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レザーが演出する上質なラグジュアリーケータイ「DOLCE SL」
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NTTドコモ／シャープ『DOLCE SL（SH902iSL）』、サイズ:51（W）×109（H）×23（D）mm、120g。エレガンスホワイト（写真）、プレシャスレッド、エクストラブラックをラインアップ
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昨年、らくらくホンとは違った「オトナのケータイ」として発売されたシャープ製端末「DOLCE」。その後継モデルとなる「DOLCE SL」が発売された。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。
【この端末のチェックポイント】
- ラグジュアリーデザイン
- ベールビュー液晶＆セキュリティ
- 基本機能をチェック
- こんなユーザーにおすすめ
■ ラグジュアリーデザイン
9,000万契約を超えるところまで成長した日本のケータイ市場。これだけ数が増えてくれば、ユーザーのニーズは細分化し、それに応えるための個性的なケータイが登場してくる。たとえば、シニア向けに発売されている「らくらくホン」シリーズもそのひとつだ。しかし、らくらくホンでは満足できないユーザー層が存在することも確かで、そこに対する解として、NTTドコモは昨年、人工皮革をボディの外装に利用し、質感を追求した「DOLCE」を発売した。さすがに、らくらくホンほどの大ヒットを記録したわけではないが、シニアにも使える「オトナのケータイ」という新しいジャンルを生み出した。
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従来のDOLCE（左）に比べ、幅が狭くなり、長くなったことで、全体的にスリムになった印象
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DOLCE SLはボタン部背面側もトップ側と同じカラーで統一された。中央にはおサイフケータイのロゴが描かれている
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今回紹介するシャープ製端末「DOLCE SL」は、その後継モデルに位置付けられる端末だ。人工皮革を利用した外装ボディは継承されているが、機能や対応サービスをグレードアップし、「オトナのためのラグジュアリーなケータイ」へと進化させている。FOMAの端末ラインアップでの位置付けも大きく変わり、従来のDOLCEの型番が「SH851i」という企画端末という存在だったのに対し、今回のDOLCE SLは「SH902iSL」という型番が与えられ、FOMA new9シリーズの1機種という位置付けになっている。
また、DOLCE SLはその型番からもわかるように、SH902iSの双子モデル的な存在として開発されており、音楽再生時間や内蔵カメラは異なるものの、基本的にはほぼ共通のスペックやソフトウェアを搭載している。7月に発表されたSH702iSも外装パーツなどが異なるものの、こちらも基本的にはDOLCE SLやSH902iSに近いスペックとソフトウェアを搭載しており、DOLCE SL、SH902iS、SH702iSの3モデルは事実上、三兄弟モデルのような関係になっている。
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液晶ディスプレイ側の側面のフレームはボディカラーによって異なる。写真のエレガンスホワイトはメタル調
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ボディについては、従来のDOLCEがトップパネル側に人工皮革が使われ、ツートンカラーだったのに対し、DOLCE SLではブラック、ホワイト、レッドを基本にした単色デザインになっている。ただ、カラーによって、側面のフレームデザインが違い、エクストラブラックは水圧転写木目調、プレシャスレッドとエレガンスホワイトはメタル調フレームが装備されている。木目調フレームとレザーの組み合わせは、高級乗用車の内装パネルのような雰囲気を持つ。
ボディサイズそのものは従来のDOLCEと比べ、わずか1～3mm程度しか違わないが、厚さが約3mm薄くなり、ヒンジ部分のデザイン処理が変わったこともあり、全体的にスリムになった印象だ。
■ ベールビュー液晶＆セキュリティ
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右側面の［音楽／視野切替］ボタンを押すと、すぐに視野の切り替えが可能。マナーモードに連動させる設定もできる
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昨年、発売されたDOLCEは、視野の切り替えが可能なベールビュー（VeilView）液晶をはじめて搭載し、注目を集めたが、ベールビュー液晶はその後、SH902i、SH902iSにも受け継がれ、今回のDOLCE SLにも搭載されている。視野の切り替えは右側面の［音楽／視野切替］ボタンを押すだけだが、マナーモードに連動させる設定も可能だ。
視野の切り替えパターンも代を追うごとに、少しずつ変化しており、DOLCE SLではSH902iSと同じように、幾何学パターン、文字パターンがそれぞれ濃淡で2種類ずつ、動きのある連続パターン切り替えの合計5種類から選べるようになっている。
ベールビュー液晶の視野切り替えについては、実際に使ってみないと、なかなかそのメリットが理解しにくいが、やはり、電車の中やカフェなど、他人にのぞき込まれるかもしれない環境でもワンタッチで視野を切り替えられるため、ある程度、安心してケータイを使うことができる。
