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遊びのテイストを加味したタフなケータイ「C452CA」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、メール端末、PDAまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindows XP基本編」「できるADSL フレッツ・ADSL対応」「できるZaurus」「できるVAIO Windows XP版」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。iモード用EZweb用J-スカイ用、H"LINK用(//www.hourin.com/H/index.txt)を提供。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


ezplus対応第2弾モデル

 NTTドコモのiアプリ、J-フォンのJavaと並び、auもezplusという名称でJavaコンテンツを提供している。すでに対応端末第1弾として「C451H」が販売されているが、これに続き、CASIO製「C452CA」の販売が開始された。ヘビーデューティケータイとして着実な支持を集めるCASIOのG’zOneシリーズに、ezplusを搭載することによって、どのように進化したのだろうか。筆者も実際に端末を購入してみたので、早速、レポートをお送りしよう。


G’zOneケータイ+ezplus=?

C452CA

 au『C451H』。サイズ:47(W)×126(H)×24(D)mm、107g。シルバー(写真)、ブラック、ホワイトをラインアップ。
 今年の携帯電話のトレンドとして、最も注目されているのがJavaだ。NTTドコモ、J-フォンに続き、auも「ezplus」という名称でサービスの提供を7月から開始している。対応端末としては、すでに日立製「C451H」が販売され、本コラムでもレビューを掲載しているが、ezplusの発表会において、C451Hとともに展示されていたのが今回紹介するCASIO製端末だ。

 CASIOのケータイと言えば、cdmaOneのサービス開始以降、G’zOneと呼ばれる耐水・耐衝撃性能を持つ「C303CA」「C311CA」「C409CA」が販売されてきた。折りたたみデザインやカラー液晶搭載というトレンドに流されることなく、デザインやテイスト、ハードウェア的な機能によって、着実に支持を獲得してきた珍しいシリーズと言えるだろう。

 今回の「C452CA」も同じG’zOne性能を継承しながら、ezplusを搭載することにより、新しい進化を遂げようとしている。しかし、「タフネス」「ヘビーデューティ」という形容詞で語られてきたラインアップがなぜ、ezplusという新しい要素を取り込んできたのだろうか。筆者自身もezplusの発表会の席で「え? なんでezplus対応第2弾がCASIOなの?」と驚いてしまったくらいだ。

 また、Javaコンテンツ対応端末という切り口で見た場合、auはJ-フォン同様、まだまだ端末の選択肢が少なく、コンテンツもこれから充実するという状況だ。対応端末第1弾として発売されたC451Hはストレートデザインの定番的なものだが、C452CAは今までの流れから見ると、個性的なケータイという印象が強い。C451HとC452CAがどのように違い、どちらの端末がどんなユーザーに適しているのかも気になるところだ。このあたりを踏まえながら、C452CAについて見てみよう。


ヘビーなテイストをやや抑えたボディデザイン

ボタン

 センターキーを一体化したカーソルキーを中央に配し、左右に[メール]キー、[ez]キーが並ぶ。右下には[ezplus]キーも備える。
 製品の細かいスペックなどについては、auやCASIOの製品情報ページ、ケータイ新製品SHOW CASEを参考にしていただくとして、筆者が実際に購入した端末を触り、得られた印象を中心に紹介しよう。

 まず、ボディデザインは、従来のG’zOneシリーズと同じストレートタイプだが、ややデザインのテイストが異なる。C409CAなどが同社の腕時計「G-SHOCK」のデザインを活かしたカッチリしたものであるのに対し、今回のC452CAは同じテイストを持ちながら、やや曲線を活かしたデザインを採用している。特に、中央の液晶周りのリング部分は円から角の取れた四角形にデザインが変更され、全体的な印象をやや柔らかくしている。

 ボタン類はカーソルキーと決定操作を行なうセンターキーを一体化したものを液晶下に配し、左上に[メール]キー、右上に[ez]キーを並べている。ダイヤルキーはC409CAが角張ったものを採用していたのに対し、C452CAは液晶周りのリング同様、やや角が取れたデザインを採用している。また、C452CAには同じezplus対応端末のC451Hになかった[ezplus]キーが右下に配されており、ezplusのアプリケーション画面をワンタッチで呼び出せるようにしている。

