レビュー

「Galaxy S8 SC-02J」ミニレビュー(編集部湯野)

基本的な使い勝手の向上と悪化

 サムスン電子のフラッグシップ「Galaxy S8」は、前面のほとんどを5.8インチのディスプレイが占める狭額縁デザインが特徴だ。6.2インチディスプレイの「Galaxy S8+」とともに、NTTドコモとauの2017年夏モデルとして登場している。今回はNTTドコモ版の「Galaxy S8 SC-02J」を編集部スタッフそれぞれの視点からご紹介する。

編集部・湯野

ホールド感が向上しつつ、誤操作も起きにくくなった印象

 1年ほどGalaxy S7 edgeを使ってきた筆者からすると、Galaxy S8は本当に手に馴染むという印象だ。

 S7 edgeまでの“エッジ”部分は、格好良さの面では確かに興味深いチャレンジではあったが、そこに手のひらが意図せず触れてしまい、思わぬ誤操作に繋がることがしばしばあった。とりわけ、ベッドやソファーに横向きに寝転がって使う際にこの状況に陥ることが多く、ケースを付けることでエッジ部分に触れにくくするという、本末転倒な技でこれを回避してきた。

 その点、S8はこうした問題が起きにくい印象。ホールド感も良くなっており、スマホとしての基本的な使い勝手が向上しているように感じる。

背面のカメラ脇の指紋センサーは厳しい

 一方で、指紋認証センサーが背面に移動してしまったことは、個人的には非常に不満に思っている。Infinity Displayというコンセプトを掲げた以上、前面にハードウェアキーを置きたくない、という心情も分からなくはないし、新たに搭載された虹彩認証を活用しろ、という話なのかもしれないが、例えば、車載ホルダーに置いた時、背面には指を伸ばしづらいし、虹彩認証も端末の正面に顔を持っていく必要があるし、その点においては使い勝手が悪くなっている。

 また、指紋認証センサーの位置もカメラのすぐ脇ということで、わりとレンズに指が触れてしまう。暗いところでの撮影についてはピカイチなカメラを積んでいながらも、流行りのデュアルカメラとは異なる形で不自然な“ボケ味”を加えてしまい、悲しい思いをすることもあるので、背面なら背面で、もう少し良い場所に置いてほしい。

 デザイン性やハイエンドスマホとしての性能については申し分ない端末とも言えるが、近い将来、他のメーカーも同様の課題を抱える可能性があるだけに、サムスンにはもうひと頑張りして未来を切り開いていただきたい。