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ダイヤル発信制限、PIMロック、ICカードロックを一度に設定できる「まとめて簡単ロック」を搭載
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液晶ディスプレイしたの光るワンタッチキーの［III］ボタンで、まとめて簡単ロックを設定可能（出荷時設定）
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また、DOLCE SLにはおサイフケータイに対応していることもあり、新たにセキュリティを確保するための「まとめて簡単ロック」という機能が追加されている。まとめて簡単ロックは、メールや電話帳などの個人情報へのアクセスを制限する「PIMロック」、電話帳やリダイヤルを使った発信のみができる「ダイヤル発信制限」、FeliCaをロックする「ICカードロック」をワンボタンで一度にロックできる機能だ。
出荷時設定ではメインディスプレイ下にある光るワンタッチキーの［III］ボタンを押し、［はい］を選べば、設定は完了する。まとめて簡単ロックがされた状態で、［電話帳］ボタンや［メール］ボタン、［iモード］ボタン、［カメラ］ボタンを押すと、暗証番号の入力を促す画面が表示され、正しい暗証番号が入力されると、それぞれの画面が表示されるしくみだ。ロック状態を解除するときは、光るワンタッチキーの［III］ボタンを押し、暗証番号を入力するだけ。待受中に省電力モードに移行したり、端末を閉じたとき、自動的にまとめて簡単ロックが設定されるようにすることも可能だ。
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まとめて簡単ロックを設定しようとすると、発着信履歴やメールの送受信履歴が削除される
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ICカードロックはFULL MENUから選択しなければ、ON/OFFすることができない
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手軽にセキュリティが設定できるまとめて簡単ロックだが、気になる点もいくつかある。たとえば、PIMロックをする関係上、設定時に発着信履歴やメールの送受信履歴などが削除されてしまう。設定後、継続してまとめて簡単ロックを使い続けるのなら、それほど問題にならなさそうだが、何かの拍子にロックを解除してしまうと、再設定時に再び、発着信履歴などが削除されてしまう。どちらかと言えば、履歴情報を削除するのではなく、隠すようなアプローチの方が使いやすいのではないだろうか。
まとめて簡単ロックが設定されているとき、暗証番号を入力して、受信メールの一覧画面を表示すると、PIMロックが動作しているためか、差出人の表示が電話帳に登録されている名前ではなく、リアルなメールアドレスがそのまま表示されてしまうのも少し気になる。
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まとめて簡単ロックを設定すると、各機能を呼び出すとき、暗証番号の入力を促す画面が表示される
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また、まとめて簡単ロックは前述の3つのロックがセットで設定されるもので、各機能を呼び出すときに暗証番号を入力すれば、個別にロックを解除できるのだが、3つのロックの内、ICカードロックは後述する「FULL MENU」の設定メニューから項目を選ばないと、解除することができない。つまり、出荷時設定の基本メニューではまとめて簡単ロックそのものを解除しない限り、おサイフケータイを利用できないわけだ。ここで再び、まとめて簡単ロックの解除、再設定時の履歴情報の削除という問題が絡んでくる。おサイフケータイを利用するかどうかにもよるが、もう少しICカードロックの解除メニューを呼び出しやすくするか、まとめて簡単ロックに含ませるか否かを選べるようにした方が良かったのではないだろうか。DOLCE SLだけでなく、SHシリーズはICカードロックの解除に、もうひと工夫が欲しいところだ。ちなみに、DOLCE SLはSH902iSに搭載されている「顔認証機能」が搭載されていない。
■ 基本機能をチェック
次に、基本機能について、チェックしてみよう。元々、従来のDOLCEはらくらくホンの使いやすいコンセプトを受けながら、求められる機能を着実に搭載していたが、今回のDOLCE SLはSH902iSやSH702iSなどと兄弟モデル的な位置付けで開発されているため、少し趣が異なる。
【メニュー画面】
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出荷時設定の「基本メニュー」は選択できる項目も絞り込まれたビギナー向けを意識した内容
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「FULL MENU」はSH902iSなどと同じように、基本的にすべての機能を呼び出したり、設定したりできる
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［SHORTCUT］メニューにはユーザーがよく利用する機能などを登録できる。ICカードロックやセルフモードを登録しておくと便利だ
