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通信サービスのクーリングオフ制度、総務省によるチェック体制の方針案公表

 総務省は、5月21日に電気通信事業法が一部改正され、通信サービスのクーリングオフ制度などが導入されることに合わせて、施行後の総務省による監督体制の基本方針案を公表した。4月9日~5月10日に意見が募集される。

消費者保護を目的とした電気通信事業法の改正

 5月21日に施行される、電気通信事業法の改正や関連する省令では、クーリングオフ制度など消費者保護を目的とした法や省令の整備が行われている。

 具体的には、1)契約締結後に、その内訳や複雑な料金割引の図示、オプション契約についても記載した「書面の交付義務」、2)書面の受領から8日間は一方的に契約を解除できる「初期契約解除制度」(クーリングオフ)、3)契約の重要事項について、故意に事実を告げないまたは嘘を告げることを禁止する「不実告知等の禁止」、4)契約の締結や勧誘を希望しないユーザーに再勧誘を禁止する「勧誘継続行為の禁止」、5)キャリアが販売代理店への指導を行う義務の「代理店に対する指導等の措置義務」、の5つが導入される。

総務省による監督体制

 これに関連して、法施行後も事業者の自主的な取り組みを継続的に監督(モニタリング)する必要があると、関連した審議会で指摘されたことから、総務省は監督体制についての基本方針案を作成し公表した。

 この基本方針案では、導入されたルールに違反している疑いのある事案について、総務省が直接、ユーザーからの申告を受け付ける。また、国民生活センターや消費生活センターなどで受け付けた苦情や相談も活用される。

 ユーザーからの申告や苦情・相談が多数生じている場合や、重大・深刻な支障をもたらす疑いの事案に対しては、随時調査として、総務省は事業者に対して任意協力の形で事情聴取や資料提出を要請し、事実関係を確認する。協力が得られない場合は、改正後の電気通信事業法の規定に基き、報告徴収や検査が行われる。

 年一回の定期調査も予定され、調査計画が策定され公表される。定期調査の対象の事業者には報告を求め、ヒアリングも実施される。

 このほかモニタリング定期会合として、上記の事案や事業者からの報告、問題点などが、総務省と関係者の間で共有・評価され、公表される。

太田 亮三