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「C1002S」で始まる着せかえケータイ第2章
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C100xシリーズ第1弾
auは昨年末から次世代サービスに対応したラインアップを販売しているが、同時に既存のC40xシリーズの事実上の後継とも言えるC100xシリーズの販売も開始している。なかでも注目を集めているのが昨年、大好評を得た「着せかえケータイ」の後継モデル「C1002S」だ。筆者も機種変更で端末を購入したので、レポートをお送りしよう。
着せかえコンセプトを継承
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au/ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ『C1002S』。サイズ:46(W)×92(H)×28(D)mm(折りたたみ時)、105g。ホワイト、ブラック、オレンジをラインアップ。
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「他人と違うケータイを持ちたい」??携帯電話を誰もが当たり前に使うようになった今日、多くの人がこんなことを考えているだろう。たとえば、着信メロディやストラップ、待受画面など、ユーザーはさまざまな形でオリジナリティを主張しようとする。しかし、法的な制限もあるため、ボディについては基本的なデザインを変更することができず、あまり大きくイメージを変えることはできない。これに対し、海外ではボディの交換が許されているため、さまざまなサードパーティが主要モデルの着せかえボディを販売しており、「着せかえ」がひとつの文化として定着している。「使う」ことについては世界をリードしてきた日本の携帯電話市場だが、「デザインで遊ぶ」「個性を主張する」という点については必ずしも世界のトップとは言えないようだ。
一昨年末、そんな状況を変える1台のケータイが国内で発売された。昨年前半、大ヒットとなったauのソニー製端末「C406S」だ。折りたたみボディのトップパネルを着脱式にすることにより、自分の好みに応じて、パネルを交換できる「着せかえ」というコンセプトを打ち出し、携帯電話の新しいトレンドを作り出そうとした。昨年のトピックと言えば、J-フォンの写メールが挙げられるが、デザインという観点から見れば、やはり、着せかえが最大のトピックだったと言えるだろう。
今回紹介するauのソニー・エリクソン製端末「C1002S」は、C406Sの着せかえコンセプトを継承しながら、従来とはまったく異なるセンスでまとめられたモデルだ。C100xシリーズは昨年末にラインアップを一新したcdmaOne端末の中で、話題の次世代サービスには対応しないものの、最もコストパフォーマンスが高い普及モデルとして位置付けられている。
また、C1002Sはもうひとつ違った意義を持つ端末でもある。それは「ソニー・エリクソン」ブランドとしての初の端末ということだ。ノキアなどと並び、世界を代表する携帯電話関連メーカーであるエリクソンは、昨年10月、ソニーと携帯電話端末の開発や製造を行なう合弁会社「ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ」を設立しており、国内の事業者向けに端末の供給を開始している。C1002Sは同ブランド第1弾の記念すべき製品であり、SONYファン、ERICSSONファンにとっても見逃せない端末というわけだ。
洗練されたコンパクトボディ
製品の細かい仕様などについては、auやソニー・エリクソンの製品情報ページ、「ケータイ新製品SHOW CASE」を参考にしていただきたい。ここでは筆者が購入した端末を試用感を中心にお伝えしよう。
まず、ボディは折りたたみデザインを採用しているが、従来のC406Sがやや厚めのボディだったのに対し、C1002Sはボディの前後にうまく曲線を使いながら、全体的にコンパクトなボディにまとめ上げている。トップパネルは着脱式の着せかえパネルを装備し、そのすぐ上にはauのロゴが入ったエンブレムを装備する。背面には大口径18mmのスピーカーを内蔵し、着信メロディなどを小気味よく鳴らす。
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ボディは折りたたみデザインを採用。非常にコンパクトで、SO211iやP211iと同クラス。
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背面のスピーカーは18mm口径とかなり大きい。
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C1002Sのボディデザインでアクセントになっているのは、中央の蝶つがい(ヒンジ)部分に備えられた大きな着信LEDだ。最近は着信LEDに工夫を凝らす端末が増えているが、C1002Sの着信LEDは24色に光るだけでなく、ボディデザイン上のインパクトになっている点はかなり目を引く。また、折りたたみボディを閉じた状態でも開いた状態でも着信LEDを確認できるようにしているのはうれしいところだ。NTTドコモのソニー製端末「SO210i」に似ていると見る向きもあるようだが、全体的にC1002Sの方が高級感があり、普及モデルには見えないほどの仕上りとなっている。ちなみに、ソニー・エリクソンではC1002Sのデザインを「プレステージデザイン」と位置付けている。
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ヒンジの部分に装備された着信LED。ボディの開閉に関わらず確認ができる。
