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カメラからビジネスまで、ツカエルお役立ち機能を満載した「SH900i」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるVAIO 基本編 2004年モデル対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。(impress TV)も配信中。


FOMA 900iシリーズでもっとも注目度の高い1台

 NTTドコモがラインアップを展開するFOMA 900iシリーズ。その中でも発売前から注目を集めていた1台がシャープ製端末「FOMA SH900i」だ。202万画素カメラにオートフォーカス機構を組み合わせるだけでなく、今までのケータイにはなかった「ツカエル機能」が充実していたからだ。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。


50XiシリーズとFOMAの戦い

 2001年11月にサービスを開始したNTTドコモのFOMAは、FOMA 900iシリーズの登場により、ようやくPDC方式からの乗り換えも順調に進み始め、今月中にも500万契約を達成しそうな勢いだ。しかし、本誌読者なら、よくご存知のように、FOMAが進んできた道のりは、決して平坦なものではなかった。

 サービス開始から約2年近く、FOMAがなかなか普及しなかったのは、いくつかの要因が挙げられるが、なかでも厳しかったのが50Xiシリーズとの端末における機能差だろう。FOMAは新しい世代のサービスであるにも関わらず、従来方式の50Xiシリーズと比べ、端末の機能が明らかに劣っていたからだ。新しいサービスに乗り換えたのはいいが、端末がスペックダウンしてしまうことがあったわけだ。たとえば、日本語入力の予測変換、メールのフォルダ管理、カメラなどの機能は、50Xiシリーズなどが急速に進化したため、FOMA端末はまったく追いつけない状況が続いていた。つまり、FOMAはこの2年半近く、PDC方式のiモード端末という内なる敵と戦ってきたとも言えるわけだ。


NTTドコモ/シャープ『SH900i』。サイズ:51(W)×105(H)×26(D)mm(折りたたみ時)、132g。レッド(写真)、ブルー、シルバーをラインアップ。
 これに対し、今回のFOMA 900iシリーズは505iシリーズとほぼ同等のスペックを実現しており、ようやく機能的にも追いついてきた感がある。しかし、そんな中にあって、いち早く505iSシリーズの機能を取り込んできたメーカーがある。それが今回紹介するNTTドコモのシャープ製端末「FOMA SH900i」だ。SH900iはFOMA 900iシリーズが公開された当時から業界内の評価が高く、人気のPシリーズやNシリーズに迫るのではないかと期待された端末だ。機能的には昨年末に発売したSH505iSの機能を一部、取り込むだけでなく、ドキュメントビューアというビジネスにも活かせる機能を実現するなど、505i/iSシリーズをも一歩リードする仕上りを見せている。カメラも202万画素CCDにオートフォーカス機構を組み合わせている。実機を見ながら、その出来をチェックしてみよう。


オートフォーカス対応202万画素カメラを搭載

 製品のスペックや細かい仕様については、NTTドコモとシャープの製品情報ページ、「ケータイ新製品SHOW CASE」を参考にしていただきた。ここでは筆者が購入した端末で得られた印象を中心に紹介しよう。


背面ディスプレイの隣には三連キーが備えられている。
 まず、折りたたみデザインを採用したボディは、やや大ぶりな印象で、SH505iSのデザインコンセプトを継承している。たとえば、SH505iがメインディスプレイ側の背面にカメラを装備されていたが、SH900iではSH505iSと同じように、テンキー部側の背面にカメラを内蔵されている。ヒンジ部の背面側には赤外線通信ポート、テンキー部側の左側面にイヤホンマイク端子、右側面にminiSDカードスロットを備える。SH505i/iSではminiSDカードスロットのフタ部分との接合部に金属パーツのヒンジが採用されていたが、SH900iではゴム状のものに変更されている。金属パーツのヒンジの方が開閉時の動作はカッコいいのだが、落下時などの安全性を考えれば、SH900iのスタイルの方がベターだろう。ボディそのものの話ではないが、卓上ホルダに置き方に若干、クセがあるようで、一回で卓上ホルダに固定されないことがある。SH505iSもほぼ同様の仕組みを採用しているが、SH900iの方が収まりが悪い印象だ。


miniSDメモリーカードスロットのフタはゴム状のヒンジが採用されている。 左側面には平型コネクタのイヤホンマイク端子を装備。カバーもボディと同色。

 カメラはメイン側がテンキー部背面に装備されており、202万画素CCDを採用する。オートフォーカスに対応しており、ピントの合った画像を撮ることが可能だ。メインカメラの横にはモバイルライトが装備されている。テレビ電話などに利用するサブ側はメインディスプレイの右下に装備されており、11万画素CMOSイメージセンサを採用する。


