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複数の公衆Wi-Fiにひとつのアプリで接続、訪日客向けに実証実験へ

 総務省は、訪日外国人向けに提供される公衆無線LANサービスにおいて、利用開始の手続きを簡素化・一元化できるよう取り組んでいく方針を発表した。

 取り組みでは、共通の技術仕様を策定し、事業者が採用する際にも容易な方式の普及を図る。また、民間とも協力しながら、技術仕様の有用性を検証する実証実験を行うほか、データの取り扱いやセキュリティの確保についても社会合意の形成を促していくとしている。

 具体的には、Web API方式を基本にし、ユーザー(訪日外国人観光客など)がひとつのアプリを利用するだけで、複数の事業者の公衆無線LANサービスに接続できるなど、事業者の枠を超えたシームレスな接続環境を目指す。

 このほかにも、災害時に公衆無線LANサービスを経由して情報を配信できるようなシステムや仕様も、検討・検証が行われる。

 KDDIは、子会社のワイヤ・アンド・ワイヤレスが提供する自治体Free Wi-Fiエリアのうち、実証実験に参加する自治体のサービスで、ゲートウェイ・アップ・ジャパンが提供する接続アプリ「OMOTENASHI App」との連携を行う。参加する自治体は函館市、仙台市、名古屋市、京都府、京都市、神戸市。

 ソフトバンクはお台場エリアで実証実験に参加し、他の事業者と同一のアプリで、ソフトバンクの公衆Wi-Fiサービスに接続できるようにしたり、その逆でソフトバンクの公衆Wi-Fiのユーザーが他の事業者のサービスに接続できるようにしたりする検証を行う。

太田 亮三