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電子コンパスで快適EZナビウォークが使える「A5502K」
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■ 初の電子コンパス搭載EZナビウォーク対応端末
auが昨年末からサービスの提供を開始した「EZナビウォーク」。わかりやすいテレビCMとともに、各方面で注目を集めているが、EZナビウォーク対応端末として初めて電子コンパスを搭載した「A5502K」が登場した。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。
■ 道案内に必要なもの
少し前に、「話を聞かない男、地図が読めない女」(Allan Pease/Barbara Pease著・藤井留美訳・主婦の友社刊)という本が話題になったことがある。男女の脳や行動パターンの違いを知ることにより、お互いの理解が深められるという内容だったが、確かに女性に地図を示してもなかなかわかってもらえないケースはある。また、地図と言えば、日本人と外国人(主にアメリカ人)で地図の書き表し方が違うという話も聞いたことがあるだろう。道案内の方法も違い、日本人が「まっすぐ行って、最初の信号を左に曲がる」と説明するかと思えば、外国人は同じルートを「3ブロック先を左に曲がる」と表現する。知らない土地(場所)を歩くのに地図は必要なものだが、いろいろと人によって、地図の解釈や理解は異なるものだ。
auが昨年末からサービスの提供を開始した「EZナビウォーク」は測定した位置情報をもとに端末上に地図を表示し、移動中もGPSからの信号を受け続けることにより、リアルタイムに近いレベルで現在地を表示できるという機能を持つ。出発地と目的地を設定すれば、端末に表示された地図上にルートを表示しながら、音声ガイド付きで案内をさせることも可能だ。ただ、端末上に表示される地図は方向が一定のため、ある程度、地図を読み解く力を必要とする。
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au/京セラ『A5502K』。サイズ:50×111×25mm(折りたたみ時)、145g。エターナルブラック(写真)、エアリーシルバーをラインアップ
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今回紹介するauの京セラ製端末「A5502K」は、電子コンパスを搭載することにより、EZナビウォークの地図を方角に合わせて表示する機能を持つ。電子コンパスは過去、パナソニック製「C3003P」に搭載されたことがあるが、EZナビウォーク対応端末としては初搭載ということになる。電子コンパスを搭載したA5502KではEZナビウォークでルート案内をしているとき、交差点を曲がると、画面上の地図もそれに合わせて自動的に回転させることができる。これなら、「地図を読めない」と呼ばれる人たちでもEZナビウォークが快適に利用できるようになるわけだ。また、A5502Kに搭載されるカメラ機能には、「キセノンフラッシュ」を採用した本格オートストロボも搭載されている。暗い場所でも従来のカメラ付きケータイより確実に撮影ができるわけだ。実機を見ながら、その出来をチェックしてみよう。
■ 2.4インチCGシリコン液晶を搭載
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A5305Kに続き、リボルバースタイルを採用。ボディはひと回り大きくなった印象
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製品のスペックや細かい仕様については、auと京セラの製品情報ページ、「ケータイ新製品SHOW CASE」を参考にしていただくとして、ここでは筆者が購入した端末で得られた印象を中心に紹介しよう。
まず、ボディは昨年発売された同じ京セラ製端末「A5305K」を継承し、ユニークな回転式ボディ「リボルバースタイル」を採用している。A5305Kに比べ、ボディサイズはひと回り大きくなったが、後述する液晶ディスプレイもひと回り大きくなっており、そのトレードオフという印象だ。リボルバースタイルの基本的な構造は大きく変更されていないが、ヒンジの強度がA5305Kの1.5倍に強化されている。
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本体右側面にminiSDメモリーカードスロットを装備。端末を開いたときの方がフタも開けやすい
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背面には100万画素CCDによるカメラ、オートストロボを搭載。レンズにはスライド式のマクロ撮影切替スイッチを備える
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背面には100万画素CCDによるカメラ、キセノンフラッシュによるオートストロボを内蔵し、カメラ横にはマクロ撮影切替スイッチを備える。液晶ディスプレイ側にも11万画素CMOSイメージセンサによるカメラを備えているが、これは主に自分撮り用として利用する。本体を閉じた状態の右側面には、miniSDメモリーカードスロット、平型コネクタのイヤホンマイク端子を備える。卓上ホルダは端末を閉じた状態で立てて置くタイプを採用する。