メインカメラはテンキー部背面に備えられている。SH505iSよりもすっきりとまとめられたデザイン。

 ディスプレイはメイン側が240×320ドット/26万色表示が可能な2.4インチCGシリコン液晶パネル、背面側が120×160ドット/65,536色表示が可能な1.2インチTFTカラー液晶パネルを採用する。CGシリコン液晶はCGシリコン技術を利用したシステム液晶で、視認性の良さや高精細さはSH505iSなどでもおなじみのものだ。背面ディスプレイはSH505iSと同等スペックだが、ディスプレイ周囲のデザインが変更され、背面側のデザインもスッキリした印象だ。背面ディスプレイ横には三連キーが装備されており、背面ディスプレイの高解像度を活かし、本体を閉じた状態でメールの確認やiアプリの起動などもできるようにしている。


メインディスプレイはおなじみのCGシリコン液晶を採用。サイズも2.4インチと最大級。 背面ディスプレイは120×160ドット表示の高解像度。メールなども閲覧できる。

 ボタン類も基本的にはSH505iSのレイアウトを踏襲している。方向キーと決定ボタンを組み合わせたマルチガイドボタンを上部中央に、左上に[iモード]ボタン、右上に[カメラ]ボタン、左下に[メール]ボタン、右下に[電話帳]ボタンという構成だ。SH505i以降、採用されているアシスタントビューを起動するための[view]ボタンは、テンキー部左下にレイアウトされている。右側面に備えられた[シャッター]ボタンは、ボディから少し盛り上がった状態になっており、端末を閉じた状態でヨコ撮りスタイルをするときの操作をしやすくしている。[シャッター]ボタンを長押しすれば、カメラ機能が起動する。


ボタン類は基本的にSH505iSのレイアウトを踏襲。[view]ボタンの位置などが異なる。 側面の[シャッター]ボタンはデジタルカメラなどと同じように、半押しでフォーカスロックが可能。

 背面の三連キーは背面ディスプレイ内に対応するメニューが表示されるようになっており、メニュー内でオンラインヘルプを見ることもできる。ちなみに、ヒンジ部を右側にしたヨコ撮りスタイルの状態で、下の長押しがモバイルライトの点灯、下のダブルクリックがセンター問い合わせといった具合いに、閉じた状態での実用的な機能も割り当てられている。

 また、ボディの塗装はメーカーとしてもかなり凝ったようで、仕上げも非常に良い。筆者が購入したレッドも通常の端末の赤とは少し趣が異なり、やや和風の朱色に近い印象だ。このあたりは店頭のデモ機などでもぜひ確認いただきたい。


背面ディスプレイには三連キーに対応したメニューが表示される。 三連キーのショートカットキーも画面上で確認が可能。

さらに充実した実用機能

メニュー画面は横に4つのグループ、縦方向に各項目が並ぶ構成。
 次に機能について見てみよう。まず、メニューについては、SH505i/iSなどと同じように、横に4つのグループ、縦方向に各項目が並ぶ独特の構成を採用している。SH505iSと違い、メニューアイコンのカスタマイズ機能はないが、メニュー画面ではどのグループを選んだ状態でも[iモード]ボタンで「iモードメニュー」、[カメラ]ボタンでカメラを起動できるようにしている点は同じだ。また、待受画面で[決定]ボタンを長押しすると、文字を拡大表示する「ズームメニュー」に移行する。表示内容も整理され、電話帳なども大きくなるのはシニア層にも便利な機能だ。[終了]ボタンを押すと、通常のメニュー表示に戻ってしまうが、「見えにくいときだけ、切り替える」という使い方もできる。


 メールはフォルダによる管理、自動振り分けに対応している。振り分け条件はアドレス帳のグループ、メールアドレス、題名、電話帳登録なしで設定することが可能で、1つのフォルダにつき、最大5件まで振り分け条件を設定することができる。ただし、設定した条件に基づいて、再振り分けする機能はない。メールのセンター問い合わせを[メール]ボタンのダブルクリックでできるようにするなど、SH505i/iSで好評を得た機能もきちんと継承されている。複数のメールアドレスをまとめて登録しておき、まとめて送信できる「メーリングリスト」機能も用意されているが、SH505iSのレビューでも触れたように、名称は変更した方がいいだろう。


