スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

ナニゲに便利なナースウォッチ

ナースウォッチってなに?

 何を隠そう、看護師でも医療関係者でもないのに、ナースウォッチを使用している筆者です。ナースウォッチ、ナニゲに非常に便利な時計なんです。たとえば……って話の前に、まず「ナースウォッチとは何か?」についてちょっとご説明。

 名前のとおり、看護師が使う時計です。まあ看護師限定ってわけではないと思いますが、医療の現場で使うのに都合が良い形と機能性を備えています。セイコーのナースウォッチ「SVFQ003」(公式ページ)を例に、どういうモノなのか見てみましょう。

セイコーの「SVFQ003」。典型的かつ定番的なナースウォッチです。服に留めるためのピン付き。メーカー価格は税別1万2000円で、実勢価格は9000円前後。
こんなふうに衣服(ホントは白衣)にピン留めして使います。手で文字盤を起こせば時間がわかるのはもちろん、文字盤を覗き込むようにすれば手を使わずに時間を知ることができます。右写真は、ナースウォッチ装着者の視点で文字盤を覗き込んだ様子。
文字盤部分の直径は3cm弱で、質量は23g。女性向け腕時計っぽいサイズ感ですが、バンドがないのでより小さく感じられます。文字盤には脈拍などを測るための計算尺が見えます。

 といった感じで、基本的には白衣に留めて使うナースウォッチ。病院によっては腕時計は使用禁止だそうです。腕時計だと、ケア時に患者に時計が当たって傷付けたり、腕時計バンドが感染源になったり、いろいろ不都合があるそうです。また、看護師など医療従事者は、手を(手首のほうまで)洗う回数が多いため、腕時計は邪魔になりがち。しかし、看護師など医療従事者は、たとえば患者の脈拍や呼吸数を測ったり、点滴の輸液滴下数計算をしたりと、秒針がある時計が必需品。

 そんなわけで、白衣に直接装着でき、業務上邪魔にも不都合にもならないナースウォッチが使われるそうです。着衣に留められて、文字盤を覗き込めば時間がわかる独特のスタイルのナースウォッチは、医療現場の必要性から生まれたプロ向けの時計というわけです。

ナースウォッチは普通の人が使っても便利!

 医療現場向けのナースウォッチですが、普通の人が使ってもナニゲに便利です。どういうふうに便利なのか? 単純明快に「衣服に装着して視線をやるだけで時間がわかる」というのがヒジョーに便利なんです♪

たとえばジャンパーなどにナースウォッチを装着。胸元あたりに着ければ、視線をやるだけで時間がわかります。右写真は、ナースウォッチ装着者の視点で文字盤を覗き込んだ様子。

 寒い時期だと、たとえば上着の袖が長かったり厚かったりして、腕時計をなかなか露出させられなかったりします。スマートフォンなどで時間を確認するにも、手袋をしていたりすると取り出しにくいですね。でもナースウォッチなら袖や手袋が支障になることはありません。では、ナースウォッチではなく、懐中時計(ポケットウォッチ)や時計ホルダーはどうでしょう?

懐中時計を服やバッグから吊して使うのも便利ですが、懐中時計はポケットに入れて携帯するのを前提につくられているので、ひとつふたつ工夫が必要になります。また、サイズも服に装着するには大きめかもしれません。
腕時計を懐中時計的に使うための「時計ホルダー」(関連バックナンバー)。好みの腕時計を「吊すなどして使えるようになる」というグッズですが、ホルダー自体が少し嵩張るので衣服への装着にはあまり向きません。

 といった感じで、ほかの時計やグッズでも、ナースウォッチと似たような使い方をできなくはないんですが、「衣服に装着して使う」にはちょっと違和感があります。服に着けて使うならナースウォッチがやっぱりイイですね~。

 服に時計を装着しておくと、前述のように冬場に便利なのに加え、両手が塞がっていても時刻を知ることができ、胸ポケットの上あたりに装着しておけば必要に応じてポケット内にしまえたりもして、なにかと実用的です。アクセサリー感覚で使っても愉快。オススメです。

こんなナースウォッチがある

 市場には、案外た~くさんのナースウォッチがあります。Amazonあたりで検索すると、数百円のものからお高いものまで多数ヒットします。ともあれ、ここでは、手持ちのナースウォッチを3点ご紹介しましょう。どれも気に入っているものです。

ROYAL LONDON(ロイヤルロンドン)の「21019-01 Nurse Watch」(公式ページ)。ステンレス製のナースウォッチで直径31mm。繊細なデザインと180度反対方向まで貫かれた秒針が特徴的です。この時計の「簡易脈拍計算尺」(後述)を使う場合、秒針が12時の位置に来たら脈拍を計測し始めることができますが、貫かれた秒針があるので最長でも30秒待つだけで計測ができます。こういった仕様により、ほかのナースウォッチよりも広いレンジの心拍数を、より精密に計測することができます。時針と分針および時表示12箇所に蓄光塗装が施されています。メーカー価格は税別8000円。
「電波式ナースウォッチ」の名前で流通している製品。文字盤と裏面にJ-AXISのロゴがあるので、サン・フレイム(公式ページ)の製品だと思われます。製品名のとおり、電波時計タイプのナースウォッチ。少々厚みがありますが(約11mm)、時刻合わせの手間がないのが魅力です。4時の位置のボタンを押すと、秒針が日付・曜日・午前/午後を指します。時針と分針に蓄光塗装が施されています。税込5378円で購入しました。
セイコーの「SVFQ003」(公式ページ)。前出のものですが、衣服に留めたとき、時計文字盤が裏返ることがないのが特徴であり大きな実用性です。ここで紹介している3種のナースウォッチのなかでは最も小型。文字盤全体に高輝度の蓄光塗装(ルミブライト)が施されており、暗闇でも時刻を読み取れます。メーカー価格は税別1万2000円。

 これらのナースウォッチには「簡易脈拍計算尺(パルスメーター)」が備わっています。12時や6時などの位置に秒針がきたときから脈を数え始め、脈が特定回数(時計によって異なる)に達したときに秒針を見れば、一分間の脈拍(心拍数)がわかるというものです。セイコーの「SVFQ003」を例に「簡易脈拍計算尺」の使い方を見てみましょう。

このナースウォッチの場合、秒針が12時もしくは6時を指したら、脈を数え始めます(写真左)。そして、脈を15回数えたら、その瞬間に秒針が指している数値を読み取ります(写真右)。この場合は一分間の心拍数が「58くらい」と読み取れます。

 簡易脈拍計算尺、おもしろ~い! 早速キミもナースウォッチを衣服に付けて、右手の指で左手首を押さえて、脈を数えてみよう! 同時にナースウォッチの簡易脈拍計算尺を見るんダ! ほらネ! 両手が塞がっていても文字盤を見られるし、心拍数を短時間でカウントすることがデキちゃうんダ! 凄いぞナースウォッチ! 欲しいぞナースウォッチ! みたいにオモシロがれるというわけです。

 ともあれ、ちっちゃくてカワイクて簡易脈拍計算尺も付いていて、フツーの人が使ってもナニゲに便利なナースウォッチ。ご興味があればぜひ使ってみてください。服に装着して使うのにオススメの品は、軽くて薄くて文字盤が裏返らないセイコーのやつで~す♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。