 液晶ディスプレイは120×133ドット表示が可能なカラー液晶を採用。サイズはC409CAと同じだが、ガラス面から液晶面までの距離や周囲のリングの形状が変更されたためか、やや見やすくなった印象も受ける。待受画面にはC409CAで好評を得たG-SHOCKデザインのものが12種類も用意されており、G’zOneオリジナルサイトでもG-SHOCKデザインのezplusアプリケーションが配布されている。

 G’zOne性能に関しては、改めて説明するまでもないが、現在、国内で販売されているケータイの中では最もヘビーな使い方ができるものだ。ちなみに、C452CAのカタログでは女性が風呂のバスタブに浸かって端末を浸かっている写真を掲載しており、カタログには「水に強いから、オフロで使える」というキャッチコピーも使われている。前述のボディデザイン変更と考え合わせると、今回のC452CAはC409CAよりも女性に使ってもらいたいという意思表示なのかもしれない。


液晶 オリジナルサイト
 液晶ディスプレイは従来と同サイズだが、若干、明るさも増した印象だ。  G’zOneオリジナルサイトではG-SHOCKデザインの待受アプリケーションが提供されている。

ezplusアプリケーションをプリインストール

電車でGO! 江ノ電編

 プリインストールされている「電車でGO! 江ノ電編」はC452CAオリジナル。
 続いて、機能面を見てみよう。基本的な機能はC409CAから継承されているが、やはり、最も注目したいのはJavaコンテンツのezplusだろう。

 ezplusそのものについては、C451Hのレビューや大和哲氏の『ケータイ用語の基礎知識』を参照していただきたいが、C451Hと最も異なるのは出荷時にアプリケーションがプリインストールされている点だ。モバイルエージェント機能を活用したバンダイネットワークスの「スキスキペアキャラ!」、タイトーの「電車でGO! 江ノ電編」、サミーのタイピングソフト「特打アプリ」の3本が収録されており、それぞれを自由に遊ぶことができる。Java対応端末にアプリケーションをプリインストールするケースはそれほど珍しいことでもないが、本格的なezplusアプリケーションをプリインストールした点は評価できるだろう。また、「電車でGO! 江ノ電編」のように、C452CAでしか楽しむことができないアプリケーションを提供しているのもユーザーとしてはうれしい点だ。なお、C452CAではezplusのアプリケーションを1本あたり50KBで計算した場合、最大13本まで保存することができる。現時点では十分なメモリサイズと言えるだろう。


メニュー画面 アイコンのカスタマイズ
 センターキーを押したときに表示されるメニュー画面。  アイコンをカスタマイズすると、ご覧の通り。

背面

 G’zOne性能のためにバッテリーは大きなネジで止められている。C409CAで採用されたバックル用コネクタはなくなり、一般的なストラップの穴に変更されている。
 また、機能面では[センター]キーを押したときに表示されるメニュー画面のアイコン類を選ぶことができる「お好みアイコン」という機能が提供されている。アイコンはあらかじめ3種類が登録されており、バンダイネットワークスの「まちうけキャラゲッター」や前述のG’zOneオリジナルサイトから追加アイコンをダウンロードして利用することも可能だ。さらに、3つを自分がよく利用する機能をメニュー画面の3つのアイコンに割り当てられる「ショートカット機能」、メニュー画面中央上のアイコンから呼び出せる「マイ機能メニュー」なども用意されており、使い勝手を向上させている。

 着信メロディは従来通り、16和音対応だが、出荷時にはあまり目新しい着信メロディや効果音が登録されていない。その代わりというわけでもないが、ダウンロードメロディを最大50曲まで登録できるようにしている。着信メロディをいろいろ試してみたいユーザーには心強いスペックだ。

