スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

なるほどイイね! アルカスイス互換

カメラ雲台の相棒、クイックシュー

 カメラを三脚へと手軽に取り付ける道具に、「クイックシュー」というものがあります。「クイックリリース」とか「クイックプレート」とか、メーカーなどによってイロイロと呼び名がありますが、基本的には雲台とカメラの間にセットして「雲台に対してカメラ脱着を手早く行えるようにする道具」です。

一般的な撮影用三脚の上部、カメラを据える部分が「雲台」です。雲台のネジでカメラ底部のネジ穴を締めて、カメラを固定します。カメラの脱着時、いちいちネジを緩めたり締めたりする必要があるので、ちょっと面倒。
ベルボンの「QRA-635LⅡ」(公式ページ)というクイックシュー。雲台とカメラの中間にセットすると、容易にカメラを脱着できるようになります。
雲台側とカメラ側にそれぞれのパーツをセット。ネジでしっかり固定します。以降はネジ締め不要。
こんな感じで、カメラを雲台へとセットし、レバーを倒せば固定されます。外す時は逆の手順。三脚とカメラの合体・分離がとても手軽になりました♪
最初からクイックシュー機構が組み込まれている雲台もあります。写真はマンフロットの「XPRO3ウェイ雲台」で、「200PL-14」というプレート(カメラ側パーツ)に対応しています。

 三脚を使って撮影する人は、けっこー利用しているクイックシューの類。多種多様なクイックシューが発売されていて、既存の雲台にセットするタイプのほか、上の写真のようなクイックシュー機構を予め搭載した雲台もあります。三脚へのカメラ装着がラクになるほか、カメラに対するネジ締めの回数も激減しますので、カメラ側ネジ穴を傷めにくいというメリットもありますネ♪

主流はアルカスイス互換

 クイックシューは多々ありますが、現在かな~り主流となっているのが「アルカスイス(ARCA-SWISS)互換」と呼ばれる、クイックシュー関連パーツです。アルカスイス(公式ページ)はカメラメーカーだそうですが、現在は高精度の雲台が代表的な製品。とくにクイックシュー機構搭載のボール雲台(自由雲台)が有名です。

アルカスイス製雲台各種。左は定番と言われているボール雲台「Z1-R」シリーズで、横に見えるのがカメラ側に装着するプレートです。右は「ARCA-SWISS D4ギアヘッド」と「ARCA-SWISSモノボールZ2+クイック」。※画像はメーカーウェブサイトより抜粋。

 ボールで自由に角度が動く高精度雲台の上に、プレートを容易に脱着できるクランプがあるのが、アルカスイスの代表的な雲台です。ヒッジョーに使いやすくてイイらしいんですが、けっこーお高いんです。雲台でだいたい6~7万円から始まって、高級機種は15万円くらい。カメラ側に装着するプレートは7000円~1万円少々といった感じ。

 その使いやすさはプロを中心に定評があります。また、アルカスイスの使いやすさをそのまま継承したっていうかパクったっていうかコピーしたっていうか、そういう感じの「互換品」が多々発売されています。最近では中国製の「激安アルカスイス互換」製品も多々。

 ワタクシの場合、既にクイックシューの類は使うモノが定まっていて、今からアルカスイス製品やその互換品に乗り換えるのは、ちょっと考えにくかった感じ。というわけで、アルカスイス製品などは店頭で「コレがアルカスイスか~」と見る程度。ネットでその互換品が多数流通しているのを「凄い数の互換品があるな~」と思う程度。そんな日が流れ、何年か経ちましたが、現在は以前よりもさらにアルカスイス互換品が主流となりまくっている感じです。

じゃあアルカスイス互換で!

