京大とドコモ、琵琶湖の局地風観測で環境センサーの情報を活用


 京都大学生存圏研究所とNTTドコモは、琵琶湖の西側で発生する局地的な強風「比良おろし」の動態を調べるため、10月10日~2013年3月31日にかけて共同で研究を行う。

 京都大学では比良おろしの精密な数値シミュレーションを行っており、湖西地域の特有な地形と琵琶湖に大きな影響を受けて発生していることが明らかになっている。ドコモは、同地方にすでに設置している観測センサー6局に加えて、新たに開発した小型の観測センサー13局を設置し、合計19局の観測点で風向風速、気温、湿度、気圧などの気象観測を実施して、京都大学にデータを提供する。京都大学ではスーパー・コンピューターを用いて予測精度の向上を図る。また、ドコモと京都大学は比良おろしをきっかけとして、集中観測と数値予報モデルで産学連携を進めていく。

 比良おろしは滋賀県の比良山地東麓に秋から春にかけて吹く局地風で、幅数kmの狭い地域に、平均風速で30m/s以上の強風が数時間にわたり発生する。鉄道の遅延や水難事故を引き起こすほか、発生場所が移動するため予測が難しいという特徴がある。

 




(太田 亮三)

2012/10/9 18:02