NEC、スマホなど利用の画像認識サービスを発売


 NECは、スマートフォンなどモバイル端末のカメラで撮影した画像を高精度に認識できるサービス「GAZIRU」(ガジル)を6月1日に発売する。画像認識エンジンの価格は月額48万円~。

 今回発売される「GAZIRU」は、NECが独自に開発した世界一の認識精度を謳う画像認識エンジンを用いたサービス。データベースにある画像と照合することで名称や詳細情報と結びつけて表示することが可能になる。モバイル端末上で単体で動作するバージョンと、クラウドと連携しネットワーク側に画像認識エンジンを持つバージョンの2種類の方式が用意されている。顔や文字など特定の領域ではなく、同じカテゴリーの物でもさまざまな形がある、比較的不定形なものにも対応する汎用型の画像認識エンジンとして設計されているのが特徴で、自動車や建築物、食品、印刷物といった領域でもサービスを提供できるとする。

 同エンジンを利用するサービスプロバイダーは、提供したいサービスに合わせて画像やCGデータなどを用意しデータベースに登録。「GAZIRU」を組み込んだスマートフォンアプリなどを開発すれば、エンドユーザーに向けて、スマートフォンのカメラによる画像認識機能を使ったアプリやサービスを提供できる。


試作アプリによる画像認識エンジンのデモ。シャッターを押す必要は無く、データベースの情報と合致し車種名が表示された。さらに詳細な情報を表示することも可能だった。例えば自動車の場合なら、1車種につき100枚程度の画像をデータベースに登録することでこうした利用が可能という
こちらはマンションの例。外観を撮影すると、空き部屋があるかどうかが表示された。外観の情報や空き部屋の情報はサービスプロバイダー側が予め用意しておく

 

NEC キャリアサービス事業本部 第三キャリアサービス事業部長の大槻隆氏

 22日に都内で記者向けに開催された説明会で、NEC キャリアサービス事業本部 第三キャリアサービス事業部長の大槻隆氏は、高速で高精度な画像認識エンジンになっていることをアピールし、「システムをすぐに、安く、クラウドで提供できる」と、煩雑になりがちなデータベースの構築や管理といった認識エンジンにかかわる部分をNECが提供することで、比較的安価に提供できるとした。

 また同氏は、「目に見た情報、その先の情報を取ってくる」と「知っている情報を早く、簡単に届けられるサービス」と語り、目に入った情報を拡張でき、なおかつ手軽に利用できると強調した。なお、認識精度については、対象により異なるものの7~8割以上とされている。


 

 

(太田 亮三)

2012/5/22 13:52