ケータイ用語の基礎知識

第915回:VTuber とは

 VTuber(ブイチューバー)とは、バーチャルなYouTuber(ユーチューバー)のことを意味する単語です。コンピュータグラフィックスで描かれたキャラクターを使って動画投稿、配信を行うユーザーのことを言います。

 ただし、動画投稿サイトはYouTubeのみではなく、他の動画サイトで公開することもあります。そうしたこともあってか、「YouTuber」ではなく、「VTuber」を使うことがあるようです。

 配信者にとってのメリットは、顔を出さずとも、ネット上のビジュアルを伴ったキャラクターとして、実写に近い情報密度を視聴者に提供できるようになったことでしょうか。

 多くのVTuver中継では、配信者のバストショットが表示され、首の動き、まぶたのまばたき、そしてセリフとのリップシンクと、実際の演者と同じように動きます。

 これらVTuberのコンテンツは、本格的なものではモーションキャプチャーを利用しながら3DCGまたは2DCGによって作られていますが、簡易的なものはWebカメラを使って顔の動きや表情のみ取り込むものも存在します。

 現在では、スマートフォンを使ってVTuberになるアプリも存在しています。たとえば、「ホロライブ」では、iPhone X以上を使用すると目と口の開閉をリアルに表現できてリアリティを増すことができます。

 あるいは「カスタムキャスト」というアプリでは、あらかじめ作成しされたプリセットデータがあり、手軽にキャラクターを使うことができます。また、配信もスマートフォンひとつで可能で、インカメラを使います。顔を認識し、ユーザーの動きに合わせて3Dモデルも動きます。またジャイロ機能を使って臨場感のある配信も可能になっています。

おしゃべり中心のコンテンツ?

 2019年7月現在、VTubrrが提供するコンテンツとして最も多いのは、視聴者のコメントに合わせて回答して会話を進めるというタイプのものでしょうか(筆者の観ている範囲が偏っているせいもあるかもしれませんが)。

 なかには(終了してしまいましたが)「ナイセンチャンネルV」のように女性キャラクターが2人登場し、互いにダラダラ女子トークをして終わるというコンテンツもありました。はたまた、次々と新しい技術やさまざまなVR体験を紹介しているVTuberもいます。

 このほか「歌ってみた」として既存の曲、もしくはオリジナルソングを歌ったり、バーチャルアイドルと一緒に映画を見たり、ファッションショーをしたりするVTuberもいます。幅広いコンテンツもまたVTuberの魅力を支える要素かもしれません。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)