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点滅もなかなか派手で楽しい。次期モデルでは横に流れるように点滅したりして(笑)。
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液晶ディスプレイは6万5536色表示が可能なTFTカラー液晶を備え、ディスプレイ下には着せかえパネルと同じように、「Sony Ericsson」のロゴがあしらわれている。液晶サイズはあまり大きくないが、従来モデルのような発色のクセがなくなり、デジタルカメラで撮った写真などを待受画面に設定しても十分、見られるレベルとなっている。欲を言えば、幅広い層に受け入れられるようにするために、もう少しフォントを大きめにした方が良いのではないだろうか。
ボタン類はおなじみのセンタージョグを中央に備え、左にメールキー、右にEZキーを備える。センタージョグはC413Sで採用された少し角の取れたものを継承しており、操作感もある程度、手応えのある仕様になっている。C406Sでは凹凸のあるテンキーを採用していたが、C1002Sではキーの面がフラットになり、キートップがわずかに浮き上がるようなデザインになっている。手の大きさによって印象は異なるが、個人的にはボディの幅が狭くなった分、ややタイピングで指が疲れる印象が残った。また、ボタン部の両サイドにはプロテクターのようなパーツがついているのだが、どうもこのパーツが原因で、タイピング時にきしみが感じられた。
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120×160ドット表示が可能な6万5536色TFTカラー液晶を採用。全体的に明るく、視認性も良好。
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ボタン類はフラットな面に合わせてレイアウト。キーピッチはC406Sとほぼ同等だが、周囲が狭くなったため、少し指使いに慣れが必要。
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進化した「着せかえ」というお楽しみ
昨年末にauが発売した新ラインアップのうち、C100xシリーズは「GPSケータイ」や「ムービーケータイ」には属していないが、C1002Sは現在の携帯電話の基礎となる機能をしっかり充実させている。
まず、日本語入力にはソニー製端末の特長とも言える予測変換機能「POBox」が採用されているが、新たに方言や固有名詞などが強化されている。POBoxとセンタージョグ機構のマッチングは個人的にも非常に気に入っているのだが、EZweb対応ページのフォームなどに入力するとき、POBoxが使えず、通常入力になってしまうことがある。これが端末の機能による制限なのか、対応ページの記述によるものなのかはわからないが、POBoxの優位性を活かすためにもぜひ改善してもらいたい。
着信メロディは従来通り、16和音対応だが、背面に大口径のスピーカーを装備したことにより、しっかりと着信メロディが鳴るようになった。収録曲はC1002Sでキャラクターとして採用されている「AIBO」のメロディなどが目新しいが、やはり、今年は「FIFA Anthem」あたりが個人的にグッと来る(笑)。
その他には、着信履歴からメールを作成したり、受信メールから電話が掛けられる「EVリンク」、電波を出さないようにできる「パーソナルモード」、メール一覧画面でのソートや色付けなどの機能が搭載されている。また、ソニー製端末では従来からキャラクター設定機能が搭載されているが、C1002Sでは「AIBO」が採用されている。
さて、注目の着せかえ機能だが、C1002Sではボディと同系色の3枚のパネルが付属している。C406Sでは男女それぞれに合わせたパネルが付属していたのに対し、今回は付属パネルがユニセックス化されており、男性でも女性でも3枚のパネルを使いこなすことができそうだ(好みに合えばの話だが)。パネルも着脱が容易になっており、C406Sのときのように「あ~、もしかしたら割れるかも……」といった感覚で外さなくても済む。
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現在販売されているオプションパネル13種類。限定生産なので、C1002Sユーザーは早めにゲットしておきたい。
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パネルは親指1本でも着脱ができる。この手軽さなら、いつでも「着せかえ」ができる。
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また、C406Sではオプションで着せかえパネルを販売する計画があったが、実際には一部のauショップなどでクリアパネルとシールを組み合わせた販促品が提供されたくらいで、あまり派手な展開は見られなかった。しかし、C1002Sでは個性的な13タイプのパネルがオプションとして販売されており、個性的なケータイを演出しやすくしている。このオプションパネルにはパネル上にフェイクファーやフェイクレザーを貼り付けたものがあり、新たにケータイの質感までも着せかえようとしている。このあたりの演出は他のケータイで味わえない楽しみだ。
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ホワイトのボディに「ハイビスカス」のブルーを組み合わせ。夏らしい感じ。
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オレンジのボディに「ハート」のオレンジを組み合わせ。かわいい女のコ向き。
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ブラックのボディに「フェイクファー」のゼブラを組み合わせ。冬のデートはコレ?
