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ソフトバンクが気球中継システムのLTE対応版、南三陸町で実験

 ソフトバンクモバイルは、大規模災害時における対策の1つとして研究を進める、無人気球無線中継システムにおいて、新たにLTEへ対応し、船上や車載で係留できるようにした新システムの実験を実施する。会場は宮城県南三陸町周辺で、実験用の免許の期間は2015年10月30日まで。

構成図

 地震や台風など大規模災害が発生すると、停電、基地局や伝送路への被害などによって、携帯電話のサービスエリアが一時的にダウンすることがある。そこでスピーディに復旧できる手段として、たとえばKDDIでは船の上に基地局を乗せて海からエリア構築する、といった方法を検証している。そしてソフトバンクでは、気球を使った中継システムの研究を進めているが、今回、新たにLTEへ対応したシステムを開発、宮城県南三陸町で実験を行う。

 新たなシステムは、LTEに対応し、地上100mに達すると開けた場所であれば、半径5kmほどをカバーできる。気球のサイズは、これまで40立方メートル程度だったが、今回は30立方メートル程度に小型化された。

 また船の上での係留に対応するほか、車載も可能になった。ソーラーパネルでの電源供給も可能で、定期的な給油作業が不要になるという。このほか、遠隔操作の制御が可能になり、自動的に昇降させたり、監視したりできる。

車載版の構成図
船上版の構成図

関口 聖