今週のケータイ Watchの読み方 (2012年10月5日)


ソフトバンク、イー・アクセスを買収


 

 10月1日、ソフトバンクはイー・アクセスを完全子会社化すると発表した。ソフトバンクの孫社長は、iPhone 5のLTEが1.7GHz帯もサポートしていることなどを中心に、主に周波数の面でメリットをアピール。ソフトバンクのユーザーがLTEで1.7GHz帯も利用できるようになるのは、計画通りなら2013年の春になる見込みで、この将来的な対応を見越して、テザリングの開始時期は2012年12月15日に早める方針も明らかにされた。

 孫社長は、プラチナバンドと呼ぶ900MHz帯を獲得するまでは、公平な周波数の割当てを求め、「イコールフッティング」(公平な競争環境)を度々訴えてきたが、今回のイー・アクセスの買収により、少なくとも利用できる周波数という意味では他社を追い抜いてしまう形だ。

 企業の買収という方策は一般的だが、周波数の獲得を目的に買収したことは孫社長の発言からも明らかだ。電波は国民の財産という観点に立つと、問題は、当初の免許が付与される際に審議された条件が大きく変化することになれば、想定されていた電波政策に大きな矛盾が生じることになるのではないか、という点だ。

 孫氏は、2012年3月に900MHz帯を獲得した際、周波数オークションについて、以下のようにコメントしている。

 「公平に割り当てる際の1つの手法。中途半端に行うと別の問題がある。スマホのトラフィックは都心において増えており、電波の有効活用が必要になる。電波を本当に有効活用しているのか、1MHz幅あたりどれくらい活用しているのかもう一度洗い直して欲しい。これは聖域なしでやって欲しい。携帯はライフラインであり、テレビ局やラジオ局も全てにおいて、オークションするというならばそれはそれで理解できる」

 ソフトバンクがお金で周波数を買ったことで、結果的に周波数オークションと同じような結果になっているが、周波数オークションとは異なり、お金の移動に国民は関係がない。電波の有効活用への責任も今以上に重くなるだろう。今後イー・アクセスに割り当て予定の周波数帯の見直しといった点も含めて、注意深く見守っていく必要があるだろう。

 


ソフトバンク、イー・アクセスを買収

 


 

新製品発表会が間近に


 

 10月2~6日にかけて「CEATEC JAPAN 2012」が開催されており、携帯電話キャリアではNTTドコモ、KDDIが出展した。ドコモは予告通り、冬モデルの中から、人気コミック「ONE PIECE」とコラボする「N-02E ONE PIECE」、ディズニーとのコラボ「Disney Mobile on docomo N-03E」、ソニーモバイル製の「Xperia AX SO-01E」、5.5インチディスプレイのサムスン製「GALAXY Note II SC-02E」の4機種を先行して展示。ソニーのブースでは「Xperia AX SO-01E」のグローバル版である「Xperia V」が実機に触れられる形で展示されている。

 なお、冬モデルの新製品発表会は、10月9日にソフトバンクモバイル、10月11日にNTTドコモが開催する予定。KDDIもその後に開催するものと思われる。

 


ドコモ、「ONE PIECEスマホ」など冬モデルの一部を先行展示

ドコモから「ONE PIECEスマホ」、CEATECで展示

 


 

ニューモデルの発表・新情報


ドコモ、「AQUOS PHONE si SH-01E」を10月5日発売

ソニー、日本向け「Xperia AX」を発表

Android 4.1搭載、1.7GHzクアッドコアの「HTC One X+」


au、「GALAXY S II WiMAX ISW11SC」のOSアップデートを再開

ソニーのXperia Tablet S、製造上の不具合で販売を一時停止

 




(太田 亮三)

2012/10/5 21:46