メールはフォルダによる管理に対応。右下に各フォルダに保存されているメールの件数が表示される。 振り分け条件はメールアドレス、題名などで設定が可能。

メールの一覧画面は題名、メールアドレスを切り替えて表示するのみ。日時がいっしょに表示されないのは残念だ。
 メール周りで気になるのは、一覧表示画面と送信メールの保存件数だ。まず、表示画面については、多くの端末が一覧画面でメールアドレス、受信日時などを表示できるようにしているのに対し、SH900iではこれらを切替えながら表示することしかできない。また、メールのアイコンは既読と未読で変化するモノの、返信や転送などのアイコンは付加されない。送信メールの保存件数については、他のFOMA 900iシリーズが200件以上、保存できるのに対し、SH900iは100件までとなっている。ここ数年、赤外線通信ポートを装備した機種が増え、機種変更時などに古いメールを赤外線通信で転送するユーザーが増えていることを考慮すれば、送信メールの保存件数ももう少し増やして欲しいところだ。

 FOMA 900iシリーズでは新たに「デコメール」がサポートされているが、SH900iではパレット式のユーザーインターフェイスを採用し、初心者にも優しい環境を実現している。メールの作成画面でサブメニューから「デコレーション」を選ぶと、画面の下半分に効果を図示したパレットが表示される仕様となっている。若干、慣れを必要とすることは確かだが、視覚的に効果の内容を確認しながら入力できるのは便利だ。

 日本語入力は近似予測変換にも対応した「ケータイShoin2」を採用している。直前の操作を元に戻す「UNDO(アンドゥ)」、かな入力モード時にワンタッチで英数字に変換する「カナ英数変換」、ダウンロード辞書などにも対応しており、辞書は同社のiモード公式サイト「SH-MODE」からダウンロードすることが可能だ。


待受状態からダイヤルボタンを押して、各機能を呼び出すクイック機能も搭載。覚えておくと便利な機能だ。
 SH505i以降、採用されているアシスタントビューも継承されており、メールやiモード閲覧中、通話中にスケジュールや電話帳、電卓、ToDoリスト、メール、テキストメモを呼び出し、内容を確認したり、コピーすることができる。FOMA NシリーズやPシリーズのマルチタスクも便利だが、SHシリーズのアシスタントビューも[view]ボタンのみで呼び出せるので、なかなか実用的だ。待受画面でダイヤルボタンを押して、スケジュールや電卓、タイマー、アラームをすぐに設定できるクイック機能もSH505i/iSから継承されている。SH900iではダイヤルボタンからの入力後、決定ボタンでクイックメニューを呼び出して、各機能を利用する形式になっている。


快適に文書が見られるドキュメントビューア

 カメラは冒頭でも触れた通り、背面側にオートフォーカス対応202万画素CCD、メインディスプレイ側に11万画素CMOSイメージセンサによるものを搭載している。背面側のアウトカメラは静止画や動画の撮影が可能で、メインディスプレイ側のインカメラは自分撮りやテレビ電話に利用するためのものだ。多くのFOMA端末がメインディスプレイ上にインカメラを装備しているのに対し、SH900iはメインディスプレイ下に装備しており、端末を机の上に置いて利用するときは若干、構図が変わってくるので、その点は留意する必要があるだろう。


