ケータイ用語の基礎知識
第944回:CarPlayとは
2020年3月10日 06:00
自動車を運転しながらiPhoneを使える、そうCarPlayならね
CarPlayとは、iPhoneを対応カーナビやカーオーディオなどと、LightningケーブルまたはBluetoothとWi-Fiで接続するための機能です。Appleが開発がしたことから「Apple CarPlay」と表記されることもあります。
CarPlayでiPhoneが接続された車載器のスクリーンには、車内で閲覧・操作がしやすいように簡易化・最適化されたUIでiPhoneのホーム画面やアプリの画面が表示されます。そして、車載器の画面へ、指でのタッチ・スイッチやダイヤル・ボタンの押下、あるいは車種によってはハンドル上のスイッチを長押しSiriを起動して音声コントロールなどでもiPhoneを操作がすることができます。また、最近のiPhoneでは「Hey、Siri!」の発音だけでも起動可能です。
Siriを使えば、このCarPlayによって停車中だけでなく、運転中でも視線と手の位置を変えないで、iPhoneを操作することができます。
CarPlayの機能はiPhoneのiOS 7.1から実装されました。当初は、iPhoneの画面とナビの画面はそのまま同じ物が写る同一画面モードしか対応していませんでしたが、最近のiOS 13以降では改良され、ナビとiPhone本体でほかの機能、ほかの画面が利用できるようになりました。また、このバージョンからは画面のサイドにマップ、ミュージック、最近使ったアプリ、といったアイコン一覧が表示できるようになるなど、ほかにもさまざまな改良が施されています。
標準アプリだけでなく、サードパーティ製でも対応アプリが
CarPlayを通じてアプリを利用するには、アイコンや画面内のアイテムが大きく表示されるCarPlay上で実行できるよう、アプリ側が対応している必要があります。
ただし、Watch Appのように全く別のプラットフォーム用として作るわけではなく、通常のiPhoneアプリに「現在CarPlay上で動いている」という状態の処理を追加するような作り方になります。アプリケーションの入手先も通常のiPhoneアプリと同じAppStoreです。
iPhone標準搭載のアプリは多くがCarPlayに対応しています。例を挙げると「ホーム」「電話」「メッセージ」「ミュージック」「カレンダー」「Podcast」「オーディオブック」などが利用できます。
電話をかけるには、対応車種であれば運転中でもハンドル上のスイッチや音声でSiriを起動し「Hey、Siri! 〇〇に電話をかけて」と言うだけで、ハンズフリー通話ができます。
メッセージの場合は、届いたメッセージの文章をSiriに代わりに読み上げさせ、返信させることもできます。この場合の返信もSiriに向かって声に出して伝えたい内容を言うだけでテキストとして送ることができます。車内のスピーカーと接続しているナビ・カーオーディオであれば、非常にクリアな音声でメッセージを耳で聞くことが可能です。
また、逆に運転中に音で気が散ってしまうのは嫌だという場合は、たとえば運転中は通知を出さない設定することなども可能です。
アップル純正だけでなく、作成方法が公開されているので、サードパーティ製の対応アプリケーションがあるのも、CarPlayの特徴です。たとえばカーナビゲーションアプリとしてはiPhone標準の「マップ」が使えるのがもちろんですが、サードパーティ製の「Googleマップ」「Waze」「カーナビタイム」「Yahoo!カーナビ」などを利用することもできます。
あるいは楽曲配信アプリではサードパーティ製の「Amazon Music」「Spotify」「AWA」「Google Play Music」といったアプリを使えます。iPhoneで普段これらのアプリを使っているユーザーが、クルマを運転するときもそのまま同じプレイリストでいつもと同じ音楽を聴けるのは嬉しいことなのではないでしょうか。