ケータイ用語の基礎知識
第932回:ダークモードとは
2019年12月3日 06:00
スマートフォンの画面白黒反転表示モード
ダークモードとは、黒色を基調とし通常とは反転した、スマートフォンの画面モードのことです。
画面がさまざまな基調に変えられる「テーマ」機能を持っている場合は、ダークテーマと呼ばれることもあります。
OSやアプリをこのダークモードに切り替えることで画面をそれまでの白を基調としたものから、黒を基調とした表示に変えることができます。OSの場合は、その上で動くアプリの部品(たとえばメッセージやダイアログボックスなど)の色も変わります。
OS上のアプリケーションの多くは、画面に表示するアプリの色を自分で定義しているため、全て思うように黒基調にはならないのですが、OSメーカーが推奨するような作法で作っていれば、正しく黒基調の表示になるようになっています。
iPhoneでは、2019年にリリースされたiOS13以降で、このダークモードが利用可能です。 通常のライトモードからこのダークモードに切り替えるのはiPhoneでは非常に簡単です。「設定」の「画面表示と明るさ」を開き、外観モードを「ダーク」をタップするだけ、で切り替わります。iPhoneの場合は、日中はライトモード、日の入りからダークモードに自動的に切り替えるオプションなどもあるのでこの設定まわりはよく見てみるといいでしょう。
また、ダークモードは、Androidスマートフォンでも、2019年リリースのAndroid 10から利用可能になっています。
Androidベースのスマートフォンの場合、操作法が異なることもあるのですが、たとえばPixelシリーズの場合、ライトモードからダークモードに切り替えるには設定のディスプレイで、ダークテーマのトグルスイッチでできるようになっています。
OSそのものではなく、アプリ単体でもダークモードを持つ物もあります。たとえばWebブラウザのChromeなどはその一例です。
Chrome 78では、設定に「テーマ」という項目があり、「システムのデフォルト」「明」「暗」の3つから選べるようになっています。
システムのデフォルトというのは、OSがライトモードであれば明、ダークモードやバッテリーセーバーが有効の時には暗になるという、OS設定に連動するモードです。
OLEDディスプレイ搭載機では省電力などのメリットも
ダークモードを搭載、利用するメリットはいくつかあります。
まず、OLED(有機ELディスプレイ)搭載の機種では、(わずかですが)消費電力が少なくなること。OLEDディスプレイでは全面黒表示の方が全面白表示よりも消費電力が少ないのです。
液晶ディスプレイでは画面が黒でも白でも冷陰極管、LEDなどで常に発光している部分があり、それを液晶のシャッターで光を通さない(黒)・通す(白)で表現していました。そのためほとんど表示色によって消費電力に差はありません。
しかし、OLEDは、自発光、つまり画面上のピクセルひとつひとつが通電されない(黒)・された(白)ことで表示されるので、画面のほとんどが黒であれば、消費電力は全面白に比べて小さくなるのです。
また、もうひとつメリットとしては、暗い場所でスマートフォンを見るときに、ある程度目の疲労を軽減できるということです。
暗い場所でディスプレイのような明るいものを見つめる見ること自体目の疲労の原因になるので勧められるものではないですが、どうしても暗い場所でスマートフォンを見なければならない状況というのはあり得ます。そのようなときに白、つまり画面が全発光している状態で見るのは目への負担を余計に大きくすることになります。
黒基調のダークテーマにしておけば、ディスプレイの光っていない部分が多いので目の負担を軽減する効果がある、とされています。
とはいえ、あくまでもそれは白基調のディスプレイ表示と比較した場合と比べての話です。本来は、ある程度明るい場所で見るに越したことはありません。
なお、現在のスマートフォンではiPhone X、11 Proをはじめ、AndroidスマートフォンでもXPERIA 5、AQUOS zero、OPPO RenoAなどOLEDディスプレイ搭載機種はハイエンドから普及機まで増えてきています。画面基調をダークモードにしておくと御利益がある機種もそれだけ増えている、ということになりますね。