「Surface RT」発売、「攻殻機動隊ARISE」とコラボも

　日本マイクロソフトは、3月15日、新型タブレット端末「Surface with Windows RT（Surface RT）」を発売した。同社では都内で発売を記念した報道関係者向けイベントを開催した。

　「Surface RT」は、マイクロソフトの独自タブレット。OSはWindows RTで、薄さ9mm（純正カバー込みで12mm）、重さ675gというボディに、10.6インチディスプレイを備え、CPUにNVIDIA製の「Tegra 3」を採用。メモリは2GBで、32GB版（4万9800円）と64GB版（5万7800円）が用意される。

　日本マイクロソフトの執行役常務でコンシューマー＆パートナーグループ担当の香山 春明氏は、仕事とプライベートの両方で役立つデバイスとアピール。また米国本社のジェネラルマネージャー、Surface and Windows Hardware Sales and Marketing担当のブライアン・ホール氏は、microSDカード対応でUSBポート搭載と拡張性に優れ、Officeの機能もフルに使えることなど、「プレミアムなタブレット」と説明。アップルの「iPad」よりも“できることが多い”とアピールした。海外での売れ行きについて、具体的な数値は開示されなかったが、ホール氏は「購入者は皆、Surfaceを愛している」と高い満足度をもたらしているとした。

　Intel製CPUを採用し、Windows 7のアプリケーションも動作するタブレット端末「Surface Windows 8 Pro」は海外では販売されている機種だが、その国内投入時期などについて質疑で問われると香山氏は「本日はお答えできない」とコメントを控えた。

日本マイクロソフトの香山氏

米国本社のホール氏

攻殻機動隊ARISE、1作目に登場

　イベント後半になると、会場では人気アニメシリーズの最新作「攻殻機動隊ARISE」の映像が映し出され、Surfaceとのコラボレーションが発表された。6月公開予定の「攻殻機動隊ARISE border:1 Ghost Pain」の劇中に「Surface」が登場するという。

攻殻機動隊ARISEとコラボ

ラフ画も

　会場には、総監督およびキャラクターデザインを担当するProduction I.Gの黄瀬和哉氏、同作の脚本やシリーズ構成を担当する小説家の冲方丁氏のほか、漫画家の江川達也氏が登場。3人のトークでは、デジタルとの関わりについてそれぞれがコメントした。

　黄瀬氏は、完全にアナログな人間と自らを評価。パソコンは会社から割り当てられたものだけで、携帯電話も従来型のフィーチャーフォンという。冲方氏は、デジタルとアナログの組み合わせを試行錯誤していると説明する。たとえば以前は大きな手帳を持ち歩いて手書きでアイデアなどを記録していたが、最近ではデータが蓄積できるということで、思いついたらすぐメールで送信、という形も試している。

　また江川氏は、漫画の執筆で作画は完全デジタル化されていることを明らかにする。執筆時の背景などに用いるスクリーントーンが全て無料で使い放題とデジタルの利便性を評価するも、プライベートではアナログだという。こうして三者三様のデジタルとの関わり方が披露された。

左から黄瀬氏、冲方氏、江川氏、そしてマイクロソフトのホール氏

トークの端々で「Surfaceが欲しい」と江川氏や冲方氏が述べていると、トークの最後でホール氏から3人にSurfaceがプレゼント

3人へプレゼントされたばかりのSurfaceを前に

　そしてSurfaceがどのような形で劇中に登場するか、という問いについて、黄瀬氏は「何気なくある感じがいいのかなと思っている」と語る。冲方氏も「もともとタッチ操作（というインターフェイス）はSF作品のキービジュアルだったが、既に日常化している。（劇中では）あまり壊さないようにする。情報のやり取りが作中、非常に重要になる。緊迫感のあるシーンで登場するのではないか」と述べ、さまざまな場面での登場に期待を持たせるコメントとなった。