 撮影できる静止画サイズは、サブディスプレイの待受画面サイズとなる「160×120」ドット、テレビ電話の代替画像などとして利用できる「176×144」、メインディスプレイの待受画面サイズの「240×320」ドット、「352×288」ドット、「480×640」ドット、「768×1024」ドット、2メガピクセルをフルに活かした「1224×1632」ドットの8種類となっている。サブカメラは「352×288」ドット以下のサイズでの撮影に対応する。撮影サイズはサブメニューから変更できるだけでなく、カメラを起動した状態で[5]ボタンを押して切り替えることもできる。こうしたショートカットについては、この他にも[1]ボタンで静止画撮影、[2]ボタンで動画撮影、[3]ボタンで英数字を読み取るOCR機能、[4]ボタンでQRコードにも対応したバーコードリーダー、[6]ボタンで5/10秒から設定できるセルフタイマー、[7]ボタンで標準/接写/人物/風景/マニュアルフォーカスが切り替えられるAFモード切替、[8]ボタンで連続撮影、[9]ボタンでユーザーがあらかじめ登録した設定に切り替えるオリジナルモード、[0]ボタンでフォーカスロックが割り当てられている。これらのショートカットキーはサブメニューの「ボタン操作一覧」で確認できるが、ひと通りマスターすると、かなり使い勝手が違ってくる。ちなみに、SH900iではショートカットキーのカスタマイズにも対応しており、ユーザーの好みに応じて、特定の機能を特定のキー使ったショートカットに割り当てることも可能だ。

 動画については「320×240」ドット、「240×176」ドット、「176×144」ドット、「128×96」ドットの4種類から設定できる。ただし、240×176ドット以上のサイズは、保存先をminiSDカードに設定したときのみ選択できる。また、iモーションメールには176×144ドット以下のサイズに設定し、ファイルサイズ制限を「iモーションメール用」に設定して撮影した場合のみ、利用できる。ショートカットキーの割り当てなどは基本的に静止画と同様で、カスタマイズにも対応する。


オートフォーカスに対応しているが、接写や風景撮影に適した設定も可能。 カメラ起動時にはショートカットキーの利用が可能。サブメニューの「ボタン操作一覧」で確認が可能。

 撮影時の機能としては、最大25倍(160×120選択時)の「ズーム」、5段階調整ができる「明るさ」、フレームを重ねられる「フレーム撮影」、オート/夜景/スポーツ/文字から選択できる「シーン別撮影」、最大25枚の連写が可能な「連続撮影」、7種類から選択できる「ピクチャーライト色変更」、ECONOMY/NORMAL/FINE/SUPER FINE/iモードメール用/大容量添付メール用から選択できる「画質選択」などが用意されている。動画撮影時は音声のノイズを軽減する「ノイズキャンセラ」、音声と映像の記録を個別に設定できる「撮影種別選択」、iモーションメールに利用できるサイズで記録する「ファイルサイズ制限」などを設定することも可能だ。

 また、撮影時の機能としては、SH505iSでも好評を得たブラケット連写、オーバーラップ連写もサポートされている。ブラケット連写は色や明るさを変えながら連続9枚の撮影を行なう機能だ。撮影サイズは240×320ドットに制限されるが、9枚から最も色合いのいい画像を選べるので、ここぞという撮影で威力を発揮する。オーバーラップ連写は5枚の画像を連続撮影し、1枚の画像に合成する機能で、スポーツのフォームチェックなどにも適した機能だ。

 撮影スタイルは端末を開いた状態の「タテ撮り」、端末を閉じて横向きに構える「ヨコ撮り」のどちらでも対応できるが、タテ撮りが決定ボタンを押してからオートフォーカスでピント合わせをして撮影するのに対し、ヨコ撮りは側面のシャッターボタンが通常のデジタルカメラと同じように、半押しでフォーカスロック、押し切って撮影という動きになるため、慣れてくれば、ヨコ撮りの方が確実な印象だ。ただ、ヨコ撮りの場合、背面ディスプレイと隣の三連キーで操作できる項目が限られるので、オリジナルモードを設定しておくといいだろう。


カメラの各機能はサブメニューから設定。画面の上段には設定内容がアイコンで表示される。 シチュエーションに合わせた設定が簡単にできる「シーン別撮影」

 撮影した画像はサムネイル形式と一覧形式で閲覧でき、サムネイル形式は9分割と16分割のいずれかで表示することが可能だ。いずれの表示形式でもファイル名の隣にアイコンが表示され、どのサイズで撮影した画像なのかを知ることができる。ただ、サムネイル形式の場合は最初の読み込みに時間が掛かるため、少しストレスがたまる。


撮影画像は一覧形式のほか、9分割、16分割のサムネイル表示が可能。 2Mサイズのサンプル画像。リンク先は無加工。(モデル:篠崎ゆき/スーパーウイング所属)

