スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

ストローでいろんなモノを防水パック!

た~くさんの小物をコンパクトに携帯できるDIY技

な~るほどツカエル! 「Waterproof Straw Containers」

 数年前に、防水マッチに凝っていたことがありました。水に濡れても火が付くマッチ。けっこうイロイロなメーカーから出ていて、防災グッズにもイイしキャンプや山登りなんかにも使えます。海外の製品が多く「waterproof」「match」で画像検索などすると、色々な防水マッチが見つかります。

左はUCO(ユーコ)の「Waterproof Matches」(公式ページ)。先端(頭薬)部分とその少し手前が防水加工されていて、マッチ棒が水に濡れても(水気を軽くはらえば)着火できます。右は同じくUCOの「STORMPROOF MATCH KIT」(公式ページ)で、防水・防風・耐水マッチです。防水のうえ、強い風や一瞬の浸水があっても燃え続ける強力なマッチです。しかも防水ケース入り!

 ムダに欲しくなっちゃいますね~防水系マッチ。ちなみに、普通のマッチの先端およびその手前2cmほどを「うすめ液で薄く溶いたマニキュア」で塗ってコートすると、防水マッチを自作することもできるようです。

 こういった防水系マッチに惹かれ、前述のとおりアレコレと「waterproof」「match」で画像検索していたところ、オモシロげなDIY技を知りました。「Waterproof Straw Containers」で画像検索すれば一発で見つかりますが、ストローで各種小物を防水パックしてしまうという方法です。

市販のストローを容器として、マッチなどの小物を防水パックしてしまうというDIY技です。先細のペンチやプライヤーとライター程度の道具で、誰にでもデキちゃう便利技です。

 あらオモシロい~♪ と思いましたが、当時は「まあソレはともかく、もっと防水マッチを調べよう」というコトで、この技は後回しにしていました。そしてすっかり忘却。その数年後っていうか最近になって「あっあの技を試そう!」と思い、試してみたところ、意外なほどイイ感じに実用的だったのでハマったというわけです。てなわけで以降、このDIY技「Waterproof Straw Containers」の実際を見ていきましょう。

どうやるの? どう便利?

 まず「Waterproof Straw Containers」の作り方ですが、入れたいモノに応じた太さのストローを用意し、適切な長さにカットします。そしてストローの片側をラジオペンチなどで潰した状態で保持し、ライターなどの炎で炙って溶かします。溶けたらそのまま保持して固まるのを待つか、溶けた上から素早くラジオペンチなどで潰して冷やしつつ固めます。これでストローの片側が閉じた状態に。続いて、その片閉じストローにモノを詰め、もう片側を熱して閉じれば出来上がりです。

入れるモノのサイズに合わせてストローを用意し、やはりサイズに合わせてカットします。ここでは直径12mmのタピオカ用ストローを使用。ラジオペンチなど先端が細めのペンチを使い、カットしたストローの片端2mm程度が出るように保持します。
ペンチから出た部分を熱して溶かします。熱するときはライターなどの炎の根元近く(温度が低い青い炎)を使うと、ストローを焦がす失敗を減らせます。ストローを溶かして固まるまで待つだけ(右写真左)でも、溶かした後にラジオペンチなどの先で溶けた部分を潰して(右写真右)もOK。お好みで。
中にマッチを入れました。入れたら、ストローのもう片側を溶着して完成♪ ちなみに、入れたマッチは、マッチ箱の擦る部分(ストライカー/側薬)を使わずとも着火できる「どこで擦っても火が点くマッチ」です。具体的には「STRIKE ANYWHERE BIRD'S EYE MATCHES」という硫化燐マッチで、アウトドア用品店などで入手できます。

 といった流れで、容易に防水パックを作れます。ただ、火を使って作りますので、実際に作る場合は火傷や火事に十分注意してください。

 さて、こうして作った防水パックの利点ですが、まずは「防水」という面で実用的です。ほとんどのストローは薄いポリプロピレン製で、その薄さゆえ強度はソコソコなんですが、十分な防水性があります。なので、水に濡れると利用できなくなるようなモノをパックするにはモッテコイ。素材自体は耐薬品性が高いプラスチックとしても知られていますが、自己責任のDIYですので燃える薬品をはじめ危険な薬品の封入は全然オススメしません。

 もうひとつの利点としては、必要な分だけ「非常にコンパクトな小分けパックとして」持ち歩けること。マッチ箱をビニール袋に入れて持ち歩けば防水になりますが、嵩張ります。一方、「Waterproof Straw Containers」に要る本数だけマッチを入れれば……一目瞭然のコンパクトさです。

 アウトドア活動などでは必要な小物が多々ありますが、それぞれを専用ケースなどに入れて携帯すると意外なほど嵩張ってしまいます。ので、こういった方法で「最小体積の小分けパック」として携帯する実質的なメリットは大きいと思います。

 まあ、ビニール袋のように「入れて閉じればパック完了」というほどの手軽さはなく、中身を取り出すときに端をカットする必要があり、さらに再封入には溶着が必要など不便な点も多い「Waterproof Straw Containers」ではあります。必要に応じてほかの容器と使い分けるのが現実的ですネ。

いろいろ詰めてみた!

