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MCF、ガンホー森下氏ら3名の代表理事を選任

 モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は、定時社員総会および理事会を開催し、代表理事3名を含む新理事が選任されたと発表した。総会が開催された11月29日には記念パーティーも催され、新しい代表理事3名が登壇したほか、総務省など関連省庁の担当者からも祝辞が述べられた。

 新たに代表理事に選任されたのは、ガンホー・オンライン・エンターテイメント 代表取締役社長CEOの森下一喜氏、第一興商 常務取締役の和田康孝氏、ドワンゴモバイル 取締役の川下勝也氏の3名。

 3名を代表して挨拶を行った第一興商の和田氏は、モバイルコンテンツ業界の市場規模は2兆3507億円で、さらなる成長を続けているとした上で、MCFにおいてもクラウド化する市場への対応を進めるとともに、東京都が竹芝で進める都市再開発プロジェクトにおいて、イノベーションを促進する「R&Dセンター構想」を関係機関と進めているとことを示した。

 和田氏は「モバイルコンテンツの業界は大変革の時代を迎えている。MCFが中心となって、世界に躍進する業界として、さらなる成長を実現するため、皆様の協力のもと尽力していきたい」と述べ、変化の中で発展を実現していく意気込みを語った。

代表理事に選任された3名。左からドワンゴモバイル 取締役の川下勝也氏、第一興商 常務取締役の和田康孝氏、ガンホー・オンライン・エンターテイメント 代表取締役社長CEOの森下一喜氏
総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 消費者行政課 電気通信利用者情報政策室 室長の松井正幸氏

 来賓として出席した総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 消費者行政課 電気通信利用者情報政策室 室長の松井正幸氏は、「近年のスマートフォンの普及は、利便性の向上とともに大きな課題もある。新しいサービスも増えているが、利用者にとって便利な分、分からない部分もあり、利用にあたって不安を覚える状況がしばらく続いていた。安心して使ってもらえるよう、対策も行ってきた」と、スマートフォンとその普及に関する課題を指摘。

 その上で、松井氏が担当したという「スマートフォン プライバシー イニシアティブ」の発表では、幅広い業界と連携して内容をまとめたとし、いち早くMCFがこれに準拠したガイドラインを発表したことを評価。「これからのビジネスは、モバイルが牽引していく。利用者が安心して利用でき、さらに使われるという良いサイクルを作ってもらえているのではないか。MCFと協力して、今後も良い環境を作っていきたい」とコンテンツ業界とも協力していく姿勢を明らかにした。

経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 係長の遠藤雅典氏

 経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 係長の遠藤雅典氏は、「メディアコンテンツを扱う部署の我々はMCFとはゲームという切り口で付き合うことが多い。昨年はコンプガチャ問題などもあり、MCFには協力していただいた。また今年は『パズル&ドラゴンズ』が話題をさらったコンテンツだった」と振り返り、モバイルコンテンツはゲームだけでなく音楽や電子書籍など多岐にわたるとした上で、「これからもしばらくは市場が拡大していくだろう。我々も産業の発展に貢献していきたい。ただ、流れの早い産業で、社会との摩擦が起こることも現実としてある。そういう課題をひとつひとつクリアしていくためにも、皆様の知見を借りながら、政策立案を行っていきたい」などと語った。

文化庁 長官官房 著作権課 著作権流通推進室 室長の山中弘美氏

 文化庁 長官官房 著作権課 著作権流通推進室 室長の山中弘美氏は、文化庁の文化審議会で検討している、クラウドサービスと著作権にかかる課題でも、MCFがヒアリングに協力したことを紹介。「審議会はさらに専門的なチームを発足し検討を進めることになり、現在ワーキングチームの準備を進めているところ」とした。

 「文化庁では、クラウドの問題に限らず、電子書籍への課題など検討を進めている。そのほかにも、著作物の流通推進、海賊版対策、著作権に関する普及・啓発も非常に重要な施策。これらの施策は、皆様の支援・協力がなければ実現は困難で、今後とも協力をお願いしたい」とあつまった関係者に呼びかけた。

 総会記念パーティーではこの後、テレコムサービス協会 会長の是枝伸彦氏が乾杯の音頭をとり、歓談が行われていた。

 MCFでは今後、「スマホ白書 2013-2014 モバイル・コンテンツ・フォーラム編」(発行:インプレスR&D)を、12月中旬に発売する予定。年内には回収代行や消費税に関するミニセミナー、海外ビジネスに関する講演なども開催する。

テレコムサービス協会 会長の是枝伸彦氏が登壇し、乾杯

太田 亮三