 アルカスイスとかって自分とは関係ナイ~、とか思っていましたが、ここ数年激愛用している製品の一部が、アルカスイス互換品なんでした。具体的には、ピークデザイン(Peak Design)の「CAPTURE」シリーズ(関連記事)。バッグやリュックのショルダーストラップなどに装着できるクイックシューで、「体にカメラを装着しておいて必要とあらば即カメラを外して手に持てる」という感覚で使える製品です。

ピークデザイン(Peak Design)の「CAPTURE」シリーズ。ベルトにカメラを固定できるクイックシューで、「体に装着できるクイックシュー」というイメージで使えます。クイックシューのカメラ側パーツがアルカスイス互換で、アルカスイスやその互換の雲台に装着することもできます。

 この「CAPTURE」シリーズのカメラ側のパーツがアルカスイス互換で、アルカスイスやその互換の雲台側パーツ(クランプ)に装着することができます。ただし厳密には完全互換というイメージではなくて「ほぼ互換」といった感じかも。

 なお、ベルト側のパーツはアルカスイス互換ではなく、アルカスイス互換のカメラ側プレートを入れようとすると、プレートにより入ったり入らなかったり、あるいは抜きにくかったり。快適に使える感じではありませんし、使えないこともあります。ので、非互換と言ったほうが良さそうです。

 ともあれ、この「CAPTURE」シリーズのカメラ側のプレートがアルカスイス互換。アルカスイス互換雲台を使えば「体に装着したカメラをサッと外して、チャチャッと雲台にセットする」ってコトができそうな予感。いやデキるハズ。

 という流れで、じゃあ手持ち雲台をアルカスイス互換にするパーツを買おうかナ、と。そして実際買って使ってみましたら、予想外にイイんでしたコレが♪

便利! つくりもイイし実用的! なのに、やっす~

 買ってみた「アルカスイス互換」製品は、主にSUNWAYFOTO(サンウェイフォト)ブランドのものです。前にも買ったことのあるブランドで、かなり安いわりにはつくりが良かったので、わりと安心しつつ選びました。

 で、まず買ったのが「DDC-60i」というクランプと「DP50SR」というプレート。アルカスイス互換製品界隈では、雲台側パーツを「クランプ」、カメラ側パーツを「プレート」と呼ぶことが多いようです。

 なお、クランプは既存の三脚の雲台に固定して使います。最初にご紹介したベルボン「QRA-635LⅡ」クイックシューと同じような使い方ですネ。つまり、これらのパーツを使用中の三脚(の雲台)に追加すれば、アルカスイス互換になるというわけです。

SUNWAYFOTOのクランプ「DDC-60i」とプレート「DP50SR」。どちらもアルカスイス互換のクイックシューパーツです。しっかり合体。パーツのつくりが良く、ガタなどもありません。Amazonで買いましたが、クランプ「DDC-60i」が4194円、プレート「DP50SR」が1800円でした。
前述のピークデザイン「CAPTURE」シリーズのプレートと、SUNWAYFOTOのクランプもしっかりと合体します。とても実用的♪

 使ってみた印象としては「あ~もっと早くコレ使ってれば良かった~」と。アルカスイスのクイックシュー固定方式は、クランプ側のツマミを回して緩めてプレートを入れて、ツマミを締めるだけ。非常にシンプルな操作ですが、ガッチリと固定されます。じつはすでに多数のアルカスイス互換品を使っていますが、どのクランプも同様に「ツマミをクイッと締める程度で頑丈に固定される」という使用感は共通していて、とても実用的です。

 なお、SUNWAYFOTOのプレートにはクランプからの脱落を防止する突起(ネジで外せるもの)がありますが、ピークデザイン「CAPTURE」シリーズのプレートにはそれがありません。「CAPTURE」シリーズのプレートをSUNWAYFOTOのクランプに装着した場合、ツマミを緩めたときにカメラが落下するリスクが高まりますので、扱いに注意が必要です。

 にしてもイキナリ便利なアルカスイス互換。なるほどね~だから主流になっているのか! というわけで、ほかにもいくつか買ってみました。

SUNWAYFOTOの「MAC-14」というクランプは、アルカスイス互換でありつつ、マンフロット「200PL-14」プレートも使えます。あら便利♪ クランプ「MAC-14」はAmazonで4194円でした。
SUNWAYFOTOの「DLC-60L」。レバーでも開閉できるクランプで、レバーを右に倒すとプレートが外れ、レバーを左に倒すとプレートがロックされます。ツマミだけでもプレートを付け外しできます。Amazonで5994円でした。

 探すほどに「コレは便利かも!」と思える製品が見つかる「アルカスイス互換」製品界隈。互換品は安価で手を出しやすく、また意外なほど実用性が高くてナイスです。本家アルカスイス製品にも手を出してみたいところですが、互換品で十分な実用性を感じてしまっているので、このまま互換品ばっかり使っちゃうかもしれません……。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。