スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

Peak Design製カメラマウントが使いやすい件

Peak Design製カメラマウントが使いやすい件

 2014年の秋口に、Peak Deign(ピークデザイン)の「CAPTURE P.O.V. ACTION MOUNT」というカメラ保持具を購入しました。カメラ類をリュックのショルダーベルトなどに装着できるようにする、カメラマウントキットです。

Peak Deignの「ACTION PACK」。GoProなどのアクションカメラをリュックのショルダーベルトなどに装着するためのマウント一式ですが、コンパクトデジカメをセットしても使えます。カメラはワンタッチで脱着可能。Peak Deignの国内販売代理店は銀一で、上記「ACTION PACK」は「キャプチャ with POV キット」という名前で売られています。銀一オンラインショップ価格は税込み1万152円。

 で、コレがなかなか便利。マウントはリュックのショルダーベルト以外にも、バッグのショルダーストラップやベルトにも固定できます。マウント部でストラップやベルトを挟み込み、付属の工具(もしくは指)でネジを締めて固定しますが、固定力は予想以上に強力。不意に外れるようなことはまずありません。

 購入当初は、リュックのショルダーベルトにアクションカメラを固定して、歩きながらの動画を撮影しようと考えていました。が、撮影結果はブレブレ。そういう用途には向きませんでした。

 しかしストラップなどにカメラを固定しておいて、必要なときワンアクションでカメラを手に取れるという点は非常に実用的。アクションカメラ以外にも、コンパクトデジカメなど重くないカメラならセットできますので、静止画や動画を撮り歩くときにとても役立ちます。

 ただ、このキット、カメラに取り付けるクイックリリースプレート部が樹脂製で、やや重めのカメラを装着しようとすると若干不安があります。たぶん強度的には大丈夫だと思うんですが、「万が一のプレート破損は有り得そう……」と安心できない気分。また、クイックリリースプレートとカメラ台座は別になっています。一般的なクイックリリースプレートと違い、カメラにセットすると若干嵩張る感じ。

 ということで、もっと頑丈なパーツやシンプルなクイックリリースプレートなどを追加購入しました。結果、それらも非常に快適に使えて便利。以降、このテのマウントはPeak Design製ばかり使うようになりました。ちなみにワタクシは、カメラストラップ類もPeak Design製を多用中

使用中のPeak Design製ストラップ各種。アンカーと呼ばれるパーツをカメラ側にセットし、そこにストラップ金具を装着するシクミです。ストラップの交換が容易で、ひとつのストラップを複数のカメラで共有するのも簡単。アンカー1個の耐荷重は200lbs(約90kg)以上だそうです。Peak Design製ストラップについての記事はコチラ

 今回紹介するPeak Design製マウント類について「コレはイイな~」と思い、上記Peak Design製ストラップにも手を出したという流れです。ともあれ今回は、愛用中のPeak Design製のカメラマウントについてレポートしたいと思います。

「CAPTURE PRO CAMERA CLIP」がイイ感じ。

 Peak Design製のカメラマウント(カメラクリップ)製品は、「CAPTURE」の名が付くシリーズで、現在4種類がラインナップされています。そのうちカメラ用は3種類で、それぞれ「CAPTURE CAMERA CLIP」「CAPTURE PRO CAMERA CLIP」「CAPTURE P.O.V. ACTION MOUNT」(前出のもの)です。

左から、「CAPTURE CAMERA CLIP」「CAPTURE PRO CAMERA CLIP」「CAPTURE P.O.V. ACTION MOUNT」。銀一オンラインショップ価格(税込)はそれぞれ、8505円、1万1664円、1万152円。

 これらの違いはマウント部と付属品。マウント部は、「CAPTURE CAMERA CLIP」と「CAPTURE P.O.V. ACTION MOUNT」が同じもので、マウント前面パーツがアルミ製で、背面パーツが樹脂製です。3種類どれもクイックリリースプレート装着部は同じものですが、「CAPTURE PRO CAMERA CLIP」のみマウント部背面パーツがアルミ製です。

 付属品の違いは、クイックリリースプレート周辺です。「CAPTURE CAMERA CLIP」には「STANDARD PLATE」が、「CAPTURE PRO CAMERA CLIP」には「PROPLATE」が付属します。「CAPTURE P.O.V. ACTION MOUNT」にはGoProやコンパクトデジカメを取り付けるための、樹脂製クイックリリースプレートおよびパーツが付属しています。

 結局、カメラマウントとしては「CAPTURE PRO CAMERA CLIP」を購入しました。クイックリリースプレートも、マウント背面も金属製ということで、その頑丈さに期待して、です。

購入した「CAPTURE PRO CAMERA CLIP」。前面も背面もアルミパーツが使われていて頑丈。写真のように「いろいろなストラップ部」に固定できるマウントです。
マウント背面には三脚ネジ穴があり、三脚にセットすれば簡易的なクイックリリースとして使えます。クイックリリースプレートの「PROPLATE」はアルカスイス互換で、付属パーツをネジ止めすればマンフロットRC2プレート互換になります。

 前述の「CAPTURE P.O.V. ACTION MOUNT」と同様、この「CAPTURE PRO CAMERA CLIP」もストラップやベルトに強固に固定できます。マウント部は背面も表面もアルミ製なので安心感が高く、必要とあらば三脚にセットすることもできて便利です。付属のクイックリリースプレート「PROPLATE」も幅広&安定感があって好印象です。

 クイックリリースプレート(カメラ)の装着は、そのままマウントにセットするだけです。スライドインするとカチッとロックがかかります。取り外すときは、マウントの赤いボタンを押しながら引き出す感じ。赤いボタンの反対側にある黒いネジを締め込めば、クイックリリースプレートがマウントにしっかりとロックされます。