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オレンジのボディに「フェイクレザー」のゴールドを組み合わせ。とにかくインパクトは強烈。
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クリアパネルのおかげで、筆者が愛用していたC406Sはこんな姿に。
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余談だが、筆者はC406Sを使っていたとき、前述のクリアパネルに「au by KDDI」のロゴシールを組み合わせて遊んでいたが、「そんなパネル、どこで手に入れたんですか?」と質問されたことが何度かあった。今回のC1002Sでも一部がクリアになったパネルが標準で添付されているが、もし、可能であれば、オプションで販売されるパネルに、C406Sのときと同じような全面クリアのパネルを加えてもらえないだろうか。まったくのクリアであれば、「自作パネル」という新しい楽しみが広がるからだ。
ケータイで自己主張したい人は「買い」
さて、最後に「買い」の診断をしてみよう。C1002Sはauが昨年末から開始した「次世代ケータイ」のサービスには対応しないものの、「着せかえ」という独自のコンセプトを上手に進化させており、個性を主張したいユーザーのための端末としてまとめられている。オプションの着せかえパネルも販売されており、ケータイをファッションアイテムのひとつとして楽しむことも可能にしている。
C1002Sが「買い」か否かを判断するポイントは、やはり、「ezplus」「GPSケータイ」「ムービーケータイ」という次世代サービスを利用するかどうかだろう。順当に考えて、今後、次世代サービスに対応したソニー・エリクソン製端末が登場してくることは容易に予想できるため、次世代サービスに興味があるなら「待ち」だろう(何カ月後になるのかはわからないが……)。逆に、これらのサービスについては「まだ様子見」ということであれば、「買い」と考えても問題ない。特に、POBoxとセンタージョグを核にしたメール周りの使い勝手は、マルチタップ入力になじめないユーザーにとって、非常にうれしいものであり、この操作環境を得るだけでもC1002Sは「買い」と言える。
また、着せかえケータイという魅力も他機種にはないものであり、これも十分に「買い」の要素だ。特に、今回のモデルはフェイクファーやフェイクレザーなど、質感までも着せかえてしまうという新しいコンセプトを具現化しており、新しいケータイファッションのトレンドを作り出そうとしている。
これらの点を総合して考えると、C1002Sはメールや通話といった携帯電話の基本機能とファッション性を重視するユーザーのためのものということになる。少なくともデザイン性や質感、仕上りの良さはcdmaOne端末随一のものであり、非常に満足感の高い端末と言えるだろう。
・ ニュースリリース(KDDI)
http://www.kddi.com/release/2001/1108/index.html
・ 商品情報(au)
http://www.au.kddi.com/phone/cdmaone/c1002/c1002.html
・ 製品情報(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ)
http://www.sonyericssonmobile.jp/product/au/c1002s/index.html
・ C1002Sユーザーキャンペーン「ケータイキャリングポーチプレゼント」
http://www.sonyericssonmobile.jp/product/au/c1002s/f_cmpn.html
・ C1002S(オレンジ)
・ 着せ替え可能なソニー・エリクソン製EZweb@mail端末「C1002S」
・ ソニー・エリクソンのEZweb@mail端末「C1002S」12月22日発売
・ 着せかえケータイ「C1002S」がソニービルでファッションショー
(法林岳之)
2002/02/21 12:19
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