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ドコモ、新アプリ「タップでコンシェル」のトライアル

ドコモ、新アプリ「タップでコンシェル」のトライアル

 NTTドコモは、スマートフォンの操作をより手軽に行えるように支援するアプリ「タップでコンシェル」を開発した、3月26日~9月30日までトライアルサービスとして無料で提供される。

 「タップでコンシェル」は、さまざまなデータをもとに、ユーザーが使うであろう機能のうち上位にくるものを表示して、画面操作の手順を減らしながら目的の機能、サービスへアクセスできることを目指して提供されるアプリ。たとえば、お昼過ぎに利用しようとすると「乗換案内」「地図」などが表示され、夕方にタップすると「レシピ」などが表示されるなど、生活シーンにあわせて、表示される機能が変化する。また乗換案内を利用する場合、ユーザーによって発着駅は異なるが、よく利用する駅を予測する。レシピについては予測が難しいが、“世間で人気のレシピ”というトレンドが表示される。キーワードを入力してレシピを検索することもできる。

 23種類の機能に対応している。スマートフォンアプリには非対応とのこと。

 仕組みとして、ドコモの支援型サービス「しゃべってコンシェル」のユーザーが利用してきた内容を分析した傾向、ドコモのコンテンツポータル「dメニュー」を利用する全ユーザーの傾向などを元に、ユーザーが利用するであろう機能を推測している。またユーザーが使い続けていくと、その利用傾向を学習して予測候補の表示に反映させる。

 ドコモユーザーで、Android 2.3以上のスマートフォンであればGoogle Playからダウンロードできる。ドコモでは実際にユーザーに利用してもらうことで、コンセプトや使い勝手、精度などの向上を図っていく。

「しゃべってコンシェル」利用回数が3億回

 今回発表された「タップでコンシェル」は、音声認識技術などを用いたサービス「しゃべってコンシェル」の発展系とも言えるサービス。「しゃべってコンシェル」は、ユーザーが喋った内容を解釈して回答するサービスで、これまでアプリは900万ダウンロード、利用回数は3億回に達している。

 「しゃべってコンシェル」、そして今回の「タップでコンシェル」を開発したNTTドコモ先進技術研究所の飯塚真也氏は、「わずか数タップで何でも調べられる」という操作感を実現するため、つまりスマートフォンをより簡単に操作できる仕組みとして「タップでコンシェル」を開発したと語る。

 「タップでコンシェル」では、ユーザーが利用したい機能を推定し、その推測結果を優先的に表示することで、タップ数を減らし、スムーズな操作の実現を目指している。また片手で操作しやすいよう、操作パネルは画面下半分だけに集約されている。

 飯塚氏は、今後のテーマとして、「データの価値化」を挙げる。既存サービスの「しゃべってコンシェル」はユーザーが喋っている内容が意図するところを解釈する仕組みが取り入れられている。これにより、昼食や夕食の時間帯にはグルメ情報がよく利用され、朝にはアラームがよく利用されることがデータとして把握できるようになる。また12時過ぎにもアラームが少し利用され、昼寝で利用されているのではないか、という予測が成り立つ。人間であればアラームやグルメ情報が、どういった場面で利用されるか、ある程度想像することはできる。しかしコンピューターが勝手に想像することは難しい。そこでユーザーの利用の結果がデータとして記録され、傾向が示されることでコンピューターにとっても理解できる情報になり、推測できるようになる。

 こうして、“スマートフォンの使われ方”がデータになっていくことで、新たな付加価値の提供を目指していくのだという。

関口 聖