 Peak Designからは何種類かクイックリリースプレートが発売されていますが、どのクイックリリースプレートも逆装着が可能です。上の写真で言えば、レンズを下向きにしても上向きにしても脱着可能。レンズ交換時は上向きでセットしておくと、カメラを手で保持する必要がなくて良いのも大きな利便です。

 ひとつ留意点を挙げるとすれば、「CAPTURE PRO CAMERA CLIP」に限らず、「CAPTURE」シリーズを使うなら、「CAPTURE TOOL」との併用が快適だということです。多用するなら必須のツールかも。

「CAPTURE」シリーズ用ツールの「CAPTURE TOOL」。「CAPTURE」シリーズの各部ネジを強固に締められ、容易に緩められます。「CAPTURE」シリーズをストラップ類に対して十分安定的に固定するには必須のツールかもしれません。カメラに対してクイックリリースプレート脱着するための六角レンチも内蔵されています。

 このツールは、前述の「CAPTURE P.O.V. ACTION MOUNT」に付属しています。またこのツールには、お約束の「栓抜き」機能もあり、上記リンク先にはそれを強調するビデオもあってミョーに脱力しますがさておき、残念ながら国内ではこのツールを単体で買うのは難しいようです。本家サイトからはUS$9.95で購入できます。

クイックリリースプレート各種

 前述の「CAPTURE」シリーズカメラマウント用のクイックリリースプレートは、何種類か発売されています。現在5種類がありますが、そのうち2種類は生産完了在庫のみ販売(後継製品が出たため)のようです。ので、現行の3種類について見ていきましょう。

 現行3種のクイックリリースプレートは、それぞれ「STANDARD PLATE」「MICROPLATE」「PROPLATE」です。どれも金属製。違いは、サイズと若干の機能性です。それぞれ写真で見ていきましょう。

ベーシックな「STANDARD PLATE」。サイズは縦3.8×横3.8で、質量は22g。各「CAPTURE」シリーズに対し、4つのどの方向からでもスライドインできます。カメラ取り付けネジは4mmの六角レンチで回せます。アルカスイス互換。銀一オンラインショップ価格は税込み2916円。
コンパクトな「MICROPLATE」。サイズは縦2.9×横4.3で、質量は32g。各「CAPTURE」シリーズに対し、2つの方向からスライドインできます。カメラ取り付けネジは4mmの六角レンチで回せるほか、指でも回せます。アルカスイス互換。銀一オンラインショップ価格は税込み4320円。
ヘビーユースにも向く「PROPLATE」。サイズは縦3.8×横5.2で、質量は56g。各「CAPTURE」シリーズに対し、4つのどの方向からでもスライドインできます。カメラ取り付けネジは4mmの六角レンチで回せます。アルカスイス互換。付属のパーツを装着することで、マンフロットRC2プレート互換になります。銀一オンラインショップ価格は税込み4320円。

 ワタクシの場合、これらのクイックリリースプレートにミラーレスカメラやコンパクトデジカメを装着して使っていますが、使用感~安定感の差はそーんなに変わりありません。ただ、「MICROPLATE」だとマウントに対して2方向にしかセットできないので、たま~に不便です。けど、「MICROPLATE」は小さいわりに堅牢だしカメラへの脱着も(指でできるので)容易だし、なかなか便利ではあります。

 さほど薄くないミラーレスカメラに使うなら「PROPLATE」がイイ感じ。幅があるのでより安心して使えますし、装着時のバランスも良好です。ビデオカメラにも向くと思います。

 それから、どのクイックリリースプレートにもストラップホール的な穴やスリットがあります。ので、そこにネックストラップなどを通せば、カメラを首から吊したりするにもイイ感じです。

 また、この記事で紹介した「アンカー」も取り付けられます。ので、「アンカー対応ストラップ」と併用すれば、脱着の容易さも加わるでしょう。

 単に「カメラの三脚ネジ穴部にストラップホールが欲しい」という場合、「PRO DRIVE SCREW」がイイかも。カメラの三脚ネジ穴に取り付けるとストラップホール的な取っ掛かりができる、というパーツです。

「PRO DRIVE SCREW」はカメラの三脚ネジ穴に取り付けるパーツ。カメラに新たなストラップホールが追加され、アイデア次第でいろいろな使い方ができます。使用中ですが、かなり堅牢だという印象です。銀一オンラインショップ価格は税込み1404円。

 じつはこのテの「カメラ三脚ネジ穴に取り付けてストラップホールとして使えるパーツ」をイロイロと試したんですが、なかなかイイのに遭遇できませんでした。頑丈だけどミョーに大きかったり、小型だけど強度に不安が残ったり……。この「PRO DRIVE SCREW」の場合、小さめでありかつ頑丈。指でも六角レンチでも脱着可能で、もちろん不使用時は折り畳めます。エッジの面取りなんかもしっかり成されています。まあ、飛び抜けて「ここがイイ!!」みたいな要素はないんですが、無難にオススメできるアクセサリーです。

 てな感じで、地味ながらも作りの良さがあったり、前述のストラップとクイックリリースプレートを組合せられる発展性があるあたり、かなり好印象なPeak Deign製品。また、使いやすさもなかなかのもの。余計な機能がほとんどナイので、使用中にイラッとせず、手にもよく馴染みます。

 そして頑丈さはピカイチ。カメラマウント類はわりと一生モノの頑丈さですし、ストラップ類はしなやかながらも強度は十分あります。カメラを多用する人にとっては「むむっ!!」というポイントが多いPeak Deign製品なので、ぜひジックリとチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。