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液晶ディスプレイはCGシリコン技術によるシステム液晶を採用。高精細で視認性も良好。表面はハードコート仕上げ
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液晶ディスプレイは240×320ドット表示が可能な2.4インチのTFT液晶パネルを採用する。この液晶パネルはCGシリコン技術を採用したシステム液晶で、表示も非常に高精細で視認性もかなり良い。リボルバースタイルを採用したことで、常に液晶パネルが前面に来ることになるが、ディスプレイ部は傷が付きにくくするハードコートで仕上げられている。
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中央上のフロントジョグを中心に標準的なレイアウトを採用。キートップも大きく操作しやすい
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側面にはサイドキーやカメラキー、アプリキーなどが並ぶ。ディスプレイ側の[Back]キーは閉じたまま使うときに重要
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ボタン類は方向キーと決定ボタンを組み合わせた「フロントジョグ」を上部中央にレイアウトし、左右上に場面で機能が変わる[F1]キーと[F2]キー、左下に[メール]キー、右下に[EZ]キーが配されている。本体を閉じた状態の左側面には液晶ディスプレイ側に[Back]キー、テンキー部側に3つのキーを組み合わせた[サイド]キー、カメラを起動するための[カメラ]キー、EZアプリ(BREW)を呼び出すための[アプリ]キーがレイアウトされている。
■ さらに使いやすさを考えたリボルバースタイル
次に、機能面について見てみよう。まず、従来モデルから継承したセールスポイントのひとつであるリボルバーアクションだが、さらに使いやすさに磨きが掛けられている。従来モデルを知らない人のために、リボルバーアクションについて、少しおさらいをしておこう。
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閉じた状態で表示されるメニュー画面。縦方向に各項目が並ぶ。戻るときは側面の[Back]キーを使う
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開いた状態で表示されるメニュー画面は9分割のアイコン表示。選択した項目に合わせ、画面上半分の表示も変化する
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昨年来、回転式ボディを採用する端末が少しずつ増えてきているが、京セラ製端末のリボルバースタイルは回転操作に意味を持たせているのが特長だ。たとえば、端末を閉じた状態で受信メールを表示しているとき、端末を回転させて開けば、そのメールに対する返信メールの作成画面に移行し、着信履歴を表示しているときなら、リダイヤル画面に移行するといった具合いだ。カメラで撮影したときなら、リボルバーアクションで撮影した静止画やムービーが添付されたメールの作成画面が表示される(メールに添付できるサイズで撮影した場合のみ)。つまり、ただ格好だけで回しているのではなく、回転操作に次のアクションのための機能を割り当て、使いやすい環境を提案しているわけだ。また、待受画面やメニュー画面も端末を閉じた状態と開いた状態で、それぞれ正しい向きで表示されるようになっており、端末が開閉によって、持ち直す必要がない。
もちろん、今回のA5502Kでも同様の操作ができるが、新しい操作も追加されている。たとえば、回転操作で次のアクションをさせたくないとき、[アプリ]キーを押せば、リボルバーアクションを一時的にOFFすることが可能だ。リボルバーアクションで返信メールが作成できたり、リダイヤルができるのは便利だが、メールを転送したいときや着信履歴からアドレス帳に登録したいときなどは、この一時OFF機能を使うと便利だ。
また、回転式ボディの端末は常に液晶ディスプレイが表に出ているため、端末を机の上に置いていると、着信があったとき、アドレス帳に登録してある相手の名前などが表示されてしまう。そこで、A5502Kではアドレス帳に登録した名前の表示をOFFに設定することが可能だ。ただ、そのままでは実際に誰から掛かってきたのかがわからないため、名前表示をOFFに設定したときでも[アプリ]キーで名前表示を確認できるようにしている。
メニュー画面は端末を閉じた状態と開いた状態で、それぞれ合わせたものが用意されているが、A5502Kは従来モデルより、閉じた状態での操作性を向上させている。たとえば、閉じた状態から「EZナビウォーク」「アクセサリ」「EZアプリ」などのグループを呼び出したり、EZアプリ(BREW)やEZナビウォークを操作できるようにしている。特に、EZナビウォークを閉じた状態で操作できるのは、実際の利用シーンを考えると、なかなか便利な環境と言えるだろう。