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メニュー画面はテキストとアイコンを組み合わせた一覧形式の「基本メニュー」が標準で、［iモード］ボタンで「メニュー切替」を選択することで、マトリクス表示の［FULL MENU］、ユーザーの好みに応じて、機能を登録できる［SHORTCUT］メニューに切り替えることができる。基本メニューは選択できる機能が絞り込まれており、あまりケータイになじみのないユーザーにも使いやすくしている。ただ、前述のように、一部の機能はFULL MENUでしか設定できない。
【画面カスタマイズ】
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iチャネルのテロップ表示をカスタマイズすることが可能。待受画面と背景の色を合わせると、表示も落ち着いて見える
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テーマに基づいて、メニュー画面などを一括してカスタマイズすることもできる
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画面カスタマイズ機能により、テーマに基づいて、メニュー画面などを一括カスタマイズすることも可能だ。ちなみに、追加用のカスタマイズデータはシャープのメーカー公式サイト「SH-MODE」からダウンロードできる。
DOLCE SLはiチャネルに対応しているが、SH902iS同様、テロップの文字サイズを3段階、色設定が9種類、テロップの表示速度も3段階で設定が可能だ。表示そのものについてもON/OFFの設定が可能で、サブディスプレイへの表示も設定できる。現時点でiチャネルのテロップ表示をもっともカスタマイズできる環境と言えるだろう。
待受画面ではメインディスプレイに表示される電波マーク、電池マーク、右上の時計のフォントもカスタマイズ可能だ。出荷時にはそれぞれ3種類のデータがプリインストールされているが、ダウンロードしたデータの登録にも対応する。
【メール】
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メールは自動振り分けに対応。メールアドレスや題名などの条件を設定できる
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メールは特定のフォルダにセキュリティを設定できる。トルカのフォルダも同様の設定が可能
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メールはフォルダによる管理、メールアドレスやグループ、題名、電話帳登録なしなどの条件により、自動振り分けに対応する。条件設定後の再振り分けには対応しない。フォルダごとにロックが掛けられるフォルダセキュリティも設定可能だ。メールボタンのダブルクリックによるメールの問い合わせなど、SHシリーズでおなじみの機能も継承されている。表示されているメールは液晶ディスプレイの下の光るワンタッチキーの［III］ボタンを押すことで、文字サイズを大きく表示できる。
デコメールは従来のDOLCEで受信のみの対応だったが、DOLCE SLは基本的に902iSシリーズと同等のため、送受信ともに利用でき、テンプレートによるデコメール作成にも対応する。
【日本語入力】
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ボタン類のレイアウトは基本的にSH902iSなどと同じ。方向キー部分にも人工皮革が使われている
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日本語入力はケータイ Shoin4が搭載されている。先般、日本語入力の不具合が報告されていたが、すでにソフトウェア更新も開始されており、現状ではトラブルなく、利用することができる。絵文字や顔文字への変換、ダウンロード辞書、カナ英数変換などにも対応する。
【液晶ディスプレイ】
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サブディスプレイは時計表示のサイズを大きく設定できる
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サイドキーを押すと、iチャネルもテロップ表示される
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液晶ディスプレイは前述の通り、メイン側はQVGAサイズの表示が可能な2.4インチベールビュー液晶を搭載する。サブディスプレイは96×26ドットの表示が可能な1インチモノクロSTN液晶だが、iチャネルの情報を表示できるほか、時計表示も大きく、非常に視認性が良い。
【カメラ】
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カメラはボタン部背面に装備。オートフォーカスは非対応。カメラ部横の切り替えスイッチで接写に対応
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1280×960ドットサイズで撮影したサンプル画像。リンク先は無加工。（モデル：篠崎ゆき／スーパーウイング所属）
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カメラはメイン側がボタン部背面に131万画素CMOSイメージセンサ、イン側がメインディスプレイ右上に11万画素CMOSイメージセンサを搭載する。オートフォーカスには対応してないが、メインカメラはカメラ部横に接写切り替えスイッチを備える。待受サイズ（240×320ドット）以下に限られるが、連続画像を重ねながら合成できるオーバーラップ連写にも対応しており、ゴルフのスイング撮影などに活用できる。
撮影した画像は本体メモリおよびminiSDカードに保存できる。画像編集は画面を左右に分割表示して、効果前と効果後の画像を見比べながら編集できるスピーディラボが用意されている。
