ニュース
サムスンのキーワードは「変革」、LINEとのコラボも
(2013/10/16 16:39)
サムスン電子ジャパンは10月16日、都内で「WORLD TOUR 2013 TOKYO」を開催した。既に発表済みでグローバル展開し、日本ではNTTドコモ、auが10月17日より販売するとしているGALAXY Note 3、GALAXY Gearのほか、日本向けにデザインされドコモから10月下旬に発売するGALAXY Jについて改めて発表した。
登壇したサムスン電子ジャパン専務の石井圭介氏は、キーワードに「変革」、「新しいスマートライフの提案」、「For Japan」の3つを挙げ、今回新たに追加されたGALAXYならではの各種機能を紹介した。また、ウェアラブル端末として注目のGALAXY Gearを使ったハンズフリー通話や、スマートフォンとの連携機能についてデモを行った。
ペンを抜いた瞬間に画面上でできる操作が表示される「エアコマンド」、登録していない電話番号を書いたメモから発信ができる「アクションメモ」、YouTubeや、WebサイトなどのURLを埋め込むことができるなど、「スクラップ」も進化。また、2画面同時に操作できる「マルチウィンドウ」のほか、「ペンウィンドウ」はSペンで画面を囲むと、よく使っているアプリの候補が表示され、簡単にアプリを立ち上げることができる。4インチから4.5インチまで画面そのもののサイズが変更できる、「片手操作」機能も備える。
このように、スマートフォンやウェアラブル端末が、パートナーそのものとなるような便利な機能を増やしていることが、GALAXYの大きな変革期だと、石井氏は語った。
かゆいところに手が届く「8フリック」と「緊急時長持ちモード」
日本向けにデザインされたGALAXY Jはデザインだけではなく、機能面でも日本独自の機能を搭載している。そのひとつに、フリック入力の際の「8フリック」モードがあげられる。従来の文字入力では、平仮名・英語・数字の入力キーボードを切り替える必要があったが、このモードに設定すると、8方向にフリックでき、キーボードを切り替えることなく、入力が可能になる。
また、「緊急時長持ちモード」を搭載する。このモードをオンにすると、画面がグレー基調に調整され省エネになる。バッググラウンドで動作するアプリも制限することで消費電力を抑える。これにより、電池残量30%の状態から、最大5日間充電なしで利用できる。東日本大震災や台風など、たびたび災害に見舞われる日本に向けた機能として搭載されている。
なお、これらの機能はGALAXY Jだけではなく、GALAXY Note 3にも搭載されている。
LINEとの協業による、Gear専用アプリ
今回注目なのが、世界のユーザー2億人を突破した無料通話・メールアプリ「LINE」をGALAXY Gear向けにカスタマイズしたアプリ。登壇したLINE執行役員の舛田淳氏は「LINEが実現しているリアルタイムコミュニケーションは、GALAXY Gearを使うことでさらにリアルタイム性があがる」と述べ、LINEと端末の相性の良さをアピールした。舛田氏自らが、Gear向けのLINEアプリでメッセージを受信し、スタンプで返信するデモを行った。また11月以降は、GALAXY Note 3、GALAXY JのマルチウィンドウでLINEを2画面で立ち上げ、同時に2人とのチャットが可能になる。
また、エイベックスとの協業により提供する、楽曲の聴き放題サービス「GAmusic」を紹介した。「GAmusic」は、ユーザーの再生履歴から好みの楽曲をレコメンドするアプリで、SamsungAppsよりダウンロードできる。通常月額350円のところ、GALAXY Note 3、GALAXY Jのユーザーは12月末までに登録すれば90日間無料の特典がついている。
このほか、1カ月前からGALAXY Note 3を使い、アンバサダーのひとりに選ばれているモデルの富永愛が登場し、トークセッションが行われた。GALAXY Note 3の機能を利用シーンとともに紹介し、同製品の魅力について語った。
防水対応、なぜしない?
サムスン電子ジャパン専務の石井氏は発表会後、囲み取材に応じた。GALAXY Gearなどの新たな市場を作る上での展開については、懸念よりも明るくとらえていると誇る。「チェッキング・コミュニケーティング・スクラッピングなどの“ながら操作”を実現するにはGearだからこそできる。広く受け入れられるのではないか」とし、メリットは「自分の時間を作りやすくなること」と語った。GALAXYシリーズは、Android 4.3以降の端末に積極的に対応できるようにしたい、過去の機種については前向きに検討中と述べた。
GALAXY Jが日本向けと謳いつつ、防水非対応に関しては「防水機能もあるにこしたことはないが、タイミングとどの機種へという判断もある」とコメントした。今回は防水以外の部分をまず全て対応したという。グローバルモデルから日本向けに変換するのは安易ではないとし、「ささいなことだが、ストラップホールひとつでも苦労した」という。日本市場を重要視しており、「日本オリジナルの機能が絶対に必要。ただ、その中でもユーザー視点で必要だと感じるグローバル向けの機能もしっかり入れていくことが重要」(石井氏)。日本市場が成長~普及~成熟となりつつある今だからこそ、ユーザーに受け入れられる要素を慎重に判断していると語った。