富士通、Windowsケータイ「F-07C」をアピール


写真左からマイクロソフト樋口氏、富士通の佐相氏、齋藤氏、インテルの宗像氏

 富士通は、パソコン向けOS「Windows 7」とSymbian OSを搭載したiモード端末「F-07C」の発表会を開催した。

 「F-07C」は、Windows 7と富士通製iモード端末で採用するSymbian OSのマルチプラットフォーム対応を実現したスライド型携帯電話。Windows 7のパソコンとiモード端末が1台の端末で利用できる。

 なお、今回のプレゼンテーションは「F-07C」を使って行われた。富士通の執行役員 兼 パーソナルビジネス本部長の齋藤邦彰氏は、「F-07C」について、「ケータイとPCのいいとこ取り。ケータイとして使えて、パソコンとしても使えるハイブリッド端末」などと紹介した。

 富士通のパソコン事業では、「ライフパートナー」をキーワードに展開されている。齋藤氏は、「F-07C」を会社や自宅でライフパートナーを実現する新たな環境であるとアピールした。また、Windowsとiモードをボタン1つで切り替えられる手軽さもポイントに挙げた。

 ただし、Windows 7とiモードは基本的にデータ共有のみで、プロセッサもそれぞれ異なる。互換性を優先したため、一部の機能は一方のプラットフォームからは利用できない仕様となっている。富士通の執行役員常務の大谷信雄氏は、「連携をとろうとするほど複雑になるため、割り切ったところもある。結果的に、使い勝手がよいのではないか」と話していた。

 また「F-07C」は、Windowsベースの業務アプリなどを採用する企業向けの法人用途も想定されている。現状では端末の遠隔ロックといった機能はiモード側のみ対応する仕様だが、Windows環境については今後サポートを検討しているという。



 富士通の執行役員副社長の佐相秀幸氏は、パソコンやタブレット型端末、スマートフォン、携帯電話といったデバイスの垣根がなくなり、プラットフォームが多様化し大きな変革期であると話す。現在のモバイルを取り巻く状況について、かつてパソコンがDOS/Vに移行した時期と同じぐらいの潮流の変化と説明した。

 富士通のユビキタスプラダクトグループには、パソコン事業と携帯電話などのモバイル事業があり、双方の企画開発部隊は肩を並べる形になる。「F-07C」はパソコン部隊が開発した端末となるが、佐相氏は「中身は携帯部隊と融合して開発した」と話す。また、パソコンとモバイルを同じグループで規格しているからこその商品であるとした。

 ゲスト登壇した日本マイクロソフトの代表取締役社長の樋口泰行氏は、Windows 7について、これまでのOSの中で最も普及速度が速いと話し、現在まで世界で3.5億ライセンスを出荷しているとした。「F-07C」については、中国や台湾、韓国では絶対にできない綿密な出来映えだと評価した。インテルの取締役副社長の宗像義恵氏は、「F-07C」に同社のAtomプロセッサーが搭載されていると紹介し、新しい時代に向かっているデバイスであると述べた。

 このほか、Windows Phone 7の最新版となるMangoより、新たなパートナーとして富士通の参加が表明された。富士通の大谷氏は「最終的にはオペレーターが決定することだが、Windows Phone 7については検討している」と話した。


 




(津田 啓夢)

2011/5/26 14:45