ケータイ用語の基礎知識
第909回:Wi-SUN JUTA とは
2019年6月12日 06:00
「Wi-SUN」は、次世代電力量計「スマートメーター」などに採用されることで注目を集めている次世代無線通信規格のひとつです。
サブギガヘルツ帯(日本では920MHz)を利用します。通信速度はそれほど速くはないですが、低電力でkm単位の遠距離通信も行うことができます。ちなみにWi-SUNという名称は、ワイヤレス・スマートユーティリティネットワーク(Wireless Smart Utility Network)を略したものです。
Wi-SUNでは、物理層にIEEE 802.15g、MAC層にIEEE802.4eを使用しています。その上に、使用する目的にあった「プロファイル」を載せることで、利用用途にマッチした通信ができるようになっています。
今回紹介する「Wi-SUN JUTA」もそうしたプロファイルのひとつです。ガスメーター用のWi-SUN用プロファイルで、東京ガスが検討中のガスメーター用スマートメータリングシステム「U-BUS」をベースにしています。
「U-BUS」は、ガス機器(警報器、燃焼機器など)をはじめ、メーターや各種センサーと、集中監視センターをより手軽に繋げられるというインターフェイスです。
つまり、Wi-SUN JUTAとは、Wi-SUNをベースに、さまざまなガス機器や警報器などとのデータ交換を行う通信のことです。別名「Uバス エア」とも呼ばれます。
ちなみに、JUTAという名称は、規格認証試験と相互接続性認証試験を行う日本テレメータリング推進協議会(Japan Utility Telemetering Association)の頭文字から来ています。
なお、Wi-SUN JUTAの他にも、目的別に使われるWi-SUNプロファイルの例としては、「Wi-SUN FAN(Field Area Network)」、「Wi-SUN HAN(Home Area Network)」というようなものもあります。
「Wi-SUN FAN」は、マルチホップで、スマートシティなどの広域無線通信網として利用されます。屋外で広域に設置されたセンサーからデータ伝送を行い、スマートグリッド、インフラ管理、高度道路交通システム、スマート照明に関する情報をやりとりするために使われます。
「Wi-SUN HAN」は宅内にある家電製品とWi-SUNで接続・通信するためのプロファイルです。Wi-SUNゲートウエイが複数の家電製品と1対多接続します。複数の家電製品と接続し、各機器の情報収集や機器間を連動させる制御などに使われます。