 さてさて、実際に「Waterproof Straw Containers」にイロイロなモノを詰めてみましたので、写真とともに列挙してみます。中にはちょっと問題アリのモノもあったので、それも併記しました。

左は「正露丸」です。ワタクシが知るところ最太となる「直径15mmのタピオカ用ストロー」にたっぷり入れてみました。ニオイも漏れずイイ感じです。右は「お酒も封入できるかな?」と思って試しに入れてみた無水エタノール(アルコール度数ほぼ100%のお酒と同等の液体)です。液体が漏れた感じはありませんが、10日ほどで内部の空気部分が増えてきました。ポリプロピレンのストローはガス化したエチルアルコールを透過させやすいのかもしれません。長期の「お酒携帯」はちょっと無理っぽいですね。
左はタバコ、右はハチミツを入れてみました。ストローの直径とマッチすれば葉巻なんかも入るかも? 愛煙家にとってタバコは非常にプライオリティーの高い嗜好品だと思いますので、こういうカタチで「万が一の一本」を常備すると安心かも、です。ハチミツは問題なく封入され続けていますし、長期保存可能な食品ですので緊急用にイイかもしれません。
左はチョコレートシロップで、右は粒状のチョコレートと粒状のソーダ菓子。小分けにして携帯すると、山歩きなんかの休憩時に便利かもしれません。緊急用~サバイバル用としても役立つことがあるかも!?
マッチは前述のとおりイイ感じで収まります。右は「レインボーオイル」というランプ用のオイルで、灯油ランプに使えます。灯油より安全性が高い燃料です。脱脂綿にレインボーオイルを少し染み込ませて着火すると、非常に優れた着火性があり(ライターの火花程度で着火可能)、わりと長時間燃え続けます(脱脂綿が燃え尽きにくい)ので、「火口」としてとても実用的です。いわゆる「ワセリンティンダー」と同様に利用できます。ただし、レインボーオイル単体で封入した場合、10日ほどでストロー内部に負圧が加わったような変形が見られましたので、ガスが抜けていっているのかもしれません。なお、ワセリンではこういう現象はないようです。
燃料封入実験。左はZIPPOライター用オイルで、右はベンジンです。どちらもナフサですが、10日ほどで量が半分ほどに減ってしまいました。内部に少し負圧がかかったようにも見えます。ストローの素材はポリプロピレンですが、延伸製造されたものはガスの透過性が高いのかもしれません。これら液体を封入して危険性は感じませんでしたが、どちらも引火性の高い燃料なのでこの用法はオススメしません。
左は砂糖と塩、右は練乳。登山~サバイバルに何となく実用的っぽい気がします。ちなみに、前述の蜂蜜、チョコレートシロップなどと同様、練乳も濃度が非常に高いので腐りにくい食品ですが、封入時の汚染には十分注意する必要があると思います。
直径12mmのストローには単4電池が入りました。リチウム電池を入れて緊急用とするのもアリかもしれません。直径15mmのストローには額が見やすい状態で紙幣が入りました。ちなみに、直径15mmのストロー(市販では最大直径と思われるもの)には、単4電池が入ることがあります(直径のバラつきから)が、多くは「ギリギリ入らない」といった感じです。

 ちなみに、上で使っているストローはタピオカ用で、直径は12mmと15mmです。イロイロ探してみた結果、ストローとして売られているポリプロピレンパイプでは、最も太いものが直径15mmで、それ以上の太さのものは見つかりませんでした。もちろん、もっと細いストローでも「Waterproof Straw Containers」として使えますが、当然、容量は少なめになりますし、入れられるモノも限られてきます。

 最後に、これを入れる容器を軽く考察。「Waterproof Straw Containers」の場合、中身を使うにはストローの端などをカットするか噛み千切る必要があります。ただ、現実的には太いストローほど噛み千切るのは困難で、千切った反動で中身が飛び出てしまいがちなので、端を鋭い刃物でスパッと切るのが無難。というコトで、端を切る刃物も一緒に封入するように容器を選んでみました。とか言いつつ、このテのDIYではお約束の「ALTOIDS缶」に入れただけでした~♪

ALTOIDS缶に「Waterproof Straw Containers」を入れた様子。缶毎に「非常用」「おやつ」「着火道具」などと分けたりするのも愉快です。ちなみに缶蓋の裏には、短く切断したカミソリをネオジム磁石(赤矢印)で吸着させています。このカミソリはKAIの「長柄カミソリ ビューティーM」(公式ページ)で、使い捨てですが安価で切れ味が鋭く刃先カバー付きで、ツイデに柄を短くカットしやすかったりします。なので、「Waterproof Straw Containers」の開封用としてなかなか便利!

 てな感じの「Waterproof Straw Containers」。固形物も液体もソコソコいろいろと封入でき、多くの場面で実用的な防水性能を発揮してくれつつ、携帯品の容積圧縮にもかな~り効果的。アイデア次第で用途も多彩です。「何を詰めようかな?」を考えること自体が非常に楽しいですので、ゼヒお試しを♪ でも火傷と火事には十二分にご注意を!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。