メールはフォルダによる管理に対応し、メールアドレスによる自動振り分けも可能だ。メールの受信フォルダは本体メモリーだけでなく、miniSDメモリーカード側にも「SD受信ボックス」用意されている。大切なメールは「SD受信ボックス」側にコピーして保存しておくと安全だろう。
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クローズスタイルでVGA以上のサイズを選択すると、画面は横長表示になり、メニューも横向きに
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縦長画面でのカメラの設定メニュー。左上の「壁紙」という表示のように、設定内容の多くは画面にアイコンで表示される
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カメラは前述の通り、背面側に100万画素CCD、前面側に11万画素CMOSイメージセンサによるカメラをそれぞれ搭載している。撮影できる静止画サイズはメインカメラが120×160ドットの「ケータイ」、240×320ドットの「壁紙」、640×480ドットの「VGA」、1152×864ドットの「メガピクセル」の4種類、サブカメラが「ケータイ」と「壁紙の」の2種類となっており、メインカメラ、サブカメラともに壁紙サイズでの連写モードが別途、メニュー内に用意されている。これらの撮影モードはメニュー内で設定できるが、[メール]キーで切り替えることもできる。この他に、[*]キーでメインカメラとサブカメラの切り替え、[#]キーでオートストロボの動作切り替えをできるようにしている。ムービーについてはメイン、サブともに96×80ドットの「S:メール用」、128×96ドットの「M:メール用」、240×176ドットの「大画面」の3つの録画モードを選ぶことが可能だ。
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メガピクセルで撮影したサンプル画像。リンク先は無加工。(モデル:篠崎ゆき/スーパーウイング所属)
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夜間にオートストロボで撮影したサンプル画像。リンク先は無加工。(モデル:篠崎ゆき/スーパーウイング所属&平地レイ/サンタ・クローチェ所属)
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撮影時の機能としては、最大7倍(ムービーでは9倍)の「ズーム」、高速/中速/低速の3段階から選べる「連写」、飾りが付けられる「フレーム」、オート/屋外/屋内から設定できる「撮影シーン設定」、セピア/モノクロが選べる「特殊効果」、写真のように画像に日付や日時が写し込める「日付スタンプ設定」などが用意されている。メガピクセル以上のサイズに設定したときは、[フォト画質]をメール/ノーマル/ファインから選択でき、メールにすれば、メガピクセルで撮影した画像をメールで送信することも可能だ。京セラ製端末ではおなじみの「撮速(さっそく)メール」にも対応しており、撮った画像をすぐにメールで送信することもできる。
また、背面カメラの横に装備されているオートストロボは、デジタルカメラでも採用されることが多いキセノンフラッシュを採用する。約2mの範囲まで明るく撮影できるため、暗いところでの撮影はもちろん、逆光での撮影にも威力を発揮する。通常のLEDによるフォトライトの約4倍の光量が得られるとのことだが、かなり強く光るので、被写体とは1m程度以上の距離をおいて撮影した方が確実だろう。ちなみに、オートストロボは「オート」「ON」「OFF」の設定ができ、前述のように[*]キーでの切り替えが可能だ。また、ムービー撮影時についてはオートストロボの横に備えられたムービーライトを利用することができる。
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編集画面で[0]キーを押すと、オンラインヘルプが表示される。[0]キーのオンラインヘルプは随所に用意されている
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横長で撮った画像を編集しようとすると、最初は写真のように表示されるが、編集機能では回転や縮小/拡大が可能
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横長で撮った画像も編集すれば、ご覧のようにちゃんと全画面の壁紙を作成できる
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撮影したデータはVGA以上の静止画と大画面のムービーがminiSDカードに保存され、その他のデータは本体のデータフォルダ内に保存される。保存されているデータはサムネイル形式及びリスト形式での閲覧が可能で、ファイル名で検索することもできる。画像編集についてはQVGAサイズやケータイサイズに変更する必要があるが、フレームやスタンプの追加、テキスト入力、明るさやシャープネスの調整などのメニューが用意されている。なかでもユニークなのが「画像効果」で、「ぽっちゃり」や「ほっそり」、「美白」などの女性にウケそうなものに加え、「魚眼レンズ」や「丸額縁」といったユニークなものも用意されている。ちなみに、「メガピクセル」や「VGA」で撮影した静止画は本体メモリにコピー後、「壁紙サイズ」などにリサイズできる。ヨコ撮りスタイルで撮った横長画像は[7]キーや[9]キーで回転させたり、[#]キーで拡大ができるため、縦長画面に合わせた全画面表示の壁紙を作成することができる。また、ムービーの編集機能も充実している。特殊効果やフレームの貼り付けといった標準的なものに加え、テロップやアフレコの追加といったauのムービー対応端末おなじみ機能が利用できるうえ、京セラの公式サイト「サイトK」からダウンロードした同じ録画形式のムービーを前後につなぎ合わせ、一本の新しいムービーを作成する機能も用意されている。
