォームを導入し、NTTドコモも3月にオーケストレーターやvEPCなどを導入したことは既報の通りである。

 今回は、NFV/SDNの導入を契機として複雑化する、通信キャリアへの機器供給関係を整理してみたい。

 NFV(vEPC/vMME)導入前、アプライアンス(EPC)時代はキャリアとベンダーにおける供給関係が非常に単純であった。NTTドコモにはNECと富士通(Nokia)、KDDI(au)とソフトバンクにはエリクソン・ジャパンがEPCを供給し、キャリア各社に対し、テレコムベンダーが機器を供給するという構図であった。しかし、NFV時代になり、従来のテレコムベンダーの構図にITベンダーが加わった。

 NTTドコモはNECと富士通以外に、エリクソン・ジャパンとシスコシステムズが参入した。KDDI(au)はKDDI研究所のトライアルにNECやシスコシステムズ、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、Nokiaが参入するなどマルチベンダ化が進んだ。ソフトバンクはエリクソン・ジャパンのみのシングルベンダーとなっている。

NFV/SDN市場におけるプレーヤ俯瞰図(MCA作成)

MCA

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」などクオリティの高いサービス提供を行う。