【音楽再生】
SD-Audioに対応しており、SD-Jukeboxで取り込んだ音楽を再生できる。SD-Jukeboxは付属しないため、発売元のパナソニックの直販サイト「パナセンス」などで購入するか、同等機能を持つニフティの音楽配信「MOOCS」用のSD-Jukeboxを利用する。iTunesで音楽CDから取り込んだノンセキュアのAAC形式の音楽ファイルも再生可能。ただ、音楽再生支援機能は搭載されていないため、音楽の連続再生は170分にとどまる。
【対応サービス】
DOLCE SLは着もじや電話帳お預かりサービス、おまかせロックなど、FOMA向けに新たに提供された新サービスに対応する。同時に発表されたFOMA new9シリーズの中で比較すると、各社の902iSシリーズとほぼ同等の対応状況だ。
【その他】
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ヒンジ部には赤外線通信ポートを内蔵。高速通信が可能な「IrSimple」に対応する。従来方式とも問題なく、通信ができる
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新しい機能としては、SH902iSにも搭載されている高速赤外線通信「IrSimple」に対応する。SH902iSのレビューでも触れたが、約800KB程度の画像もほんの2～3秒で転送できる。画像などを頻繁に転送したいユーザーには便利な機能のひとつだ。今のところ、対応機種はSH902iSとDOLCE SL、SH702iSに限られており、周辺機器では富士フイルムからケータイプリンタ「Pivi MP-300」が発売されたばかり。今後の対応機種及び対応周辺機器の充実が期待される。
■ レザーのラクジュアリー感を狙うなら「買い」
最後に、DOLCE SLの買いのポイントに考えてみよう。やさしい使いやすさをベースにしながら、人工皮革をボディにまとうことで、今までのケータイとは違ったラグジュアリー感を演出したのがDOLCE SLだ。従来のDOLCEにも増して、「カッコいいオトナのケータイ」に仕上がった印象だ。今回のDOLCE SLは従来のDOLCEと違い、SH902iSやSH702iSをベースにしており、機能的にはほとんど不足を感じないほど、ハイスペックの端末に仕上げられている。他のFOMA new9シリーズと比べても最新サービスに対応しており、安心して使うことができる。FeliCaを搭載し、おサイフケータイとして利用できるのも幅広いユーザーにとって、メリットだろう。
これらのことを総合すると、DOLCE SLを「買い」と言えるのは、レザーによる上質なイメージのケータイが欲しいユーザー、デザインと機能をバランスさせたケータイを求めるユーザーということになる。兄弟モデルとも言えるSH902iSとの機能差も少ないため、音楽とカメラ機能で、SH902iSほどのハイスペックを望まないのであれば、かなり魅力的な端末だ。実際に、筆者の周りの業界関係者でも「902iSシリーズとほぼ同等だから、今回はDOLCE SLにしようかな」といった声が多かったのも事実だ。デザイン的にもレザーを利用したケータイは着せかえなどの特殊なものを除けば、他に例がなく、個性を主張したいユーザーにとっても魅力的な端末と言えるだろう。年齢的にもかなり幅広いユーザー層におすすめできる仕上りだ。
上質なイメージでうまくまとめられた感のあるDOLCE SLだが、従来のDOLCEに比べ、らくらくホンのコンセプトをベースにした使いやすさが若干、弱まってしまったのが気になる点だ。昨年、別コラムの「アイ，シニア？」でも触れたが、シニア層をターゲットにした商品のバランス取りは非常に難しい。
従来のDOLCEはらくらくホン的な使いやすさを維持しながら、ボディや画面でのデザインにも注力することで、「やさしい端末は欲しいけど、らくらくホンはちょっと……」というユーザーのニーズにも応えられる端末に仕上げられていた。今回のDOLCE SLも一見、同じコンセプトが維持されているようだが、実はSH902iSとSH702iSが前提にあり、そこに従来のDOLCEのコンセプトを持ち込んだようにも見える。そのため、従来のDOLCEのような使いやすさに対する作り込みに少し不足を感じるというか、今ひとつ進歩した印象が持てなかった。たとえば、ICカードロックを基本メニューから解除できない点、受信メールの差出人表示がメールアドレスになってしまう点などは、典型的な例だ。厳しい要求かもしれないが、デザイン的にもコンセプト的にも完成度の高い端末であるからこそ、もう一歩、使いやすさに対するこだわりや配慮を望みたい。
■ ＵＲＬ
ニュースリリース（NTTドコモ）
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/20060511a.html
ニュースリリース（シャープ）
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/060703-a.html
製品情報（NTTドコモ）
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/902i/dolce_sl/
製品情報（シャープ）
http://www.sharp.co.jp/products/sh902isl/
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・ アルミパネルの質感でハイスペックを包み込む「SH902iS」
（法林岳之）
2006/09/05 12:57
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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