シャープ商品説明会、IGZOディスプレイを軸にシェア挽回
シャープは、スマートフォンやタブレットの新製品説明会を開催した。
2012年10月より、シャープでケータイ事業を担う通信システム事業本部は、国内向けの営業部隊を傘下におさめた。これまでの企画・開発、マーケティングに加え、営業部隊を事業部に入れたことで、一貫した商品供給体制を築いていきたい考えだ。
シャープは、2012年度下期にスマートフォン4モデル、タブレット1モデル、フィーチャーフォン2モデルの合計7モデルを投入する。同社は「Feel Logic」という開発思想の下、スマートフォンにあって心遣いを追求する。下期に投入するモデルのコンセプトは「“Extend”your Feel」で、快適性や直感、新たな体験といった感性をゆさぶるといった意味合いがあるようだ。
シャープの執行役員で通信システム事業本部長の大畠昌巳氏は、デザイン性やユーザービリティを高め、競合に負けない端末の性能に加えて独自機能の実装、国内携帯電話事業者への迅速な対応など、商品力を高めていくことで2012年度中にシェアを挽回するとした。
というのも、シャープは2005年から6年間、国内シェア首位を走り続けていたが、2011年に3位に陥落しているからだ。大畠氏は首位の座を明け渡した原因を「国内のスマートフォン販売比率が高まり、グローバルモデルが国内市場に入ってきた。高速なCPUや操作性など端末進化が早まり、LTEやWiMAXといったキャリアサービスの大きな変化もあり、対応に少し遅れをとった」と説明した。
大畠氏 | 河内氏。「AQUOS PADは片手で“握れる”」とアピール |
組織変更 | キーコンセプト |
シェア | シェア挽回に向けて |
■スマホが2日間使えるIGZOディスプレイ
シェアを挽回し、首位を目指すシャープ。その中核となる技術が下期より投入される新世代のディスプレイ「IGZO」だ。IGZO液晶は当初、「アイ・ジー・ゼット・オー」と呼ばれていた酸化物半導体技術で、実装の段階で「イグゾー」と呼ばれるようになった。
IGZOディスプレイ | 特徴1 |
特徴2 | Smart 2Days |
IGZOディスプレイでは、液晶のトランジスタの小型化を実現したことで、1画素あたりの光の透過量が向上し高画質化を実現している。透過率が上がったことでバックパネルの光の量も抑えられ、省エネに繋がる。さらに、通常1秒間に60回リフレッシュする液晶ディスプレイにおいて、静止画など止まった画面では自動的に1秒間に1回に回数を抑え、省エネ効果を高めている。説明会では、自動車のアイドリングストップになぞらえて紹介していた。このほか、タッチ操作の検出力や細かい操作が可能になっている。
IGZOの未来の姿 | IGZOの名前の由来 |
電子移動度の比較 | TFTの比較 |
静止画の使用電力 | IGZOディスプレイを鏡に搭載。健康管理に |
シャープ 通信システム事業本部 マーケティングセンター所長の河内厳氏は、ハイパフォーマンスで二日間使えるスマートフォンを目指すとして、IGZOディスプレイ搭載のAQUOS PHONE ZETAを「Smart 2Days」とアピールしている。
下期のシャープ製スマートフォンでは、シャープの独自UI「Feel UX」も進化している。従来の3ラインホームはそのままに、「アプリ」や「ウィジェット」「ショートカット」の項目が入れ替えられるようになったほか、背景に画像も設定可能になった。ロック画面でのショートカット設定など、カスタマイズ性が向上している。
カメラ機能には1630万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用し、光学・電子の手ぶれ補正に対応。音声でシャッター操作も行える。料理や風景など、撮影シーンを自動認識する機能精度も高まっているという。
IGZOモデル展開 | スマートフォン戦略 |
各キャリアのハイスペックモデル | カラーバリエーション展開 |
タブレット | |
シャープでは、来年以降、IGZOディスプレイ搭載モデルを拡充していく計画で、シェア拡大に向けて反転していきたい考え。大畠氏は、「2012年上半期をボトム(底)として、シェアを挽回する。期待してほしい」などと語った。
このほか、説明会には下期投入モデルのタッチ&トライコーナーが併設された。スマートフォンやタブレットと連携するサービスや技術展示なども行われた。
■AQUOS PHONE ZETA
■AQUOS PHONE SERIE
■AQUOS PAD
■AQUOS PHONE Xx
■PANTONE 6
■その他
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2012/10/23 16:54