 個人的に残念に感じられたのは、C409CAで採用されていたバックルタイプのストラップがなくなっている点だ。C452CAでは本体上部中央に他製品と同じようなストラップ用の穴が空いている。腰下げスタイルはあまり似合わないという判断なのかもしれないが、G’zOne性能を表わすアイテムのひとつとして、復活を期待したいところだ。


「折りたたみG’zOne」も期待したい

C409CA

 前モデルのC409CA。同じG’zOneケータイでありながら、C452CAとC409CAを見比べると、かなり印象が異なる。C409CAが直線的なデザインで強さを打ち出しているのに対し、C452CAは曲線を上手に使いながら柔らかめのデザインを採用している。
 さて、最後に「買い」の判断をしてみよう。G’zOne性能という他製品にはない特長を持つCASIO製端末だが、C452CAではG-SHOCKテイストを少し和らげることにより、幅広い層に対して受け入れられそうな端末として仕上げられている。「タフ&キュート」というキャッチコピーやボディカラーにホワイトを採用したモデルをラインアップしていることからもわかるように、女性ユーザーも十分に意識しており、従来のC409CAとは違った人気が出ることになりそうだ。

 まず、従来のC409CA、C311CA、C303CAなどを使ってきたユーザーについては、G’zOne性能やG-SHOCKデザインに対して、どれだけ思い入れがあるのかによって判断が分かれる。思い入れがあるのなら、G-SHOCKデザインのテイストを薄めたC452CAは見送りになりそうだが、あまり思い入れがないのであれば、ezplusに興味があるユーザーに限って、おすすめできるという印象だ。個人的には、G-SHOCKデザインで評価した場合、MAKKAやMAKKIなどのモデルも販売されたC409CAの方が魅力的だと見ている。

 逆に、耐水・耐衝撃性能には興味はあるが、従来のG-SHOCKデザインはややゴツすぎて持ちにくかったというユーザーには、C452CAはおすすめできる端末だろう。G-SHOCKデザインのテイストを薄めたことにより、カジュアルなファッションの女性が持っても違和感がないデザインにまとめられている。もちろん、男性にもおすすめできる。

 ただ、auの端末のラインアップとして見た場合、今回のC452CAがezplus対応第2弾である理由は、今ひとつ理解できない。もちろん、開発の進み具合いなども関係しているのだろうが、ストレートデザインのC451Hが第1弾なら、第2弾は大画面液晶の折りたたみデザインの端末が欲しかったところだ。

 また、CASIO製端末には従来から主張してきたG’zOne性能という個性があるのに、敢えてezplusにいち早く対応しなくても良かったという印象も残った。デザイン的にはヘビーデューティ派向けのC409CA、カジュアル派向けのC452CAという棲み分けを考えたのかもしれないが、そこにezplusが必須になる理由はあまり見あたらない気がする。もし、G’zOneケータイにezplusを搭載するのであれば、CASIO製端末ならではのezplusアプリケーションを搭載して欲しかった。G’zOneオリジナルサイトで提供されている「G-SHOCKデザインの待受アプリケーション」だけでは、ちょっと物足りないのだ。むしろ、個人的にはezplusを搭載するのであれば、折りたたみデザインの端末があふれている現状に対して、CASIOが考える「折りたたみG’zOneケータイ」を示してもらいたかった。


・ C452CAニュースリリース(KDDI)
  http://www.kddi.com/release/2001/0625/index.html
・ C452CA製品情報(KDDI)
  http://www.au.kddi.com/phone/cdmaone/c452/c452.html
・ C452CAニュースリリース(カシオ)
  http://www.casio.co.jp/release/c452ca.html
・ C452CA製品情報(カシオ)
  http://www.casio.co.jp/gzone/c452ca/

C452CA(シルバー)
au、Java対応の新端末「C451H」を7月4日発売
第55回:ezplusとは
ezplus対応端末第1弾「C451H」で誰と遊ぶ?
ヘビーな個性でキメる「C409CA」


(法林岳之)
2001/08/28 10:49

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