画像編集はQVGAサイズの画面を左右に分割するスピーディラボをSH505iSから継承。視覚的にわかりやすい。
 画像編集については、SH505iSなどでも高い評価を得た「スピーディラボ」が継承されている。スピーディラボは画面を左右に分割し、画面下半分に各編集機能をパレット形式で表示した画像編集環境だ。元画像と編集画像を見比べながら編集できる上、保存しなければ、直前の状態に戻すこともできるので、非常に使いやすい。もちろん、最大サイズで撮影した画像をリサイズしたり、部分的に切り抜くことも可能だ。ただ、回転については、480×640ドット以下に限られているため、ヨコ撮りスタイルで最大サイズの撮影をしてしまうと、240×320ドットにリサイズした後にしか回転できず、縦横方向を正しい向きにして、待受画面サイズに適した画像を作成することができない。同様の画像サイズによる制限は「画像補正」や「フェイスエフェクト」、「画像エフェクト」などにもあるので、できることなら、最大サイズで撮影した画像をいったん480×640ドットにリサイズできるようにして、豊富な編集機能を利用できるようにして欲しいところだ。


ドキュメントビューアでPDFファイルを表示。スクロールもスムーズで見やすい。
 また、miniSDカードを利用した機能にも注目されるものが多い。たとえば、同社の液晶テレビ「AQUOS」やパソコンで録画したテレビ番組を端末上で再生できるモバイルビデオ、会議などの録音ができる「ボイスレコーダー」、パソコンで作成したWordやExcel、PDFファイルを端末上で閲覧できる「ドキュメントビューア」などが挙げられる。なかでもドキュメントビューアは、個人的にもたいへん重宝している機能だ。サポートされるファイルフォーマットは、Word、Excel、PDF(Acrobat)、GIF、JPEG、BMP、PNG、テキストで、miniSDカードにこれらのファイルを保存しておけば、いつでもSH900i以上で閲覧でき、表示イメージを切り出して(キャプチャ)、iモードメールに添付することもできる。画面表示も高速な上、スクロールもスムーズで、回転や拡大・縮小もできる。パソコンでの表示が遅いと言われるPDFファイルなどでもすぐに表示されるのは、正直言って驚かされる。PDF形式への出力は、パソコン上でもいろいろ環境が整っているので、ホームページの内容を出力して、移動中に閲覧するといった活用もできる。


同じファイルを横長の画面で表示。回転などもできるので、文書に合わせた表示が可能。 ドキュメントビューアの操作方法はサブメニューで確認できる。ショートカットキーも用意されている。

カメラとドキュメントビューアを重視するなら「買い」

 さて、最後にSH900iの「買い」について考えてみよう。シャープはiショット端末で高い評価を受け、SH505iからNTTドコモの主力ラインアップに参入している。FOMAではSH2101Vというエポックメイクな端末をリリースしていたが、今回のSH900iはいよいよ王道を進む端末として開発されている。他のFOMA 900iシリーズが505iシリーズをベースにしているのに対し、SH900iはSH505iSの機能を数多く取り込んでおり、世代的にも新しいという印象が強い。お得意のカメラは2メガピクセルにオートフォーカス機構を組み合わせ、最高スペックを実現するほか、スピーディラボを搭載することにより、撮影した画像をより簡単に楽しめるのも見逃せないポイントだ。さらに、ドキュメントビューアという新しい活用スタイルを提案し、カメラ以外の部分にもアドバンテージを見せようとしている。メール周りに若干の不満点は残されるが、「かなり使えるFOMA」として仕上げられていると言って差し支えないだろう。

 これらのことを総合すると、SH900iを買いと言えるのは、カメラで高品質な撮影をしたいユーザー、ドキュメントビューアでビジネス文書を手軽に見たいユーザーが中心ということになる。しかし、カメラやドキュメントビューアといった派手な機能だけでなく、クイック機能やショートカットキーなど、使い勝手をよく考えた機能も充実しており、使いやすいFOMA端末が欲しいというユーザーにもおすすめできる。使い込むほどに、いろいろな機能が手になじんでくるように理解できるようになるはずだ。



URL
  ニュースリリース(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/04/whatnew0318.html
  製品情報(NTTドコモ)
  http://foma.nttdocomo.co.jp/terminal/cell/sh900i/
  ニュースリリース(シャープ)
  http://www.sharp.co.jp/corporate/news/040318.html
  製品情報(シャープ)
  http://www.sharp.co.jp/products/sh900i/

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(法林岳之)
2004/07/15 20:00

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