同じカメラ周りの機能では、au初のバーコードリーダーがEZアプリ(BREW)で搭載されている。パッケージにはリクルートと共同で制作した小冊子が付属しており、QRコードを読み取ることで、リクルートが運営するいくつかのサイトへアクセスできるようにしている。ただ、KDDIからは今のところ、QRコードを生成するためのツールが提供されていないため、他事業者のユーティリティや市販の携帯電話関連ソフトに含まれるQRコード生成ツールを利用しなければならない。とりあえずは市販ツールなどでもかまわないが、アドレス帳への登録機能なども利用できるはずなので、KDDIからの正式なツールの配布を期待したい。ちなみに、筆者の「携帯電話向けホームページのご案内(EZWeb向け)」でもQRコードを利用しているので、QRコードの読み取りを試してみたい方はご覧いただきたい。
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EZナビウォークでは電子コンパスの動作のON/OFFを切り替えることもできる
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さて、A5502Kで最も注目される電子コンパスについて見てみよう。冒頭でも触れたように、電子コンパスは端末の画面上に表示されている地図を方角に合わせて回転させる機能だ。カーナビと同じように、ヘディングアップで地図を表示できるため、ルート案内も快適に使えるわけだ。電子コンパスは以前から存在した技術だが、端末に搭載する場合、端末の内外から磁界の影響を受けやすく、シールドなどをしっかり施す必要がある。京セラもこの点については、かなり苦労をしたという。電子コンパスそのものはA5502Kのテンキー部に内蔵されているが、実際にユーザーが手に持って歩くときの状態を考慮し、液晶ディスプレイの角度が45度に傾いた状態で正しく表示されるように設計されているそうだ。実際の利用については、電子コンパスの反応がやや敏感な印象が残るものの、ヘディングアップで地図が表示されるのは非常に便利であり、EZナビウォークの快適性も一段と増す。やはり、EZナビウォークが地図を常に表示して、ナビゲーションを目的とするのであれば、電子コンパスを内蔵している端末の方が有利だろう。
■ EZナビウォークを使いまくりたい人は「買い」
さて、最後にA5502Kの「買い」について考えてみよう。EZナビウォーク対応端末としては、初めて電子コンパスを搭載し、ヘディングアップ表示を可能にしたA5502K。従来のA5305Kで人気を得たリボルバースタイルを継承しながら、端末を閉じた状態での使い勝手も向上させるなど、一段と進化している。カメラはメガピクセルとオートストロボに加え、自分撮りカメラも搭載し、画像編集機能なども充実している。ボディが従来のA5305Kよりも大きくなったのは残念だが、機能的には一段とグレードアップした印象だ。
これらのことを総合すると、A5502Kを買いと言えるのは、EZナビウォークを使いまくりたいユーザー、暗いところでの撮影が多いユーザーということになる。EZナビウォークについては電子コンパスの有無で実用性に差があるうえ、A5502Kは画面が大きく、端末を閉じたままでもほとんどの操作ができるというアドバンテージがある。これで防水機能でも搭載されていれば、アウトドア指向のユーザーにも受け入れられるのではないだろうか。オートストロボについてはデジタルカメラと変わらないレベルの光量が得られ、普通のカメラと同じ感覚で撮影ができる。ただ、光量が大きいため、至近距離での撮影でストロボを利用すると、真っ白になってしまうので、その点はユーザーもよく考えて利用する必要があるだろう。同時に、LEDを利用したフォトライトよりは消費電力も大きいので、その点も留意して利用したい。
■ URL
ニュースリリース(au)
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2003/1006/
製品情報(au)
http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/a5502k/
製品情報(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/a5502k/
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(法林岳之)
2004/02/24 13:18
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